野球の試合は華やかですが、その裏には選手たちの地道な練習があります。特にメジャーリーグの選手たちは、様々な専門的なトレーニング方法で技術を磨いています。しかし、解説や記事で使われる練習方法の英語表現を理解できないと、選手の努力や成長過程を十分に把握することができません。本記事では、メジャーリーガーたちが実際に行っている練習方法とその英語表現を詳しく解説します。これらの知識があれば、英語の野球中継やインタビュー記事をより深く理解でき、選手の成長を違った視点から見ることができるでしょう。
打撃に関する練習方法

打撃は野球の醍醐味であり、選手たちは様々な方法で打撃技術を磨いています。英語放送でよく耳にする打撃練習に関する表現を見ていきましょう。
基本的な打撃練習
- Batting Practice (BP)(打撃練習)
「The team held batting practice before the game to warm up.」
(チームは試合前に打撃練習を行い、ウォーミングアップしました)
これは最も一般的な打撃練習の表現です。試合前のフィールドで行われるBPは、選手たちがリズムを作るための重要な時間です。
実践的な打撃練習
- Live Batting Practice (Live BP)(実際の投手が投球する打撃練習)
「The pitcher threw live batting practice to test his pitches against big league hitters.」
(ピッチャーはメジャーリーグの打者に対して実際の投球を試すためにライブBPを行いました)
通常のBPとは異なり、実際の投手が本気で投げるこの練習では、打者はより実戦に近い形で打撃感覚を磨くことができます。またピッチャー側も自分の球がどのように打たれるかをテストできる貴重な機会です。
基礎技術向上のための打撃練習
- Tee Batting(ティーバッティング)
「The coach used tee batting to help the player improve his swing mechanics.」
(コーチは選手のスイングメカニクスを向上させるためにティーバッティングを使用しました)
ティーの上に置かれた静止したボールを打つこの練習法は、スイングの基本フォームを修正するのに最適です。動きのないボールに集中することで、スイングの細かい部分を調整できます。 - Fungo Batting(ファンゴバッティング)
「The coach used a fungo bat to hit balls to the outfielders during practice.」
(コーチは練習中にアウトフィールダーにボールを打つためにファンゴバットを使用しました)
主に守備練習のために使われるこの技術では、コーチが特殊なバット(ファンゴバット)を使って正確にボールを打ち分けます。フィールダーは様々な角度や高さのボールを捕球する練習ができます。
これらの打撃練習は、選手がバッターボックスで成功するために欠かせない基礎作りとなっています。特に若手選手やスランプに陥った選手は、これらの基本練習に立ち返ることで感覚を取り戻すことが多いです。
投球に関する練習方法

投手は試合の流れを大きく左右する重要なポジションです。彼らのトレーニング方法を表す英語表現を見てみましょう。
ピッチング技術の向上
- Pitching Drills(ピッチングドリル)
「The pitcher worked on his pitching drills to improve his control.」
(ピッチャーはコントロールを向上させるためにピッチングドリルを行いました)
ピッチングドリルには様々な種類があり、コントロール、球速、球種の精度を高めるためのものがあります。基本的なものから複雑なものまで、投手の課題に合わせたドリルが選ばれます。
実践的な投球練習
投手は試合に備えて、より実践的な状況での練習も行います。
- Bullpen Sessions(ブルペンセッション)
「The starting pitcher threw a bullpen session two days before his scheduled start.」
(先発投手は予定された登板の2日前にブルペンセッションを行いました)
ブルペンセッションでは、実際のマウンドと同じ高さから捕手に向かって投球練習を行います。試合と同様のリズムやフォームで投げることで、実戦感覚を維持します。 - Side Sessions(サイドセッション)
「After his last start, the pitcher made adjustments during his side session.」
(前回の先発登板後、投手はサイドセッションで調整を行いました)
サイドセッションはブルペンセッションと似ていますが、通常はより短く、特定の問題点を修正するために行われることが多いです。
投球練習は投手の調子やスケジュールに合わせて計画的に行われます。シーズン中は過度な疲労を避けるために、練習量をコントロールすることも重要です。
具体的なピッチングドリル例
- Towel Drill(タオルドリル)
タオルを持ってピッチング動作を行い、フォームを確認する練習法です。 - Long Toss(ロングトス)
長距離のキャッチボールを行い、肩の強化とボールの勢いを養います。 - Bullpen Session(ブルペンセッション)
試合さながらに投球を行い、全ての球種を投げ込む練習です。
これらの練習は、投手が試合で最高のパフォーマンスを発揮するために不可欠です。特に若手投手は、これらの基本的なドリルを繰り返し行うことで、メジャーリーグレベルの投球技術を身につけていきます。
守備と基礎技術のトレーニング

試合の結果を左右する守備力。メジャーリーガーたちは様々な守備練習で技術を磨いています。
守備技術の向上
- Fielding Drills(フィールディングドリル)
「The infielders practiced fielding drills to improve their reaction time.」
(インフィールダーは反応速度を向上させるために守備ドリルを行いました)
フィールディングドリルは、各ポジションに合わせた様々な種類があります。内野手は素早い反応と正確な送球を、外野手は広範囲をカバーする能力と強い肩を鍛えるためのドリルが中心となります。
ポジション別の専門練習
守備練習はポジションによって大きく異なります。
- Infield Practice(内野練習)
「The team starts their daily workout with infield practice to reinforce fundamentals.」
(チームは基礎を強化するために毎日の練習を内野練習から始めます)
内野練習では、様々な方向からのグラウンダーの処理や、ダブルプレーの連携などを練習します。特に、内野手間の連携プレーは繰り返し練習することが重要です。 - Outfield Practice(外野練習)
「Outfield practice focuses on proper routes to the ball and strong, accurate throws.」
(外野練習は適切な打球への動き方と強く正確な送球に焦点を当てています)
外野練習では、打球への最適なルートの取り方や、壁際でのプレー、送球の精度向上などが重視されます。
守備練習は地道ですが、試合の勝敗を左右する重要な要素です。特にメジャーリーグでは、小さなミスが大きな失点につながることが多いため、基本的な守備技術の習得に多くの時間が費やされます。
守備練習の具体例
- Double Play Drills(ダブルプレードリル)
二塁手と遊撃手が連携して、素早くダブルプレーを完成させる練習です。 - Cutoff Drills(カットオフドリル)
外野手から内野手へのリレープレーを練習し、走者の進塁を防ぐ技術を磨きます。
これらの守備練習は地味に見えますが、試合の勝敗を分ける重要な要素です。特に「Defense wins championships(守備が優勝を決める)」という言葉があるように、堅実な守備力はチーム強化の基盤となります。
体力・コンディション強化のメソッド

野球は長いシーズンを戦い抜く持久力と、瞬発的なパワーが求められるスポーツです。メジャーリーガーたちは様々なフィジカルトレーニングで身体能力を高めています。
敏捷性の向上
- Agility Training(敏捷性トレーニング)
「The team incorporated agility training into their off-season workouts.」
(チームはオフシーズンのトレーニングに敏捷性トレーニングを取り入れた)
敏捷性トレーニングでは、素早い方向転換や反応速度を向上させるための様々なドリルを行います。特に守備範囲の拡大や走塁技術の向上に繋がる重要なトレーニングです。
筋力の増強
- Strength Training(筋力トレーニング)
「The players focused on strength training during the off-season to build muscle.」
(選手たちはオフシーズンに筋力トレーニングに集中し、筋肉量を増やしました)
野球に必要な筋力をバランスよく鍛えるトレーニングです。特にオフシーズンは、シーズン中に消耗した筋肉を回復させ、さらに強化する重要な期間となります。
シーズン中のコンディショニング
シーズン中は試合で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、適切なコンディショニングが重要です。
- Recovery Sessions(リカバリーセッション)
「After a night game, players participate in recovery sessions to prepare for the next day’s game.」
(ナイトゲーム後、選手たちは翌日の試合に備えてリカバリーセッションに参加します)
リカバリーセッションには、ストレッチ、アイシング、マッサージなどが含まれ、疲労回復と怪我の予防に役立ちます。 - Cardio Workouts(有酸素運動)
「Players maintain their stamina with regular cardio workouts throughout the season.」
(選手たちはシーズンを通して定期的な有酸素運動で持久力を維持しています)
有酸素運動は長いシーズンを通じて持久力を維持するために重要です。ランニングやサイクリングなどが一般的ですが、シーズン中は試合による疲労を考慮して強度を調整します。
体力トレーニングとコンディショニングは、長いシーズンを通じてパフォーマンスを維持するために欠かせません。特に近年は科学的なアプローチが取り入れられ、選手ごとに最適化されたトレーニングプログラムが組まれることが多くなっています。
その他のコンディショントレーニング
- Flexibility Training(柔軟性トレーニング)
怪我の予防と動作の滑らかさを向上させるための柔軟性を高める練習です。 - Core Training(体幹トレーニング)
スイングやピッチングの力の源となる体幹部分を強化するトレーニングです。 - Cardiovascular Training(有酸素運動)
持久力を高め、長いシーズンを乗り切るための体力作りを目的としています。
これらのトレーニングは、ただ筋肉をつけるだけではなく、野球に特化した身体能力を効果的に高めるために計画的に行われています。特に現代の野球では、科学的なアプローチによるトレーニング方法が注目されています。
実践的な状況再現トレーニング

実際の試合で起こりうる状況を想定した練習も、メジャーリーガーにとって重要なトレーニングです。これらの練習を通じて、実戦での判断力や対応力を養います。
試合状況の再現練習
- Situational Drills(状況想定練習)
「The team practiced situational drills to prepare for game scenarios.」
(チームは試合中のシナリオに備えるために状況ドリルを行いました)
ワンアウト二、三塁など特定の状況を設定し、その状況での最適なプレーを練習します。打者、走者、守備側それぞれの動きや判断を確認する重要な練習です。
模擬試合
- Simulated Games(模擬試合)
「The team played simulated games to prepare for the upcoming season.」
(チームは来季に向けて模擬試合を行いました)
実際の試合に近い形で行われる練習試合です。投手の投球数や特定の状況設定など、通常の試合とは異なるルールで行われることもあります。特に故障からの復帰過程にある選手のリハビリや、新しい技術の試験的導入などに活用されます。
チームワークを高める練習
- Relay Drills(中継プレードリル)
「Outfielders and infielders practice relay drills to perfect their cutoff throws.」
(外野手と内野手は中継プレーを完璧にするために中継ドリルを練習します)
中継プレードリルでは、外野からホームプレートやベースへの長距離送球を効率よく行うための連携プレーを練習します。適切なポジショニングと正確な送球が求められる重要な技術です。 - Bunt Defense Drills(バント守備ドリル)
「The team regularly practices bunt defense drills to handle sacrifice bunts effectively.」
(チームは犠牲バントに効果的に対応するために定期的にバント守備ドリルを行います)
バント守備ドリルでは、バントに対する各ポジションの動き方や、適切な判断(どのベースに送球するか)を練習します。試合中の重要な場面でミスを防ぐために欠かせない練習です。
その他の実践的練習
- Baserunning Drills(走塁練習)
様々な状況での適切な走塁を練習し、得点機会を最大化する技術を磨きます。 - Bunt Defense(バント守備)
バントに対する各守備位置の動きを確認し、連携をスムーズにする練習です。 - Pickoff Moves(牽制球練習)
投手と内野手が連携して走者をアウトにするための牽制球の練習を行います。
これらの実践的な練習は、個々の技術を試合という文脈の中で活かすために不可欠です。特にチームプレーの部分では、仲間との連携や状況に応じた最適な判断を身につけることができます。
練習を見ている観客同士の会話例

MLBの練習を見学できる機会は貴重です。そのような場面で、ファン同士が交わす会話の例をいくつか紹介します。これらの表現を知っておくと、現地のファンとのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。
打撃練習を見学しているとき
例1:選手のスイングについて
- ファンA:「Look at his swing during BP. He’s really driving the ball today.」
(彼のBPでのスイングを見て。今日は本当にボールを飛ばしているね) - ファンB:「Yeah, he’s been working on his timing with tee batting. It seems to be paying off.」
(うん、彼はティーバッティングでタイミングを調整していたんだ。成果が出ているみたいだね)
例2:投手の調子について
- ファンA:「That pitcher is throwing live BP today. His fastball looks sharp.」
(あのピッチャーは今日ライブBPをやっているね。彼のファストボールは鋭く見える) - ファンB:「I heard he’s been focusing on his pitching drills to improve his breaking ball.」
(彼は変化球を向上させるためにピッチングドリルに集中していると聞いたよ)
守備練習を見学しているとき
例3:内野手の連携プレー
- ファンA:「The infielders are doing double play drills. Their timing is incredible!」
(内野手たちがダブルプレードリルをやっているよ。彼らのタイミングは信じられないほど素晴らしいね!) - ファンB:「That’s why they lead the league in defensive efficiency. Those fielding drills really show in games.」
(だから彼らは守備効率でリーグをリードしているんだ。守備練習の成果は試合で本当に現れるね)
例4:若手選手の成長
- ファンA:「That rookie is doing fungo batting with the coach. His technique has improved a lot.」
(あのルーキーはコーチとファンゴバッティングをしているね。彼の技術はかなり向上したね) - ファンB:「Yeah, I saw him earlier doing agility training too. The team is investing a lot in his development.」
(うん、さっき彼が敏捷性トレーニングもやっているのを見たよ。チームは彼の育成にかなり投資しているね)
実戦形式の練習を見学しているとき
例5:模擬試合について
- ファンA:「They’re setting up for a simulated game. This should be interesting to watch.」
(彼らは模擬試合の準備をしているね。これは見ていて面白そうだ) - ファンB:「I love watching these situational drills. You get to see how they prepare for specific game scenarios.」 (私はこういう状況想定練習を見るのが好きなんだ。特定の試合状況にどう備えるかが見られるから)
例6:トレーニング方法の変化
- ファンA:「The strength training program has really changed over the years. These players are so much more athletic now.」
(筋力トレーニングのプログラムは年々本当に変わってきたね。今の選手たちはずっとアスレチックになっている) - ファンB:「Definitely. And now they focus so much on core training and flexibility. It’s not just about bulking up anymore.」
(間違いないね。そして今は体幹トレーニングと柔軟性にとても焦点を当てている。もはや単に筋肉を大きくすることだけじゃないんだ)
これらの会話例からわかるように、練習方法の英語表現を知っていると、他のファンとより専門的な話ができるようになります。また、選手の成長過程や調整方法について、より深い視点から観察することができるでしょう。
まとめ

メジャーリーガーたちの練習方法は非常に多岐にわたり、それぞれが専門的な英語表現で呼ばれています。打撃練習(Batting Practice, Live BP, Tee Batting)、投球練習(Pitching Drills)、守備練習(Fielding Drills)、体力強化(Agility Training, Strength Training)、そして実践的な状況想定練習(Situational Drills, Simulated Games)など、選手たちは様々なトレーニングを通じて技術を磨いています。これらの英語表現を理解することで、野球中継やインタビュー記事をより深く理解でき、選手の成長過程や努力を新たな視点から見ることができるでしょう。彼らのパフォーマンスの裏には、こうした地道な練習の積み重ねがあることを忘れないでください。
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これらの練習方法の英語表現を覚えておくと、次回メジャーリーグの試合を観戦する際に、解説者の言葉をより深く理解できるようになります。また、お気に入りの選手がどのような練習に取り組んでいるのかを知ることで、その選手の成長や課題をより具体的に把握できるようになるでしょう。
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