今この記事を読んでくれている人たちは、「英会話スクールへ通ってみよう!」と思ってみたものの、「どのスクールを選んだら良いかわからない!」と思ってこのページに辿り着いたのでしょう。一口に「英会話スクール」と言っても色々なタイプのスクールがあります。通う人の目的によって、「ハマるタイプのスクール」と「全く噛み合わないタイプのスクール」があります。今回は「目的別」に「英会話スクールの選び方」を考えてみましょう。
ここで紹介する「英会話スクール比較」は同じような題材を扱った他のサイトと大きく異なります。私自身が35年以上の講師経験を持ち、日本最大手と言えるAEONで講師トレーナー、教務責任者として10年以上勤務し、その後、5つの別ブランドで事業責任者として、数千人以上の外国人講師と数千人以上の日本人講師を採用・教育し、直接間接的に数万人以上の受講生の学習状況を見て来ました。詳細は他のカテゴリーの記事に書いてあります。
英会話スクールを選ぶ上での基本的な考え方はこちらの記事に書いてありますので参考にしてください。ここでは、そのうちの「英語を話せるようになりたいから」タイプ向けのスクールを紹介します。
SHANE
AEONやECCほど広告宣伝をしないので、目立ちませんが意外とスクール数が多いのがSHANEです。元々、子供向けのスクールとしてスタートしているので、AEONやECCとは少しタイプが違います。創立1977年なのですが、スクール数を増やしてきたのは1990年代だと思います。
「英語を話せるようになりたいから」タイプ向き
「英語を話せるようになりたいから」タイプにとって、大切なポイントは以下になります。
- 立地やスクールシステム的に通いやすい
- クラスメートがいる
- 予習・復習に過度な負担がかからない
- 安すぎず、高過ぎない料金設定
- カリキュラムがしっかりしている
- テキストがしっかりしている
- レベル分けがしっかりしている
- ① 立地やスクールシステム的に通いやすい
-
英語は1-2週間で身に付くようなものではありません。多少なりとも「上達実感」が感じられるようになるまでには数ヶ月かかります。そこまで続けられないと、本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」として成立しませんので、続けれれることが最優先です。
HPによると、190校ありますが、恐らく直営50校程度で、残りはフランチャイズです。フランチャイズが悪いわけではありませんが、オーナーの趣向によって運営方針は異なる事が多いようです。新宿、渋谷、池袋、銀座など東京都内や、横浜、大阪、名古屋、福岡、など、通学する上での利便性は継続率に直結していますので、非常に通いやすく続けやすいスクールだと思います。
- ② クラスメートがいる
-
AEON、ECC同様にSHANEのレッスンも少人数制グループレッスンがメインです。平日昼間のレッスンだと料金が半額くらいになるのがポイントです。基本的に固定性レッスンなので毎回同じクラスメートとレッスンを受けることになります。
ちょっと脱線しましたが、グループレッスンのメリットとして「クラスメートがいる」という事があります。特に初心者の場合は、プライベートレッスンだとなかなか継続しにくいのが実情です。「クラスメートがいる」という事は、そのまま継続率が高くなることになるようです。
- ③ 予習・復習に過度な負担がかからない
-
ECCやAEONと比べると、勉強的な側面は低くなります。予習復習は必須ではなく「出来れば予習してレッスンを受けると良い」くらいの感覚です。
英会話スクールによっては、かなりの量の宿題が課せられたり、予習の段階でしっかりと準備してくることが前提になっている場合があります。「絶対に英語をマスターしたい!」と言う明確な目標設定ができている場合は問題ないのですが、本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」の場合は、嫌になってしまって挫折可能性が高くなります。
- ④ 安すぎず、高過ぎない料金設定
-
料金体系などは、SHANEのHPや他の比較サイトを参考にしてください。ここでは詳細は割愛しますが、SHANEのいちばんの特徴は、「月謝制」と言う点です。グループレッスンでもプライベートレッスンでも月謝制です。AEONやECCなど、伝統的な大手のスクールが年間契約で一括前払いなのに対して、SHANEの「月謝制」は非常に大きなポイントになります。料金設定に関しては、「英会話スクール|比較の仕方」で書いてありますので、興味のある方は参考にしてください。
「本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」なのであれば、「出来るだけ費用をかけず」に試してみた方が良いと考えるかもしれませんが、なかなかそう上手くはいきません。
料金設定には必ず理由があります。賃貸マンションなどと同じです。「安い物件にはそれ相当の理由」があります。やみくもに「安さだけ」を追い求めて、結局続けられず中途半端に終わってしまったら、かえって高くつきます。反対にこのタイプの人は「あまりに高いスクール」も無理があります。
英会話スクールに限らず、何かを学ぶとか身につけると言う場合、そのために費やした時間や労力と正比例します。そしてかなりの確率で、要した費用にも正比例します。人間の心理として、掛かった費用に対して「元を取ろう」と言う意識が自然と働き、努力をするようになるのだと思います。反対に、安い物は雑に扱う傾向があるようです。
- ⑤ カリキュラムがしっかりしている
-
SHANEの特徴は、やはり「月謝制」と言う料金設定になります。あまり、カリキュラムに特徴があるタイプのスクールではないようです。あくまでも個人の印象です。
- ⑥ テキストがしっかりしている
-
「日常英会話」のクラスはオリジナル教材、「ビジネス英語」のクラスは市販の教材を使用しています。正直言ってあまり特徴のあるテキストではありません。とは言え、どんなテキストでも、しっかりと使い込めば上達できます。あくまでも生徒の取り組み次第なのですが、あまり英語力向上という面を強く打ち出しているタイプのスクールではありません。
- ⑦ レベル分けがしっかりしている
-
SHANEのレベル分けは、「日常英会話」が6レベル、「ビジネス英語」が5レベルというのが基本のようです。体験レッスンを受けて、講師がレベル設定をするのですが、あまり明確な基準があるようでは無い印象を受けます。やはり、「月謝制」と言う料金設定がいちばんの差別化ポイントになるようです。
全190校のうち直営が50校なので3/4程度がフランチャイズになります。オーナーの考え方によってスクールの雰囲気も変わるのですが、月謝制で運営するために低コスト化を重視している印象があります。広告費を抑え、物件も抑え、人件費も抑えとい感じなので、レッスン前後に講師やスタッフに色々と相談するという感じでは無いようです。
SHANEに向いていないタイプ
SHANEも極めて伝統的な、いわゆる「英会話スクール」です。料金を抑え、月謝制で運営する良心的なスクールですが、特殊な目的を持っている、死ぬ気で勉強したい、みたいな人には向いていません。何点か具体的な例を挙げます。
- 1. 極めて特殊なある特定の目的を持っている。
-
「英会話の王道」的なスクールがグループレッスンをメインに運営している英会話スクールです。「ちょっと英会話勉強したいかも!」的な感覚の他の生徒とあまりにも目的が違う方には向いていません。もちろんプライベートレッスンを受講すれば、目的に合った内容で受講できます。以下、私が直接教えた方で、プライベートレッスンを勧めて受講していただいたタイプです。
- CAの方で外資系航空会社に転職するための面接練習をしたい
- 会計士の方で、半年以内に英検準1級と1級を取らないといけない
- 洋楽コピーバンドでボーカルを担当していて、歌詞を理解し、正しい発音で歌いたい
当然ながら、全員目的を達成してもらいました。
- 2. 何が何でも上達したい
-
いわゆる英会話学校は、「ちょっと英会話勉強したいかも!」的な感覚の方が通うスクールです。高校生・大学生から、OLさん、ビジネスマン、主婦の方達が、楽しくレッスンを受講する場です。あまりに、ストイックに英語力を求める方には向いていません。
学習法のカテゴリーで勉強法を説明していますが、本気で英語を身に付けたいなら、英会話スクールに通う必要はあまりありません。自分でしっかりと勉強してください。
- 3. とにかく費用を抑えたい
-
「月謝制」の良心的なスクールとは言え、少人数制グループレッスンが1ヶ月16,500円〜、プライベートレッスンが1ヶ月29,700円〜です。AEONやECCよりは低価格とは言え、格安を謳っているスクールよりは高くなります。月謝制とは言え、入会時には3ヶ月の月謝とテキスト代等が必要になり、それなりの金額になります。この料金設定をどう思うかは個人個人異なると思いますが、決して「格安」ではありません。
「格安」を追求したい人向けのスクールではありません。ただし、賃貸マンションと一緒で、安いには安い理由があります。どちらを選ぶかという個人の優先順位の問題だと思います。
体験レッスンについて
気になったら体験レッスンを受けてみると良いと思います。体験レッスンを受ける場合の注意点を何点か書きます。
- 1. 体験レッスンは通常のレッスンとは違う
-
体験レッスンの目的はセールスです。私自身が自分で直接体験レッスンをした場合も、スクール勤務の講師に担当させた場合も、あくまでも「入会してもらうためのレッスン」をします。当然ながら、出来るだけ良い講師を担当させます。入会後に、その講師のレッスンを受けられるとは限りません。
また、レッスンの進め方も体験レッスンと通常レッスンでは異なります。何も特別な理由がある訳ではありません。通常レッスンは、レベル分けをした生徒が毎週使っているテキストを予習してレッスンを受けます。体験レッスンはレベル設定ができていない来訪者に対して、初めて見せるテキストを使います。
その条件の中で、短時間でできる限り良いレッスンを提供しようとします。また、良い印象を持ってもらえるように努力します。あくまでも参考程度に考えた方が良いでしょう。
- 2. 口コミを参考にしない
-
英会話スクール比較の記事を書いておきながら、こんな事を書くのはどうかと思いますが、このような比較サイトや口コミはあまり参考にしない方が良いでしょう。趣味でこのような記事を書いている人はほとんどいないと思います。
私自身、このサイトはアフィリエイト収入を目的で投稿しています。他の比較サイトも多くの場合、ある特定の英会話スクールなどに誘導し、成功報酬を貰うために書いています。
今後このサイトで、アフィリエイトの記事を投稿する予定ですが、無条件で良い点だけを褒めて誘導するような記事を書くことはありませんので、メリット・デメリットも参考にしてもらえると良いと思います。
- 3. 直感を信じる
-
口コミなどを信じずに、直感を信じましょう。英会話のレッスンは毎週1回か2回、継続的に何ヶ月も何年も受講します。そのスクールのある立地、ビルの雰囲気、スクールの設備や内装、スタッフや講師の印象、生徒層など、居心地の良い空間か、毎週顔を合わせたい人達なのか、体験レッスンよりも口コミよりも、この第一印象が一番大切です。
恐らく、体験レッスンが終わる頃には、ご自身の中で印象が固まっていると思います。自分の直感を信じ、自分の判断で決めるのが一番です。
最後に
気になったら、体験レッスンに行ってみてください。まずは自分で体験してみて、直感を信じるのが一番です!