「英語をマスターするには、若いうちからの留学が必須」
「高額な教材や特別な環境がないと、ビジネスレベルには到達できない」
もしあなたがそう思っているなら、私の歩んできた道を知ることで、その常識が覆されるかもしれません。
私のキャリアのスタートは、決して華やかなものではありませんでした。大学を中退し、早朝の築地魚市場で働きながら、夜はロックバンドに明け暮れる。そんな、英語とは無縁に見える生活が私の原点です。
しかし、そこから留学も海外生活も一切経験することなく、気がつけば英国企業のCEOと対等に渡り合い、数千人の外国人講師を指揮する立場になっていました。
「日本国内にいながら、英語は必ず極められる」
これは、私が40年以上の歳月と実戦の中で証明してきた「事実」です。
この記事では、魚市場でカセットテープを聴き狂っていた20代から、ロンドンの会議室でタフな交渉に挑んだ50代まで、私の英語人生の全軌跡をありのままに綴ります。なぜエリートではなかった私が、英語を「最強の武器」に変えることができたのか。その泥臭くも確実な歩みが、あなたの英語学習に新たな光を灯すことを願っています。
私の英語学習歴|全体像

| 時期 | 年齢 | 主な環境・活動 | 英語との関わり | 到達レベル |
|---|---|---|---|---|
| 幼少期〜大学受験 | 3〜19歳 | 家庭環境・学校・受験 | 音楽・ラジオ講座・多読 | 基礎構築 |
| 大学〜アルバイト時代 | 19〜30歳 | 築地市場・バンド活動 | 実践練習・異文化交流 | 実力飛躍 |
| トレーナー〜教務責任者 | 30〜40歳 | 英会話スクール本部 | 管理・研修・トラブル処理 | 実務レベル |
| 事業部長〜代表取締役 | 40〜60代 | 複数企業で経営職 | 国際交渉・契約・危機管理 | プロフェッショナル |
【第1章】幼少期〜大学受験:憧れと基礎を築いた時代

幼少期:自然な音との出会い(3〜12歳)
私の英語学習は、意識的な「勉強」ではなく、音楽と映画への憧れから始まりました。
家庭環境の影響:
- 叔父がグループサウンズをやっていて、洋楽レコードが豊富
- FEN(現AFN)が日常的に流れていた
- 母親が洋画好きで、毎日のようにテレビで観ていた
この時期の最大の収穫:
「英語を勉強してきた中で、発音に関してあまり苦労した事がありません。なので、この幼少期の経験、と言うか、環境は後に非常に役に立ったのだと思います。」
重要な学び: 言語習得において「音から入る」ことの重要性を、身をもって体験しました。
中学時代:NHKラジオ講座との運命的出会い(12〜15歳)
中学1年で英語の授業が始まった時、母親が買ってきたNHKラジオ講座のテキスト。これが私の人生を決定づける出会いとなりました。
「続基礎英語」の衝撃:
「続基礎英語は何故かハマりました。ほぼ欠かさず毎日続け、母親に頼んでカセットテープも買ってもらい、繰り返し練習していました。」
3年間の継続で身についたこと:
- 中学文法の完全な口頭運用
- ナチュラルスピードでの理解力
- 基本文型の丸暗記
- 瞬間的な応答力
「聞いて理解し、リピートし、答える練習をしているわけですので、英語を理解し、答えるスピードが付きます。時間をかけて答えられる学校のテストはいつも時間が余っていました。」
浪人時代:多読と英英辞典(18〜19歳)
高校時代は音楽に夢中で全く勉強せず、浪人時代に本格的な英語学習を再開しました。
「同時通訳式速読法」との出会い:
怪しげな通信教育でしたが、「英文を頭から英語の語順で理解する」という当時としては革命的な方法を学びました。
英英辞典への転換:
この時期、英和辞典から英英辞典に切り替えました。これが語学力向上の大きな分岐点となりました。
多読の開始:
「使用頻度が高い単語・表現は繰り返し出てくるので、違う状況で5-6回その単語に出会えば何となく意味は推測できる。10回以上出会えば、ほぼ間違いなく意味が頭に入ってくる。」
浪人時代に約30冊のペーパーバックを読破し、青山学院大学文学部英米文学科に合格しました。

【第2章】大学〜アルバイト時代:実力が飛躍した黄金期(19〜30歳)

大学時代:英文学の衝撃(19〜23歳)
大学では再び音楽に夢中になりましたが、一つだけ印象的な授業がありました。
ボーシャ教授の英文学講義:
「とにかく1回の授業のために1週間に30-50ページくらい読んで来ないといけない、当たり前だけど作品も授業もレポートも全部英語、でも講義してくれる作品の解釈とかが、本当に『目から鱗』的な感じで、『文学作品ってこうやって読むものなんだ!』って毎回感じて、この教授の授業は真面目に受けていた。」
この時の重要な気づき:
「『英会話』って特別なものではなくて、あくまでも『英語力』の問題。『英語力』とは、『読む・書く・聞く・話す』に『文法力』とか『発音』とか『コミュニケーション力』とか『異文化理解』とか、場合によっては『教養』とか、全てが密接に関係した『総合力』と言うこと。」
築地の魚市場+塾講師:教えることで学ぶ(23〜28歳)
大学を中退し、築地の魚市場で働きながらバンド活動を続ける中、週2〜3日塾講師として英語を教えました。
教えることで得られた効果:
「この経験で一番身についたのは『文法力』だと思う。英語に関してよく言われている、『中学英語をマスターすれば英語は話せるようになる』と言うこと。実際にNHKラジオ講座の歴代先生方も皆実践されていたことを、アルバイトをしながら学んでいた。」
具体的に定着したこと:
- 可算・不可算名詞の完全理解
- 現在完了形の使い方
- 定冠詞・不定冠詞の使い分け
- 文の構造の正確な把握
リンガフォン教材:徹底的な口頭練習(26〜28歳)
当時3〜4万円という高額でしたが、一念発起して購入。この教材が私の英語力を飛躍的に向上させました。
練習方法の核心:
講師:She has a book. “Question”
(短い無音)→ 自分:Does she have a book?
「この無音部分が意外と短い。考えているうちに、(と言うか”講師”のセリフの意味を考えているうちに)、正解が流れてきてしまう。この練習をテキストを見ないで言えるようになるまで、ひたすら繰り返す。自分は負けず嫌いな性格なので、出来ないことが悔しくて、出来るまで繰り返した。」
3ヶ月後の劇的変化:
「不思議な事に3ヶ月程度続けていくと、『本当に聞き取れるようになっていった』。」
インターナショナルパーティー:文化の壁(28〜30歳)
六本木の「International Party」に毎週通うことで、英語力以前のコミュニケーションスタイルの違いを痛感しました。
最初の壁:
「当時の自分は、『日本文化的発想で日本語で考えた内容を英語にして話していた』だけ。だから話し相手の欧米人に『結局何を言いたいの?』『お前の意見は?』などと、逆に聞き返されていた。」
学んだコミュニケーションスタイル:
- まず結論を言う
- その後で理由を明確に述べる
- 意見の違いを恐れない
- 相手の顔色を伺いすぎない

【第3章】講師トレーナー〜教務責任者:実務レベル確立(30〜40歳)

主任講師時代:外国人管理の始まり(30〜32歳)
AEONでフルタイム講師として正社員採用され、外国人講師を管理する立場になりました。
外国人と仕事をする上で学んだ5つの原則:
- 1から説明しないといけない
- ムキになってはいけない
- 褒めないといけない
- NoをYesより先に言う
- 100%を求めてはいけない
講師トレーナー時代:年間200人の研修(32〜36歳)
本部に異動し、日本人講師と外国人講師の採用・研修を担当しました。
面接で気づいた現実:
「履歴書上は英語力が高そうでも実際に英語コミュニケーション力を測ってみると全く違う事がある。例えば、『TOEIC900点以上、英検1級程度』の筆記テストのスコアがあっても英語が話せない、と言う事はよくある。」
留学帰り講師の特徴:
- 聞く・話すは得意だが、読む・書くが苦手
- 時事問題のニュース記事が驚くほど読めない
教務責任者時代:組織を動かす英語(36〜40歳)
トラブル処理の日々:
不潔、二日酔い、遅刻、昼休みに帰ってこない—様々な問題に英語で対応しました。
「21時にレッスンが終わってから、『洗濯しなさい』とか『風呂に入りなさい』とか『ゴミを捨てなさい』とか、何回も話して、2時間以上かけて自宅に帰ると24時過ぎて、『一体、俺はなんの仕事をしているんだろう?』って。」
処罰面談での学び:
「こう言う時はネイティブスピーカーが圧倒的に有利になる。とにかく言いたい事を言ってくるし、駄目元で無理なことも言って来る。最初のうちは、一々真に受けてしまって、『弁護士と相談する』とか言われると怯んでしまったりしたが、段々と相手の出方がわかるようになってきた。」

【第4章】事業部長〜代表取締役:プロフェッショナルへ(40〜60代)

オデッセイコミュニケーションズ:英国企業との本格的ビジネス(40〜45歳)
英国Pearson PLCとのフランチャイズ契約で、本格的な国際ビジネスが始まりました。
ReadingとWritingの激増:
「当時はメールが普及してきていた時期で、イギリスとの仕事のやり取りは、日々メールのやり取り。AEONの時は、仕事上で英文を書くと言うことはそれほど多くなかったので、ReadingとWritingの比重は圧倒的に多くなった。」
イギリス出張での現実:
Pearson本社での会議で、「英語が全く聞き取れない!」経験を2回しました。
「イギリス人と言っても、出身地や環境によって、色々な人がいるので、『わからない時はわからないもんなんだ!』と思った。」
全研本社:トップダウンマネジメント(45〜60代)
問題だらけの現場:
入社当時、外国人講師が好き勝手な制度を作っており、抜本的な改革が必要でした。
「思いっきりトップダウンの手法を取るようになった。と言っても、相手の話を全く聞かない、と言うことではない。意見や考えは聞き、同意できることは同意するけれど、最終的に責任を持つのは自分なので、どんな意見が出たとしても、自分が決める。そして自分が決めた事に従ってもらう。」
「憧れ」から「道具」への転換:
「ある意味、この時期を通して、『外国』とか『英語』とかに対する『憧れ』的な要素は完全に消えていた。」
「『ネイティブスピーカーには自分の英語がどのように聞こえるのか』を全く気にしなくなり、『英語が間違っていようが、発音が聞き取りにくい、とか、どうでも良い』、と言うような気持ちで話していた。結局、自分が伝えたい事を伝えるために英語を話し、自分が進みたい方向に社員を動かすために英語を話している訳で、英語力を評価してもらいたい訳ではない。」
Linguaphone Group社との交渉とトラブル
不正発覚と訴訟寸前:
「当時のLinguaphone Group CEO が不正取引をしていたことが発覚した。全研本社も多少、(と言ってもそれなりの金額だが)損失を被り、イギリス側とかなりやり合う結果になった。」
「この件は訴訟問題に発展するようなケースになっていたので、イギリス側CEOと日本側の社長が話し、自分は通訳として入る事が多かった。」
通訳の難しさ:
「どちらにしても、自分で直接英語で話す時と比べると、他の人が話す日本語を英語で相手に伝えることは本当に難しい。やはり、英語と日本語では話の進め方が変わってくるので、社長が言う日本語を直訳して英語で言っても、社長が意図した事は伝わらない。」
最後の仕事:コロナ禍でのリストラ(60代)
「残念ながら、定年退職前の最後の仕事は、大幅なリストラになってしまった。ここでの仕事は全員に対して、事情を説明し、契約の終了を伝える、と言う非常にやりたくない仕事。」

35年の経験から導き出した学習法

私の実体験を分析し、「日本にいながら確実に英語を身につけるための方法」を体系化しました。
【ステップ1】まずは全体像を把握する
英語学習に近道はありませんが、「正しい地図」はあります。私の40年の経験を基に作成した完全ロードマップです。

【ステップ2】5つの技能を体系的に習得する
私の実体験から、各技能の効果的な学習法を詳しく解説しています。
👂 リスニング:音から入る英語習得
幼少期のFEN、中学時代のラジオ講座、リンガフォン教材、テレビドラマのディクテーション—すべての音声学習体験を基に作成しました。
「文字として認識していた単語を音だけで認識できるようになる」 「英語を文頭からその語順で、センスグループごとに捉えられるようになる」

📚 文法:使える文法力の構築
塾講師として中1〜高3まで教えた経験、講師研修で200人以上の文法ミスを指摘してきた経験から、**「試験のためではなく、使うための文法」**を解説しています。
「中学校・高校・大学受験から大学の授業を通しても、『可算不可算名詞』とか『現在完了形の使い方』と『定冠詞不定冠詞』とか、恐らくわかっていなかったのだと思う。それが、アルバイトしながら、基本的な事を教科書を何回も何回も読み、教えることによって定着させることが出来たのだと思う。」

📖 リーディング:多読と精読の両輪
浪人時代から20代にかけての多読体験、英英辞典の活用、ニュース記事の精読—すべての読書体験を基に構築した方法です。
「英語は、と言うか外国語は、インプットが基本。効率的にインプットするには、多読が一番!」

✍️ ライティング:書けることは話せる
塾講師時代の和文英訳指導から、Pearson/Linguaphoneとの契約交渉メール、研修マニュアル執筆まで—すべてのライティング体験を基に作成しました。
私が確信していること:
「書けることは話せるようになります。逆に書けない場合は、語彙、語法、文法・文型に不安要素があるということです。」

🗣️ スピーキング:実践コミュニケーション
インターナショナルパーティーでの文化的衝撃、外国人講師管理、海外企業との交渉—すべての実践体験から導き出した方法です。
「当時の自分は、『意見を言う=直接的に何でもかんでも言いたいことを言う』事によって、『英語でコミュニケーションができる!』と独りよがりの状態だったんだと思う。」

私の経験から学べること

英語習得の3つの段階
第1段階:基礎構築期(憧れの力)
- 音から入る
- 基本文型を口に覚えさせる
- 「いつか外国に行きたい」という憧れを維持
第2段階:実力形成期(大量インプット)
- 多読・多聴でインプット量を増やす
- 実践の場を作る
- 文化的違いを理解する
第3段階:実用化期(道具として使う)
- 完璧主義を捨てる
- 自分のペースでコミュニケーション
- 目的達成にフォーカス
最も重要な原則
1. インプットが基本
「この点を勘違いしている英語学習者が意外と多い。英語を話せるようになりたいと思って、『アウトプット』/『英語を話す機会』ばかりを求める人が非常に多い。このタイプの人を過去に何千人と見てきたけど、大体において『インプット』が足りてない場合が多い。結局、『インプット』以上には『アウトプット』はできないので、『インプット』量が少なければ、『アウトプット』できるのはそれ以下にしかならない。」
2. 100%を求めない
「文化も国籍も民族も言語も違う相手と一緒に働いていて、『100%理解できない』『思ったように動いてくれない』のは当たり前。だから、最初から目標を50%程度に設定しておいた方が良いと思うようになった。」
3. 継続が全て
「外国語を身につけることは簡単なことではありません。楽器の演奏やスポーツ、武道などと同じです。継続的な努力が必要になり、時間も労力も費用もかかります。でも、身につけた英語力は、何にも代え難いほど大切な財産です。」
まとめ:英語はあなたの「世界」を変える最強のチケット

振り返ってみれば、私の35年の実務経験と40年以上の学習経験におよぶ英語の旅は、決して平坦なものではありませんでした。
築地の冷たい空気の中で単語を覚えた朝も、外国人講師との激しい議論に悩み抜いた夜も、すべては「言葉を通じて、まだ見ぬ世界と繋がりたい」という純粋な憧れから始まっていました。
かつては遠い存在だった「外国」や「ネイティブスピーカー」も、今では対等に議論し、共にビジネスを創り上げるパートナーです。英語を身につけたことで、私の人生に現れた変化は計り知れません。
- 出会えなかったはずの人々と繋がれる。
- 日本語だけでは得られない膨大な情報にアクセスできる。
- 「自分は世界で通用する」という揺るぎない自信が手に入る。
これらはすべて、日本という地に足をつけたまま、今日からの積み重ねで手に入れられるものなのです。
次の一歩を踏み出すあなたへ
私が魚市場で働きながらでも英語を諦めなかったのは、特別な才能があったからではありません。ただ、「正しい方法」を信じ、今日できることを継続したからです。
もしあなたが今、自分の可能性に迷っているなら、どうか覚えておいてください。 **「英語を始めるのに、遅すぎることも、今の環境が障壁になることもない」**ということを。
このブログで紹介した学習ロードマップが、あなたの「世界」を広げるための一助となれば、これ以上の喜びはありません。あなたの挑戦を、私は心から応援しています。
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このガイドは、35年以上の英語教育経験を持つ矢野晃によって作成されました。数千人の講師を育て数千人の生徒を指導してきた実績に基づく、実践的で効果的な学習方法をお届けしています。









