「英会話を教えてみたい気持ちはあるけれど、どうやって生徒を集めればいいのか分からない」「個人で教室を始めるって、現実的に可能なの?」
英会話スクールを一人で立ち上げるとき、誰もが最初にぶつかるのが「集客」という大きな壁です。実は、多店舗展開している大手英会話スクールでさえ、集客は常に最大の課題となっています。個人で始める場合はなおさらです。
しかし、正しいステップと現実的な目標設定で進めれば、未経験からでも着実に生徒を集め、ビジネスとして成立させることは十分可能です。この記事では、個人で英会話教室を立ち上げる際の「最初の6ヶ月間」を成功させるための具体的なロードマップを、専門家の経験をもとに詳しく解説します。
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個人開業における集客の現実と戦略的アプローチ

私が講師を始めた頃、今から40年以上前は、交通広告・紙媒体・TVCMが主流で、個人がスクールを立ち上げるハードルは非常に高い時代でした。しかし、15年くらい前から状況が大きく変わり、ネット集客がメインになっています。
私が以前運営していた英会話スクールでは、幸いにも社内の別事業部にインターネット広告専門チームがあり、比較的低コストでネット集客を行うことができました。恐らく英会話スクールで、本格的にネット集客のみで運営していた最初のスクールだったのだと思います。
現在はインターネット広告が一般的になりましたが、ネット集客経験のない個人が、実績のないスクールでいきなり生徒を集めるのは現実的に非常に困難です。
そこで重要になるのが、「完璧なネット集客システムを構築してから始める」のではなく、「まず実際にレッスンを開始して実績を作ること」を最優先にするという考え方です。
STEP 1:最初の生徒は「身近な人」から集める【開始〜1ヶ月】

集客を考える前に、まず「練習台」になってくれる人を探しましょう。知人、友人、親戚、そしてその子どもや家族まで、英語に少しでも興味がありそうな人を探してみてください。
レッスン料は少額でも必ず受け取る
無料でレッスンを提供したくなる気持ちは分かりますが、少額でも必ずレッスン料を受け取ることを強くお勧めします。
理由は明確です。お金が発生することで、あなた自身が「責任を持ってレッスンを提供しなければ」という意識になり、生徒側も「せっかくお金を払っているのだから真剣に受けよう」という気持ちになります。この双方の適度な緊張感が、レッスンの質を高める上で非常に重要です。
SNS協力の約束を最初からお願いしておく
これは後々の集客で絶対に必要になる重要なポイントです。最初の生徒を集める段階で、「SNSへの投稿、広告への出演、動画撮影への協力をお願いできる方を優先的に生徒として迎える」ことを明確にしておいてください。
後になってから「SNSに載せてもいいですか?」とお願いするのは、意外と難しいものです。最初から「レッスンの様子をSNSや動画で紹介させていただける方を優先しています」とオープンにしておくことで、後々の本格的な集客活動がスムーズになります。
STEP 2:グループレッスンからスタートする【1〜2ヶ月】

数人集まったら、いよいよレッスン開始です。このとき、プライベートレッスンではなくグループレッスンから始めることを強くお勧めします。
なぜグループレッスンが初心者講師に最適なのか
教えた経験が浅い段階でプライベートレッスンを行うと、次のような問題が生じがちです。
- 「レッスンがうまくできているのか」の客観的判断が困難
- 「生徒が上達しているのか」の比較対象がない
- 自分自身のティーチングスキルがなかなか向上しない
一方、グループレッスンを実施すると、次のような多様な気づきが得られます。
- 生徒間のレベル差とその対応方法
- 同じレベルでも、語彙・文法・リスニングなどスキル別に生じる個人差
- 生徒ごとの学習意欲・性格・進捗状況の違い
- 一つの説明で複数の生徒の理解度がどう変わるか
これらの経験は、プライベートレッスンだけでは決して得られない、講師として成長するための貴重な学びです。
この期間にできるだけ多くのテキストと進め方を試す
最初の2〜3ヶ月間は、さまざまなテキストやレッスンの進め方を積極的に試してみてください。「これが正解」という先入観を持たずに、実際の生徒の反応を見ながら何が機能するかを探っていく姿勢が大切です。
グループレッスンの具体的な構成方法については、以下の記事が参考になります。
STEP 3:3ヶ月後に全員カウンセリングを実施【3ヶ月目】

レッスン開始から約3ヶ月が経過したら、生徒一人ひとりと個別にカウンセリングを行いましょう。確認すべき内容は以下の通りです。
- レッスンの感想(良かった点・改善してほしい点)
- 上達の実感(どこが伸びたと感じるか)
- 英語に関する今後の目標(何のために英語を学んでいるか)
このカウンセリングで最も重要な発見は、「英語を教えてみたい」と思ったあなたの意識と、「ちょっと英語でも試してみようか」という気持ちで受講を始めた生徒の意識の違いです。
この違いを肌で感じ、理解できるようになることが、英会話講師として成長するための最初の大きなステップです。レッスンを進める上で最も大切なのは、常に「生徒の心理・生徒の感覚」で考える習慣を身につけることです。
STEP 4:「英会話の教え方」記事を読み直す【3〜4ヶ月】

3ヶ月間程度実際に教えた後、このサイトの「英会話の教え方」シリーズを最初から最後まで読み直してみてください。
最初に読んだときにはピンとこなかった内容が、実際の経験を経た後では、驚くほどスムーズに頭に入ってくるはずです。
【英会話の教え方シリーズ:読み直しリスト】
理論と実践は相互に補完し合うものであり、実践経験があってこそ、理論が深く理解できるようになります。
STEP 5:レッスンの方向性を6つの軸で固める【4ヶ月目】

記事の内容がしっかり理解できるようになったら、自分のレッスンの方向性を具体的に決めていきましょう。考えるべき項目は以下の6つです。
- レッスンの頻度: 週1回か、週2回か
- 1レッスンの長さ: 45分・60分・90分のどれが最適か
- レベル設定: 対象とする英語レベルをどう定義するか
- テキスト: 市販テキストを使うか、オリジナル教材を作るか
- レッスンの進め方: レッスンの流れ・構成をどう設計するか
- 料金設定: 月謝制か都度払いか、グループとプライベートの価格差
ここで重要なのは、最初から完璧なカリキュラムを作ろうとしないことです。 全10レベル、グループとプライベートの併用、目的別レッスンなど、複雑なメニューを最初から設計する必要はまったくありません。
今、実際にレッスンを受けてくれている人たちに最適なレッスンを一つ作れれば、それで十分です。
STEP 6:本格集客とウェブサイト準備【4〜6ヶ月】

レッスンの方向性が固まったら、いよいよ本格的な集客に進みます。集客方法は、あなた自身の強みや生活環境に合わせて選ぶことが重要です。
あなたの状況に合った集客方法を選ぶ
① 知人・友人ネットワークが広い場合
口コミと紹介から始め、10〜20名を目標に設定します。紹介してくれた生徒には感謝を伝え、継続的な紹介関係を築くことが重要です。
② 住宅街・子どもが多いエリアに住んでいる場合
チラシ・ポスティング・DMから始めます。中学生・高校生向けの補習英語や英会話を組み合わせると効果的です。
③ SNSが得意な場合
英語に関する有益な情報発信を継続的に増やし、フォロワーを育てながら生徒を集めます。最初に協力をお願いしておいた生徒のレッスン風景や感想が、ここで大きな威力を発揮します。
ウェブサイト(HP)は必ず作成する
どの集客方法を選ぶにしても、ウェブサイトは必ず用意してください。 知人や生徒から新しい生徒を紹介してもらう際に、「どんなスクールか見せてほしい」と言われたとき、HPがなければ信頼感を伝えることができません。
最低限掲載すべき情報:
- 講師プロフィール(英語歴・経歴・教える方針)
- レッスン内容・対象レベル
- 料金・スケジュール
- 体験レッスンの申し込み方法
- 生徒の声(最初の生徒にお願いしたコメント)
最初の目標:10〜20名を6ヶ月〜1年キープする

集客の最初の具体的な目標として、10〜20名の生徒を6ヶ月〜1年間維持し続けることを設定しましょう。
現実的な収支シミュレーション
月謝1万円・週1回のレッスンを基本とした場合の収支モデルです。
月間売上(10名)=10×10,000=100,000円
月間売上(20名)=20×10,000=200,000円
10名を3クラスで教える場合、貸し会議室の費用は月間およそ2万円程度が目安です。
実質収入(10名)≈100,000−20,000=80,000円(週4〜5時間の労働)
実質収入(20名)≈200,000−20,000=180,000円
週4〜5時間の労働で月8万円、20名であればその倍近い収入が見込めます。この規模を6ヶ月〜1年間安定的に維持できれば、次の拡大フェーズへと進む準備が整います。
この期間にやるべき最重要タスク
- ティーチングスキルの継続的な向上
レッスンを重ねるたびに、何がうまくいって何がうまくいかなかったかを振り返る習慣をつけましょう。
- 英語知識の積み上げ
生徒から質問されたことは、その都度辞書や文法書で徹底的に調べ、曖昧な知識を一つずつ確実なものにしていきます。この積み重ねが、あなた自身の「英語の基礎力」と「教える力」を確実に強くしてくれます。
- 生徒の継続率を高める
上達実感を生徒に伝え、モチベーションを維持させることが、最大の集客(口コミ・紹介)につながります。
まとめ:小さく始めて、着実に育てる

個人で英会話教室を立ち上げる成功の鍵は、「完璧な準備が整ってから始める」ではなく、「小さく始めて、実践の中で学び、着実に育てる」という考え方です。
6ヶ月間のロードマップ:
知人・友人から最初の生徒を集め、グループレッスンを開始
さまざまなテキストや進め方を試しながら、生徒の反応を観察
個別カウンセリングを実施し、生徒の意識と目標を把握
HPを整備し、本格的な集客をスタート
10〜20名を維持しながら、ティーチングスキルと英語知識を積み上げる
英会話を教えることへの不安や疑問は、よくある質問・FAQ 2025 でも解消できます。また、前回の記事も併せて読むことで、全体像がより明確になります。
動画でも解説を公開していますので、ぜひYouTubeチャンネルもご活用ください。現時点では学習者向けに以下の講座を公開しています。
YouTubeプレイリスト: 初心者向け文法講座
YouTubeプレイリスト: 英語をMLBで学ぶ
YouTubeプレイリスト: 音楽を通じて語彙力アップ!
ブログ記事をベースにした、初心者向けの文法講座や、文法を「どの順番で」教えていくのかというカリキュラム設計などを確認できるので、「教え方」を学ぶうえでも良い参考になります。どのような順番で文法を教えているかは、英会話指導の組み立て方を考える上でも非常に参考になりますので、ぜひ確認してみてください。
英語が「話せる人」から、「教えられる人」へ、そして「自分の教室を持つ人」へ。このサイトのコンテンツが、その着実なステップアップのお手伝いができれば幸いです。

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