2025年、今年こそは英会話を身につけよう!と年初に思った人も多いと思います。2月も後半に入りましたが、目標に向かって着実に進んでいるでしょうか? 実際には、なかなか思うように進まない人が多いのではないかと思います。
語学を身につけることはそれほど簡単なことではありません。時間が掛かるものです。どんな方法でも学習を続けている限り必ず少しずつ上達しています。しかしながら、間違った情報が氾濫しているので、多くの人が遠回りをしている可能性があります。
今回は外国語を身につける上で、最初に理解しておくべき事、目的やレベルに合わせた効果的な学習方法を説明していきます。
1. 最初に理解しておくべき事

1. 目標設定を明確にする。
当たり前ですが、まず最初に目標設定を明確にしましょう。その時に大切な事は、現実的な目標を設定する事です。スポーツに例えて考えればわかると思いますが、全くの初心者が数週間でトップレベルのアスリートレベルに到達することが可能と考える人はあまりいないと思います。
外国語の習得も全く同じです。初心者が数週間や数ヶ月でネイティブスピーカーのように話せるような事はありません。1年間で達成できるような現実的な目標を設定しましょう。
例えば以下のような目標設定です。
- 初心者:海外旅行で買い物したり、レストランやホテルで必要最低限のコミュニケーションができる
- 中級者:同僚と趣味や最近の話題に関して掘り下げた話ができるようになる
まず、このくらいの目標設定をしてみましょう。1年間継続できれば達成できる目標です。
2.「話す力」と「聞く力」
外国語学習において、「話す事」と「聞く事」は全く違うスキルです。目標設定も学習方法も「話す力」と「聞く力」に分けて考えます。
両者のうち、「話す力」は比較的簡単に上達できます。自分で「話す事」は自分でコントロールできるからです。自分が知っている単語や表現を、自分で使える文型や文法事項を使い、自分のペースで話せば良いからです。
反対に「聞く力」を伸ばすには時間がかかります。相手が話す事は、自分でコントロール出来ないからです。話し相手(動画やTVドラマ、映画も含みます)が、どのような語彙・表現を使い、どのような文型や文法事項を用い、どのくらいのスピードでどんなふうに話すかは、相手次第です。よほど上級レベルにならない限り、対応できるものではありません。
「話す力」と「聞く力」を完全に別の物として分けて考え、それぞれの目標設定を学習方法を考える必要があります。
先程の目標設定は、あくまでも話すことに関する目標設定です。「聞く力」に関しては、それぞれの状況に合わせて考えていきます。
3. 「インプット」と「アウトプット」
「インプット」とは、単語や表現、文系や文法事項を覚えること、「アウトプット」は覚えた単語や表現、文系や文法事項を使う練習する事です。
「インプット」と「アウトプット」は表裏一体の事項なので、どちらか一方に偏ってしまうと効果が出てきません。多くの人が「インプット」または「アウトプット」のどちらか一方に偏りがちです。
「インプット」と「アウトプット」をバランスよく学習していく計画を立てましょう。

2. 具体的な学習方法:初心者

ここでの目標は、「海外旅行で買い物したり、レストランやホテルで必要最低限のコミュニケーションができる!」です。
1. 「話す力」
まず「話す力」からです。
次のような学習が必要です。
- インプット:海外旅行で買い物、レストラン等で必要な表現を覚える
- アウトプット:買い物やオーダー、苦情の言い方などのロールプレイ
では、インプットとアウトプット、それぞれどのように練習したらいいのでしょうか?
インプットは比較的簡単です。書店に行けば「旅行英語」の書籍がたくさんあります。はっきり言って、中身はどれでも同じです。
見た目の印象で、自分にとって使いやすそうな本を選べば大丈夫です。「見た目の印象」とは、色使いや写真、イラスト、文字サイズなどが、自分の好みにあっているか、この点だけで判断してしまって大丈夫です。ただし、必ず音声付きの書籍を選んでください。
アウトプットに関しては、以前はなかなか大変でした。英会話スクールに通う以外の方法はあまりなかったのですが、今は便利な時代です。「買い物やオーダー、苦情の言い方などのロールプレイ」と言うのは比較的単純な練習なので、オンラインレッスンやAIを使った英会話で十分対応できます。英会話スクールに通うことに比べると、金銭的にも通学に必要な時間や労力も大幅に削減できます。
イメージ的には、毎日少しずつ、あるいは週末に2時間くらい、インプットの学習をして、週1回30分程度のオンラインレッスンやAIを使った英会話練習を続ければ、1年間で目標達成できると思います。
1点注意点ですが、この学習方法はコスパはいいのですが、自己管理が必要になります。自分自身で継続していかないといけないので、独習する自信がない人は英会話スクールに通った方がいいでしょう。「英会話スクール比較」の記事を参考にしてください。
一般的にこのような目標設定する方は、英語の必要性がそれほど高くないケースが多いので、どちらかと言うと「仲間」がいた方が続けやすいと思います。
ただし、コスパを考えれば圧倒的に「旅行英語書籍+AI」です。
2. 「聞く力」
次に「聞く力」です。
初心者にとって「聞く力」を伸ばす作業は非常にハードルが高くなります。と言うのも、話し手の使う語彙・表現、文型を理解する必要があるのですが、初心者の場合語彙力、文法力共に不十分な場合が多いからです。
ある意味、割り切りが大切です。日本人は真面目なので全てにおいて完璧を求めてしまいますが、初心者が旅行先で現地の人が話す内容を全て理解しようとする事には無理があります。
旅行先でよく使う、定型表現が聞き取れれば十分でしょう。なので、特別な勉強法はありません。使用している「旅行英語」の書籍の音声教材を繰り返し聞くこと、オンラインレッスン、AI,あるいは英会話スクールでのレッスンでリスニング力を伸ばしていきましょう。

3. 具体的な学習方法:中級者

ここでの目標設定は、「同僚と趣味や最近の話題に関して掘り下げた話ができるようになる!」です。
1. 「話す力」
「話す力」からです。
次のような学習が必要です。
- インプット:趣味や最近の話題に関して話すために必要な表現を覚える
- アウトプット:趣味や最近の話題に関して話す実践練習
では、インプットとアウトプット、それぞれどのように練習したらいいのでしょうか?
中級者の場合、「インプット」が非常に大切です。「インプット」せずに「アウトプット」の練習ばかりしている中級者を数多く見てきましたが、あまり効果的ではありません。まず、「インプット」ありきと思ってください。
具体的な方法ですが、最近は本当に便利です。自分が話したいトピックに必要な語彙・表現を簡単に探せる方法があります。Chat GPT, Claude, Perplexity など、普段使っているAIを利用してください。AIによって、うまく機能する方法があると思うのでいろいろと試してください。
- 話したいトピックに必要な語彙・表現のリストを作ってもらう
- 語彙・表現の例文を作ってもらう
- トピックに関して友人同士が話している会話を作ってもらう
- 簡単なリーディング用の文章を作成してもらう
まず、この辺りから始めてみると良いでしょう。もはや語彙集のようなテキストを買う必要さえありません。
このうち、会話とリーディング用文章を、NotebookLMにアップロードしましょう。複数の会話や文章がある場合は、それぞれ一つずつアップロードします。英文でアップロードするとコンテンツでポッドキャスト風のオーディオを作成してくれます。ナチュラルスピードなのでリスニングの練習にもなるし、ネイティブスピーカーがそのトピックについて普通に話す時のイメージが掴めると思います。
ある程度、インプット出来たら、書く練習をしてみます。日記風の文章でも良いし、エッセイ風の文章でも構いません。
書き終わったら、Chat GPT, Claude, Perplexity などにアップロードして添削してもらいましょう。Grammarlyとかでも大丈夫です。これを続けるだけで、相当英語力が上がるはずです。
では、次にアウトプットです。NotebookLMのポッドキャストに参加することもできるのですが、これは上級者向けです。中級者にはハードルが高いので、オンラインレッスンがおすすめです。

英会話スクールでも良いのですが、プライベートレッスンじゃないと、話したいトピックを練習する事はできないでしょう。料金を考えるとオンラインレッスンがコスパ良さそうです。ただし、自分の練習したいことをはっきりと講師に伝える必要があります。
もし、他の人の目があまり気にならないと言うタイプの人であれば、英会話カフェもお勧めです。英会話カフェの場合、色々な年代、レベルの人が混在します。自分だけ話しすぎると初心者の人に申し訳ない、と言う意識が出てくるとあまりコスパもタイパも良くなくなってしまいます。ある意味、自分中心に割り切れる人であればおすすめです。

2. 「聞く力」
優先順位的には、NotebookLMのポッドキャストが一番有効です。自分で用意したコンテンツに基づいた会話なので、練習したい表現が自然な形で出てきます。しかもAIでコンテンツを作成すればいくらでもバリエーションが作れます。
ある程度練習したら、Youtubeで同じトピックのコンテンツを探します。これに関しては、あまり勉強と考えずに楽しんで見ているだけで大丈夫です。

まとめ

今は本当に便利な時代ですね!
是非、1年間継続してみてください。1年後に振り返ってみると、大きく英語力アップしたことに気づくと思います。












