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英会話の教え方|実践編⑤|Dialogue以外のアクティビティ

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「英語を教えてみたい」「英会話を教えてみたい」と思ってみたものの、いざ教えてみようとすると、「どうやって教えたらいいのか」「どんなテキストを使ったらいいのか」迷ってしまう。あるいは、実際に自分の経験を基に英語・英会話を教えてみたものの、「この方法であっているのか不安だ」、「生徒とうまくかみ合わない」などと不安に感じていませんか?

私は留学も長期間の海外生活を送ったこともありませんが、20代前半から英語・英会話を教え始め、その後英会話スクールで講師トレーナー、教務課責任者事業部長などを務めながら35年以上にわたり、英語教育に関わってきました。その間に直接教えた生徒は数千人以上、「英会話の教え方」を研修・指導した日本人講師数千人以上、同様に研修・指導した外国人講師数千人以上になります。

これまで私が実際に指導してきた、大人に対する「英語・英会話の教え方」を簡単にまとめてあります。「英語・英会話の教え方」に関しては、ある「一つだけの正解」はありません。あくまでも、一つの例として参考にしてください。また、子供に対する英語の教え方は、根本的に異なりますので、他の方が書いている子供専門の記事を参考にしてください。

目次

1.Dialogue以外のアクティビティとは

「英会話を教える」場合、「Dialogueの教え方」全ての基本になります。もし、まだ「Dialogueの教え方」を読んでいなかったら、是非先に「Dialogueの教え方」を読んでください。

テキストには、色々なアクティビティがあります。これまでに、「Listeningの教え方」「ドリルの仕方」「Dialogueの教え方」を説明してきましたので、ここでは、英会話のテキストによく出てくる、それ以外のアクティビティの使い方を説明します。

と言っても、ほとんどこれまで説明してきた事の応用になりますので、復習がてらに読んでみてください。

1. 著者の意図を理解する

まず最初に大切な事は、「著者の意図を理解する」事です。これまで「Listeningの教え方」「ドリルの仕方」「Dialogueの教え方」で見てきたそれぞれのテキスト内での役割は以下になります。

アクティビティ
  • Listening
  • 文型練習(ドリル)
  • Dialogu
目的
  • T/Lの導入
  • T/Lの定着(主に”Form”)
  • T/Lの導入と実践練習

大体このくらいのパターンですが、テキストのシラバスやレベルによっては以下のような目的のアクティビティもあります。

  • Vocabulary強化
  • Reading
  • Writing
  • 発音
  • トピックの導入/ブレインストーム

この中で、トピックの導入/ブレインストームに関しては、中級レベル以上のテキストに出てくる事がほとんどなので、「中級レベルの教え方」で説明します。

まずこれらのアクティビティの目的が何なのかテキストの著者がどう言う意図でこのアクティビティを書いたのか、をしっかりと理解してください。

すでに説明しているように、「導入」「定着」「実践」に分けられればとりあえず大丈夫です。これによって、そのアクティビティの到達目標が変わってきますので、しっかりと把握してください。

2. 練習の仕方

アクティビティの目的を正確に把握したら、その到達目標に向かって準備し練習していきます。

  • Information Gapタイプ
  • Readingタイプ
  • Writingタイプ
  • Vocabulary 強化タイプ
  • 発音タイプ

以下、それぞれのアクティビティの練習方法を説明します。

1)Information Gapタイプ

① Information Gap とは

英会話のテキストに非常に多いアクティビティが、このInformation Gapタイプです。その名の通り、InformationにGapがあります。例で見た方がわかりやすいと思うので簡単な例を使って説明します。

ペアワークを基本とするアクティビティStudent AStucent B二人1組で質問をし合う形になります。

Student A

Ricky goes to the Gym on Monday mornings.

Ricky takes French lessons on Tuesday evenings.

Ricky works part time on Thursday afternoons.

Becky _________ on Tuesday mornings.

Becky __________ on Wednesday evenings.

Becky ___________ on Friday afternoons.

Student B

Ricky _____________  on Monday mornings.

Ricky _____________  on Tuesday evenings.

Ricky _____________. on Thursday afternoons.

Becky takes piano lessons on Tuesday mornings.

Becky teaches English on Wednesday evenings.

Becky goes grocery shopping on Friday afternoons.

要するにStudent AとStudent B で知っている情報が異なります空欄の部分が正反対になっています。お互いに知らない部分を聞き合うことで、かけている情報を埋めていくと言う作業をします。なので、Information Gap と言います。

英会話講師の仕事を始めた時、このInformation Gapアクティビティの意義が全く理解できませんでした。「こんな単純な事をして何の意味があるんだろう?」と思っていました。あまり気が乗らないけれど、テキストにあるので仕方なしにレッスンで行っていました。

ところがある日、何となくこのアクティビティの意味がわかったのです。生徒にStudent AStudent Bに割り当てて、ペアワークをさせていると、最初は辿々しく練習していたペアが5分くらいで間違えなくなりスムースにペアワークができる様になったのです。

考えれば当たり前の話ですが、Student AStudent Bもこの質問を繰り返します。

What does Ricky/Becky do on ______________?

on Tuesday mornings とか on Wednesday evenings とか言う時の表現はテキストに書いたある通りで良いわけです。答える方もテキストに書いたある通り答えるので間違えません。それでも、何回か繰り返しているうちに、自然と言葉が出てくる様になります。

つまり、ドリルとControlled Practiceの変形ですね。

それでも、Student AStudent Bは、「欠けている情報を聞き出す」と言う目的を持って質問し、答えています。

英会話の講師が、自分の英語力を基準に考えると、「あまりに単純でつまらないアクティビティ」のように見えますが、初心者の生徒にとっては全く違います。「ある特定の文系や表現を定着させる」と言う意味では非常い有効なアクティビティです。

Information Gapタイプのイメージは湧きましたか?

当然ながら、「T/Lの導入』目的のアクティビティではありません。「T/Lの定着』がメインになります。(レッスンの時間やレベル設定などによっては、「T/Lの実践練習」まで含みます)

② Information Gapタイプの練習方法

Information Gapタイプの練習方法は、「Dialogueの練習方法」の応用になります。もし、まだ「Dialogueの教え方」を読んでいなかったら、是非先に「Dialogueの教え方」を読んでください。

以下の流れで進めていきます。

  • Set up
  • Vocabularyのチェック
  • task の確認
  • Practice: Controlled
  • Practice: Freer

簡単に説明します。

① Set up

DialogueのSet Upと同様に、「誰が」「どこで」「何を」を押さえていきます。ただし、Dialogueの時とは違い、「どこで」「何を」がわかりにく場合があります。その場合は、「誰が」だけで十分です。先ほどの例であれば、イラストなどを使い、

T: Who is he?

S: Ricky.

T: Who is she?

S; Becky,

これで十分です。

② Vocabularyのチェック

もう一度先ほどの例を見てください。

Student A

Ricky goes to the Gym on Monday mornings.

Ricky takes French lessons on Tuesday evenings.

Ricky works part time on Thursday afternoons.

Becky _________ on Tuesday mornings.

Becky __________ on Wednesday evenings.

Becky ___________ on Friday afternoons.

Student B

Ricky _____________  on Monday mornings.

Ricky _____________  on Tuesday evenings.

Ricky _____________. on Thursday afternoons.

Becky takes piano lessons on Tuesday mornings.

Becky teaches English on Wednesday evenings.

Becky goes grocery shopping on Friday afternoons.

現在形の練習をしている訳ですが、「動詞句」「時の表現」がわからないと話になりません。「Dialogueの教え方」でも説明しましたが、日本人の生徒の場合、「文字は読めまる」訳なので、意味がわからなくてもペアワークができてしまいます。しかしながら、意味をわからずに話していては、当然アクティビティの意味がなくなってしまいまう。ペアワークをさせる前に、必ずここで必要な「動詞句」「時の表現」理解しているか確認しておきます。

③ task の確認

このinformation Gapアクティビティは、生徒側からすると「何をやったら良いのか」わかりにくい練習になります。「Classroom English」の記事でも説明しましたが、初心者相手に「言葉で説明する」のは一番わかりにくい「インストラクション」になります。必ず、同じものを見ながら、実際に実演して見せてください。「視覚的にわからせる」と言うのがポイントです。「最初の一回は予行演習」くらいの気持ちで実演してください。

④ Practice: Controlled

Information Gapアクティビティは、生徒からすると「よくわからないアクティビティ」になりがちです。ある意味、それは仕方がないことです。「何をしているのかよくわからない間は、予行演習」と割り切りましょう。何回か繰り返しているうちに、「自然とスムーズにできる様になります」。必ずその段階まで練習を繰り返してください。そこまで練習しないと意味がありませんペアワークのパートナーを変え、ロールを入れ替えて、何回も繰り返し練習しましょう。

⑤ Practice: Freer

Freerのやり方は、「Dialogue」の記事で説明した通りです。

  • 選択肢を与える
  • 空欄で自由に話させる
  • 前後に加える
  • 状況設定をする
選択肢を与える

①選択肢を与える、と ②空欄で自由に話させる は同じことですね。選択肢を与えるか、与えないかの違いだけです。今回の練習では、テキストにRickyとBeckyの情報が3センテンスずつあります。これを5センテンスに増やして、空欄部分に選択肢を与える、または、「自由に話をさせる」と言うことで変化をつけます。

前後に加える

この場合、RickyとBeckyの習慣的なスケジュールを確認しています。前後に加える場合は、「いつ、どんな時にこのような会話をするか?」と考えます。この場合であれば、「パーティーの日時を決める」とか「食事に出かける日を決める」とか、が考えられます。その状況設定をした上で、BeckyとRickyのスケジュールを確認してもらいます。

状況設定をする

RickyとBeckyはオリジナルの設定は学生です。この状況設定を全く変えてしまいます。会社員でも、スポーツ選手でも、役者でも構いません。人物設定を変えるだけで、選択肢となる動詞句が変わってきます。

これがInformation Gap タイプのアクティビティのアプローチ方法です。一つのパターンに拘らず、いろいろと試してみたください。

2)Reading タイプ

Dialogueのような所謂「会話形式」ではなく、中学校の教科書に出てくるような、「短めの長文問題」みたいなパターンです。

Ricky is very active. He likes to play baseball with his friends on weekends.  In summer, he goes swimming, goes climbing and enjoys surfing. In winter, he goes skiing and skating. He never stays at home.

Becky likes to stay at home. She likes reading, listening to music and watching movies. She also likes playing musical instruments like piano, violin and guitar.

学校の授業じゃないので、これを一文ずつ和訳したりすることはありません基本的な流れはDialogueと同様になります。 もうすっかり流れを掴んできた頃だと思いますが、以下のようになります。

  • Set up
  • Listening
  • Comprehension Questions
  • Practice: Controlled
  • Practice: Freer
STEP
Set up

多くの場合、「Readingタイプ」のアクティビティでもテキストにイラストが付いていると思います。”Who is he/she?”のように聞いていきましょう。イラストが無ければ、This is about Ricky.のように言ってしまっても構いません。「誰が」が分かればOKです。

STEP
Listening

CDなどに音源があれば、聞かせます。無ければ自分で読みますテキストは閉じてもらい、音だけを聞いてもらいます。(あくまでも「英会話レッスン」での教え方です。)

STEP
Comprehension Questions

例によって、ここが一番大切なポイントです。細かく丁寧に質問してください。「Comprehension Questions」のやり方を忘れてしまった場合は、必ず「Dialogue」に戻って確認してください。繰り返しますが、「Dialogue」の教え方が、基本中の基本になります。

STEP
Practice: Controlled

Readingタイプの場合は、基本的にRepetitionになります。ワンセンテンスずつ、講師の後についてリピートしてもらいます。あくまでもナチュラルスピードで自然なイントネーションでリピートしてもらってください。

STEP
Practice: Freer

Freer Practiceは色々な方法が考えられます。毎回同じ方法を使う必要はありません。いろいろ試してみてください。注意点はDialogueで説明した通りです。

  • Controlled Practiceを十分に練習する
  • 易しい→難しいの流れを意識する
  • Freerの語彙レベルに気を付ける
  • インストラクションをシンプルに
  • ペアワークのモニターをしっかりと
  • リアクション!

Freerのパターンの、いくつか例を出しますが、必ずしもこれに限ったわけではありません。

A. Reproduction

非常にシンプルなパターンです。

T: Tell me about Ricky / Becky.

これで、生徒に話してもらいます。難しいようであれば、キーワードをホワイトボードに残しておいてもいいでしょう。

Ricky
  • Active
  • Baseball, friends, weekend
  • Summer, swimming, climbing, surfing
  • Winter, skiing, skating
  • Never, home
Becky
  • Home
  • Reading, music, movies
  • Musical instruments, Peano, violin, guitar

記憶力のテストにならないように注意しましょう。あくまでも、「英語で、(re)productする」のが目的です。

B. Information Gap

先ほど説明したInformation Gap タイプの練習にしてしまいます。

Student A

Ricky is very _______. He likes to play _________ with his friends on _______.  In summer, he ______________, goes ___________ and enjoys _________. In winter, he ________ and ________. He never ____________.

Becky likes to stay at home. She likes reading, listening to music and watching movies. She also likes playing musical instruments like piano, violin and guitar.

Student B

Ricky is very active. He likes to play baseball with his friends on weekends.  In summer, he goes swimming, goes climbing and enjoys surfing. In winter, he goes skiing and skating. He never stays at home.

Becky likes to ___________. She likes _________, ____________ and __________. She also likes ___________________________.

こんな感じですね。練習方法は、Information Gapで説明した通りです。

C. 状況設定し、会話させる

少し難易度が上がりますが、状況設定して自由を話してもらう、と言うこともできます。

Student A = Ricky

Student B = Becky

パーティーで出会い、趣味について話している、と言う設定を与えます。話の展開だけボードに出しておきます。

STEP
Greeting

初対面の挨拶をします。

STEP
Self-introduction

簡単に自己紹介します。

STEP
Talk about jobs

簡単に自分の仕事について話します。

STEP
Talk about what to do “on weekends”

Information Gapの内容を基に、お互い週末の行動について質問します。

当然ながら、見本を見せて、練習中はモニターをしっかりとします。

D. 紹介

第3者に友人を紹介すると言うこともできます。

A:Can you tell me about Ricky?

B;Sure. He is ___________

「なぜ友人を紹介するのか」を考えて、状況設定すると、かなりチャレンジングな練習をすることが可能になります。

これに限らず、いろいろと試してみてください。

しつこいようですが、もう一度注意点を書きます。

  • Controlled Practiceを十分に練習する
  • 易しい→難しいの流れを意識する
  • Freerの語彙レベルに気を付ける
  • インストラクションをシンプルに
  • ペアワークのモニターをしっかりと
  • リアクション!

3)Writing タイプ

「日記を書きなさい」とか「eメールを書きなさい」と言うタイプの練習です。もしかすると、この手の練習がテキストにある場合、レッスン中には使用せず「HWにする」と言う人もいるかもしれません。それはそれでOKです。

レッスンで使用する場合は、注意が必要です。絶対にやってはいけないことがこれです。

  • 「時間を与えて英作文」させる

時々、生徒に5分とか10分時間を与えて「英作文」させる講師がいますが、全く意味がありません。講師の休憩時間ではありませんので。時間を与えて「英作文」させるくらいならHW(宿題)にした方がずっと効果的です。

「ゆっくり時間をかけて英作文する」と言う事と、英語でコミュニケーションすると言うことは全く別の話になります。少なくとも「会話力」を向上させると言う目的では、「百害あって一利なし」です。

基本的にはこのような流れで進めます。「日記を書きなさい」を例にして考えましょう。

STEP
講師が聞く
講師

What do you do in the morning?

get up / eat breakfast / take a shower ………

講師

What time do you get up?

7:00

講師

What do you eat for breakfast?

toast and eggs.

質問しながらホワイトボードに書いていきます。

Student A
  • Get up    7:00
  • Breakfast  7:30. Toast /eggs / coffee / yogurt
Student B
  • Get up    6:00
  • Breakfast  Rice and Miso soup
STEP
生徒同士で聞かせる

生徒を二人1組のペアに分け、お互いに質問してもらいます。

Student A:What do you do in the morning?

Student B : get up / eat breakfast /

STEP
報告させる

ペアワークでお互いに質問した場合は、ペアワーク後にそれぞれ聞いた内容を報告してもらいます。

T:Student A, please tell us about Student B

S:He / She ___________

その他、色々なパターンが考えられます。

要するに、「時間を与えて英作文させない」と言うことですね。

4)Vocabulary強化タイプ

イラストや写真と単語を結びつける、とか、単語とディフィニションを線で結ぶ、的な練習です。

・breakfast

・food you eat at night

・lunch

・food you eat in the morning

・dinner

・food you eat at noon

このようなタイプですね。「右と左を線で結べ!」的なアクティビティです。はっきり言って、あまり斬新な練習方法はありません。どちらかというと、「予習でやってきてほしい」箇所です。あまり深入りせず、サクッとやってしまいましょう。なのですが、レッスン中に絶対にやってはいけない事があります。Writingタイプの時と一緒です。

  • 「時間を与えて答えを書かせる」

講師の休憩時間ではありませんので、講師が質問しながら一緒に進めましょう。これはすぐわかると思うのですが、よくありがちなパターンが以下になります。

Please make a sentence using ⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎.

これは全く意味がありません。

「Please make a sentence using “breakfast”. の何が悪いんだ? 簡単じゃないか。自分の生徒も、I eat breakfast at 7:00. とか言える!」と言う人もいると思います。

この例だと分かりにくいと思うので、次の例を見てください。

Please make a sentence using “simultaneously”.

多分でこれで理解できると思いますが、「英語の問題ではなく、想像力の問題」になってしまうのです。意味的に、simultaneouslyが成立する状況を探し出すと言うのは至難の業です。この単語の意味を知っているかどうかの問題ではなく、想像力の問題だし、高度な語彙力が求められます。

文法事項でも同じです。

Please make a sentence using “Relative Clause”.

とか、やめましょうね!

と言うことで、この「Vocabulary 強化タイプ」と次に説明する「発音タイプ」はある意味「割り切り」が必要です。サクッと進めてしまいましょう。

5)発音タイプ

所謂、発音練習をするためのアクティビティです。簡単に言うと、「Vocabulary 強化タイプ」と同様に「発音タイプ」はある意味「割り切り」が必要です。あくまでも、週1回か2回の英会話レッスンの場合、レッスン中にあまり「発音練習」時間を割くわけにはいきません。レッスンでは、「使わない」と言う事も選択肢の一つです。なぜ「使わない」方が良いのかを簡単に説明します。

  • 大人に発音を教えるためには、「舌の位置」「口の開け方」「力の入れ方」などを頭で理解させる必要があります。初心者にこれらを説明時に、英語で説明する事には限界があります。
  • 「発音」と「リスニング」は表裏一体です。発音できない音は聞き分けができない場合がほとんどです。ひたすら繰り返しリピートさせても、「聞き分け」できない音をリピートすることはほとんど意味がありません。かえって無力感を煽るだけです。

時々、ひたすらリピートさせて、「音が違う」と言って更にリピートさせる講師がいますが、本当に止め手欲しいものです。全く意味がありません。

と言うことで、発音タイプのアクティビティーの教え方は以下の二つです。

  • レッスンでは使わない
  • 何も説明せず、2-3回リピートする

「②何も説明せず、2-3回リピートする」を選んだ場合は、レッスン終了後に簡単に日本語で音の出し方の説明をしてあげてください。

3. まとめ

英会話のテキストに出てきそうな色々なタイプのアクティビティーの教え方を説明して来ました。以前にも説明した通り、Dialogueの教え方」が基本になります。その上で、以下の点に注意してください。

  • Controlled Practiceを十分に練習する
  • 易しい→難しいの流れを意識する
  • Freerの語彙レベルに気を付ける
  • インストラクションをシンプルに
  • ペアワークのモニターをしっかりと
  • リアクション!

週1回-2回のレッスンであれば、必ずしもテキストに出てくるアクティビティを一つ残らず全て使う必要はありません。「使う/使わない」の選択をすることも出来るし、「どのアクティビティを中心に進めるのか」を決める事もできます。

テキストはあくまでも「素材」であり、どのように使うのかは「講師次第」と考えてください。

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