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【個人英会話教室のカリキュラム設計法】「その場しのぎ」を卒業|テキスト選びから進行表作成まで

はじめに:なぜ3ヶ月のトライアルが必要なのか

以前の記事で、未経験の講師が自分のスクールを始める場合、まず3ヶ月程度のトライアルを実施することをお勧めしました。

なぜトライアルが必要なのでしょうか。それは、英会話レッスンとはどういうものか、英語で生徒と話すとどうなるのか、初心者の実際のレベルとは何か、生徒の本当の目的とは何か——これらのことを実感として理解できないと、自分のスクールの方向性を固めることができないからです。

数名だけでも3ヶ月程度実際にレッスンを実施すると、少しずつ見えてくるものがあります。そこでいよいよ本格的なカリキュラム作りに入るわけですが、はっきり言って難しいです。

本格的なカリキュラムを作成するには、数年程度の経験では不十分です。まして、未経験の講師が数ヶ月のトライアルだけでカリキュラムを作成するのは至難の業です。

この記事では、個人英会話教室の開業から生徒の長期定着まで一貫して活用できる、現実的で効果的なカリキュラム設計法をお伝えします。

目次

無難かつ確実な始め方:テキスト選びの2原則

未経験の講師がカリキュラム設計で最も安全で効果的な方法は、以下の2点です:

  • 現在最も広く使われている一般的なテキストを使う
  • マルチシラバスのテキストを使う

「マルチシラバス」を含むシラバスについては英会話の教え方で詳しく解説していますが、実はあまり気にしなくて大丈夫です。一般的に広く使われているテキストは、ほとんどが「マルチシラバス」で構成されているからです。

なぜ「広く使われているテキスト」なのか

未経験の講師がテキストを選ぶのは非常に難しい作業です。広く使われているということは、それなりに優れたテキストであり、汎用性があることを意味します。

さらに重要なのは、よく売れているテキストはサポートが充実していることです。サポートとは:

  • 詳しいインストラクター用マニュアル
  • アクティビティ用カード
  • オーディオCD・MP3データ
  • ワークブック

といったものです。

反対に、あまり売れていないテキストだと、テキスト本体しか販売されていないことも多く、それだけでレッスンを組み立てるのは未経験の講師には困難です。

どうしても独自の方法にチャレンジしたい場合は、英会話の教え方でレッスンの構成方法をしっかりと学んでから進めてください。

実践的な進行表の作り方

講師が揃えるべき教材一式

「広く使われている=よく売れているテキスト」を選んだら、自分用には以下を揃えることをお勧めします:

  • テキスト本体
  • インストラクター用マニュアル
  • オーディオCD・MP3
  • アクティビティ用テキスト
  • ワークブック

生徒にはテキスト本体を必ず購入してもらってくださいテキストをコピーして配布することは著作権法違反ですので、絶対に禁止です。

シンプルな進行表で十分

マニュアルや出版元のサイトにある「レッスンの分け方」を参考に、自分のスクールのレッスン時間や回数に合わせて、1回あたりのレッスンで実施するページを決めていきます。

そして、それを基に簡単な進行表を作成し、生徒に配布します:

4/1(月) Unit 1 Lesson 1 p.7-p.8
4/8(月) Unit 1 Lesson 1 p.9-p.10

このような進行表で十分です。

レビューレッスンの重要性

テキストの構成にもよりますが、一つのユニットの最後のレッスンはレビューにします。ある程度復習していかないと、生徒はどんどん忘れていきます。またレビューのレッスンでテキストの進行状況の調整もできます。

大体1年程度で1冊終了できるくらいのペースで設定してみましょう。

経験を積むことで見えてくるもの

まず、1年間1冊を教えてみると、色々と見えてくるものがあります。2〜3年教えてみると、テキストを選べるようになります。

ここで言う「選べる」とは、テキストの良し悪しを評価できるという意味ではありません。「自分にとってレッスンで使いやすいかどうか」という基準で選べるようになるということです。

絶対に避けるべき方法:オリジナルテキストの作成

はっきり言います。無理です。やめておきましょう。

生徒のレベル、レッスンを継続するとどのくらい上達できるのか、生徒が楽しめる内容はどんなレッスンなのか——これらを実際に把握できないうちは、質の高いオリジナルテキストの作成は不可能です。

ただし、補助的に何かを補足することは非常に良いアプローチです。

生徒満足度を劇的に上げる「語彙のカスタマイズ」

一般的なテキストは大多数の学習者に合うように作られています。もし、あなたの生徒がある一定の年齢層、好み、職業、性別やバックグラウンドに固まっているのであれば、その生徒層にあった語彙・表現を補足していくことは非常に有効です。

一般英会話とビジネスイングリッシュの違いは「語彙」

テキスト語彙・文法・発音・リスニング・リーディングなど、色々なスキルをカバーします(つまり「マルチシラバス」)。この中で、生徒層によって大きく変わってくるのが語彙です。

いわゆる一般英会話とビジネスイングリッシュと呼ばれるレッスンで何が違うのかと言うと、使用されている語彙・表現です。

例えば、一般英会話で過去形の練習をするのであれば:

  • Eat breakfast
  • Take a shower
  • Watch TV

それが、ビジネスイングリッシュのテキストだと:

  • Have a meeting
  • Talk with a client
  • Write a report

になるだけです。どちらも過去形として扱う文法事項(規則動詞と不規則動詞、疑問文・否定文など)は同じです。

具体的な語彙補足の方法

もし、あなたの生徒層が20代女性で映画・音楽・ファッション・ヨガが好きなのであれば、それらに関する語彙・表現を補充していきます。簡単な語彙リストと例文だけで十分です。

使用しているテキストで過去形の練習をするレッスンで、映画・音楽・ファッション・ヨガの語彙を使う練習をします。実際に自分の興味のある話ができるようになるので、楽しめるし、上達実感が得られます。「話したいことを話した」という気分になるからです。

この上達実感の重要性については、生徒が2年・3年通い続ける定着の仕組みでも詳しく解説しています。

定着のためのペース配分

ここで重要なポイントは、あまり多くの表現を一度に出しすぎないということです。新しい表現はそんなに多く身に着けられるものではありません。また、定着するためには何回か繰り返し使う必要があります。

週1回のレッスンであれば、1ヶ月かけて4レッスンで繰り返しながら定着させていくくらいの感覚で良いと思います。

まとめ:現実的なカリキュラム設計のロードマップ

「その場しのぎ」を卒業するためのカリキュラム設計法をまとめます:

スタート段階

  • 広く使われているマルチシラバステキストを選択
  • インストラクター用マニュアル等のサポート教材を活用
  • 1年で1冊終わるペースの進行表を作成

運営段階

  • レビューレッスンで定着と進度調整を図る
  • 生徒層に合わせた語彙・表現を少しずつ補足
  • 月単位での繰り返し学習を設計

発展段階

  • 1〜2年の経験を積んで自分なりのスタイルを確立
  • 「自分にとって使いやすいテキスト」を選べるように

まずは、このスタイルで1年、2年と続けてみてください。経験の積み重ねが、あなた独自のカリキュラム設計の土台となります。

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