「英語が得意だから、英語を使った仕事がしたい」
「留学経験を活かしたいけれど、翻訳や通訳はピンとこない」
そんな方にとって、「英語を教える仕事」は現実的で、かつやりがいのある選択肢です。英文事務のような事務作業は好みではない、通訳や翻訳の経験もない、でも英語を活かして人と関わる仕事がしたいという方が、最終的にたどり着くのが「英語を教える仕事」です。
この記事では、英語を教えた経験のない方が、どのようなステップで英会話講師としてのキャリアをスタートできるかを、現場経験に基づいて詳しく解説します。
最初の一歩としての「学習塾」という選択

英語を教える仕事を探すと、まず目につきやすいのが「学習塾」です。学習塾には、英語を教える場として次のようなメリットがあります。
多くが生徒の徒歩圏内に開校しているため、通勤時間が短く済みやすく、中学生英語担当であれば、超高度な英語力は必須ではありません。初めて教える人にとって、「教える」という仕事に慣れる場として最適な環境が整っています。
中学生の英語を教えるときにぶつかる「二つの壁」
一見、「中学英語なら簡単そう」と思うかもしれません。ところが、実際に教えてみると意外に難しく感じることが多いはずです。その理由は大きく二つあります。
壁①:自分の英語知識の曖昧さに気づく】
なんとなく「感覚で」英語を話していたことと、実際に人に「説明して教える」ことの間には大きな差があります。文法の説明をしようと思ったら、自分があいまいに理解していた箇所が浮き彫りになります。中学英語は簡単そうに見えても、「120%理解している」と自信を持って言える人は意外と少ないのです。
「なぜこの文法はこうなるのか」「この表現はどういうルールで成り立っているのか」という根拠を明確に言語化できるかどうかが、教える側には求められます。
【壁②:生徒の立場で考えるのが難しい】
もう一つの難しさは、「生徒の立場で考えること」です。自分にとって中学英語が簡単であればあるほど、英語が苦手な生徒の気持ちが分からなくなります。「こんなに簡単なことが、なぜ理解できないんだろう?」「こんな基本的な内容を、どう説明したらいいんだろう?」と感じる場面は、必ず出てきます。
しかし、この壁を乗り越えて生徒の目線に立てるようになれば、英語指導の質は大きく変わります。このギャップに気づくこと自体は、とても良いことです。数年間、中学生に英語を教え続けると、あなた自身の「英語の基礎力」が想像以上に鍛えられます。
高校生・大学受験英語を教えるハードル
高校生、特に「大学受験準備クラス」を担当するとなると、要求されるレベルは一段上がります。担当するかどうかの判断基準として、実際の大学入試問題を自分で解いてみることをお勧めします。
自分で大学入試問題を解いてみて、ほぼ全問正解でき、問題作成者が何を試そうとしているのか、その意図まで理解できるレベルであれば、中学生担当と同じ感覚で授業を組み立てられるでしょう。
逆に、大学入試問題を「非常に難しい」と感じる場合は、レッスン準備に膨大な時間がかかり、自分の英語力の補強が必須になります。その場合は、まず数年間、中学生英語を担当して、「教えること」自体と、学習塾の環境に慣れてから、並行して高校英語の参考書・問題集・大学入試問題などで、自分の英語力をしっかり引き上げることをおすすめします。
「英会話を教えたい」のイメージと現実

そもそも、あなたが「英語を教えてみたい」と思ったとき、頭に思い描いていたのは、学習塾での補習・受験指導ではなく、英語を使ったコミュニケーションや英会話レッスンだったかもしれません。
この場合、多くの人は「英会話スクールの講師」をまず考えると思います。ところが、ここ数年の状況として、日本人講師が通学型の英会話スクールで教える仕事を見つけるのは、かなり難しくなっています。
なぜ、英会話スクール講師の求人が減っているのか
その背景には、英会話スクールというビジネスモデルの変化があります。コロナ以前は「社会人の習い事」として英会話は常に人気の上位だった分野でした。主な生徒層は「なんとなく英会話をやってみたい」ライト層・初心者が中心でした。
しかしコロナ禍で、そのライト層の生徒が激減し、その後も戻りきっていません。もともと、それほど英語の必要性を感じていないライト層がターゲットだったため、コロナ過で生徒が激減し、その影響が続いています。
その結果として、初心者対象のクラスを担当していた日本人英会話講師の需要が、強く減少し、経験のない人が、自分の希望する曜日や時間帯で、安定したコマ数を得るのは非常に難しい状況になっています。
それでも「英会話を教えたい」なら、自分で教室を開く

このような状況の中でも、「それでも英会話を教えてみたい」と本気で思うのであれば、選択肢ははっきりしています。自分で教室を開くことです。
「自分で教室なんて、大変そう」と感じるかもしれませんが、ポイントは「小さく始める」ことです。いきなり立派な教室を借りる必要はありません。貸し会議室でも十分スタート可能です。
実際に、このサイトを運営している筆者が経営していた英会話スクールもコロナ禍で大きな打撃を受け、いくつかのスクールでは、テナント契約をいったん解約し、数か月間「貸し会議室」でレッスンを続けた経験があります。
また、以前英会話スクールに勤務していた日本人講師が、退職後に独立して、貸し会議室+オンラインレッスンを組み合わせるスタイルで、50名以上の生徒を教えている例もあります。
このような形であれば、自分が教えたい曜日・時間帯だけ働くことができ、集客力があれば、十分ビジネスとして成り立たせることができます。特に、友人・知人が多い方、SNSのフォロワー数が多い方といった人は、成功する可能性が高いと言えるでしょう。
未経験者がいきなり教え始める難しさと解決策

とはいえ、英会話をきちんと教えた経験のない人が、いきなり自分で教室を始めるのは、ハードルが高いのも事実です。
英会話スクールで働く場合は、入社時に研修を受け、テキストやカリキュラムが提供され、そのスクール独自の「メソッド」に従って教え、同僚や先輩講師に質問・相談しながらスキルを磨くという環境が整っています。
この「研修」「メソッド」「相談できる環境」がない状態で、完全にゼロから自分のスタイルで教え始めるのは、相当の試行錯誤を伴います。
このサイトで学べる「英会話の教え方」のノウハウ
そこで、このサイトでは、英会話を教えた経験がない人や、すでに学校(小・中・高)で英語を教えているけれど、「英語コミュニケーションの教え方」に不安がある先生のために、「英会話の教え方」に関する体系的なノウハウを公開しています。
- 【英語を教える全体像を知りたい方へ】
- 【英会話レッスンの具体的な構成・技術を知りたい方へ】
- 【レッスン全体の組み立て方を学びたい方へ】
- 【レベル別の教え方を知りたい方へ】
これらを読み進めていただくことで、英会話の「教え方」の基本が体系的に理解でき、自分で教室を開く前に、最低限押さえておくべきポイントが分かり、すでに学校で教えている先生も、「英会話活動の設計」に自信が持てるようになります。
動画・YouTubeも活用して学ぶ

文章だけでは伝わりにくい部分については、今後、動画も作成し、YouTubeチャンネルで公開していきます。
現時点では学習者向けに以下の講座を公開しています。
YouTubeプレイリスト: 初心者向け文法講座
YouTubeプレイリスト: 英語をMLBで学ぶ
YouTubeプレイリスト: 音楽を通じて語彙力アップ!
ブログ記事をベースにした、初心者向けの文法講座や、文法を「どの順番で」教えていくのかというカリキュラム設計などを確認できるので、「教え方」を学ぶうえでも良い参考になります。どのような順番で文法を教えているかは、英会話指導の組み立て方を考える上でも非常に参考になりますので、ぜひ確認してみてください。
これから英会話を教えたいあなたへ

英語が得意であれば、「話す側」としてだけでなく、「教える側」として活躍する道もあります。
まずは学習塾で中学生英語からスタートし、自分の基礎力を固めることから始めましょう。高校・受験英語に進みたいなら、自分の英語力をしっかり鍛えてから挑戦し、英会話を教えたいなら、自分で小さく教室を始めることも現実的な選択肢です。
そのための「教え方」のノウハウは、このサイトで体系的に学ぶことができます。今後は、「小規模で英会話レッスンをビジネスとしてスタートする方法」についても、少しずつ解説していきます。
その前段階として、まずはこのサイトの「英会話の教え方」関連の記事やYouTubeの初心者向け文法講座を通して、基本的な知識と考え方を身につけていってください。
疑問点が出てきたら、以下のFAQも参考になるかもしれません。
英語を「話せる人」から、「教えられる人」へ。このサイトのコンテンツが、その一歩を踏み出すための手助けになれば幸いです。
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このガイドは、35年以上の英語教育経験を持つ矢野晃によって作成されました。数千人の講師を育て数千人の生徒を指導してきた実績に基づく、実践的で効果的な学習方法をお届けしています。












