今この記事を読んでくれている人たちは、「英会話スクールへ通ってみよう!」と思ってみたものの、「どのスクールを選んだら良いかわからない!」と思ってこのページに辿り着いたのでしょう。一口に「英会話スクール」と言っても色々なタイプのスクールがあります。通う人の目的によって、「ハマるタイプのスクール」と「全く噛み合わないタイプのスクール」があります。今回は「目的別」に「英会話スクールの選び方」を考えてみましょう。
ここで紹介する「英会話スクール比較」は同じような題材を扱った他のサイトと大きく異なります。私自身が35年以上の講師経験を持ち、日本最大手と言えるAEONで講師トレーナー、教務責任者として10年以上勤務し、その後、5つの別ブランドで事業責任者として、数千人以上の外国人講師と数千人以上の日本人講師を採用・教育し、直接間接的に数万人以上の受講生の学習状況を見て来ました。詳細は他のカテゴリーの記事に書いてあります。
英会話スクールを選ぶ上での基本的な考え方はこちらの記事に書いてありますので参考にしてください。ここでは、そのうちの「英語を話せるようになりたいから」タイプ向けのスクールを紹介します。
GABA
GABAというスクールは不思議なスクールです。
私がAEONで講師、講師トレーナー、教務課責任者をしていた頃のライバルは、NOVAとGEOSでした。英会話スクールの3強的な位置だったので、常に意識していたのはこの二つのスクールでした。
NOVAが、AEON、ECC、GEOSのような一般的な英会話スクールに差別化をして急成長したのと同様に、GABAもNOVAやAEONを含む英会話スクールと明確な差別化をして急成長してました。
差別化のポイントは非常にシンプルです。NOVAやAEONがグループレッスン中心だったのに対して、GABAはプライベートレッスン専門校として売り出しました。それと共に、NOVAやAEONが「親しみやすさ」を売りにしていたのに対し、GABAは「高級感」を売りにし、内装をホテルのロビーのような作りにして、スクールスタッフも全員黒のスーツを着せるというイメージを作りました。
とは言え、プライベートレッスン中心で価格帯も高かったので、全盛期でも30校前後だった気がします。今では当たり前ですが、ネットで予約ができ、レッスンの内容や状況もネットで確認できるということは当時としてはかなり珍しい事でした。
不思議なスクールと言うのは、その遍歴です。急成長する前のGABAは所謂講師紹介タイプのスクール/システムでした。レッスン受講希望する生徒と講師をマッチングさせ、紹介した後は、講師と生徒がそれぞれスケジュール調整し、レッスン場所を決めて受講するというシステムです。当たり前ですが、トラブルが多発したのでしょう。スクールを構えるというスタイルに変更しました。その後、先ほどのようのようなイメージ戦略が成功して、成長します。
ところが、ある時ニチイに買収されました。当時ニチイは、COCO塾と言う英会話スクールを立ち上げたのですが、完全な失敗だったようです。側から見ていても、何をしたいのか全くわからないようなスクールでした。特に特徴もなく、やたら広告宣伝にコストを掛け、いつの間にか消えていったスクールです。GABAを買収して、英会話スクールのノウハウを得ようとしたのかもしれませんが、何も変わりませんでした。
いつの間にか、GABAはNOVAに吸収されてしまったようです。気づいてみたら、GABAも月謝制を始め、HPのイメージも、以前のような特色は消え、NOVAチックに変動していました。結局、NOVAはGABAが邪魔だったのかもしれません。そのうち、NOVAのマンツーマン留学に吸収されていく運命なのだと思います。
前置きはこのくらいにして、「英語を話せるようになりたいから」タイプにとってのポイントを説明します。
「英語を話せるようになりたいから」タイプ向き
「英語を話せるようになりたいから」タイプにとって、大切なポイントは以下になります。
- 立地やスクールシステム的に通いやすい
- クラスメートがいる
- 予習・復習に過度な負担がかからない
- 安すぎず、高過ぎない料金設定
- カリキュラムがしっかりしている
- テキストがしっかりしている
- レベル分けがしっかりしている
AEON、ECC、SHANE、NOVAと同様にこのポイントで見ていきます。
- ① 立地やスクールシステム的に通いやすい
-
英語は1-2週間で身に付くようなものではありません。多少なりとも「上達実感」が感じられるようになるまでには数ヶ月かかります。そこまで続けられないと、本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」として成立しませんので、続けれれることが最優先です。
HPによると、現在28校ありますが、基本的に東京と神奈川がメインです。都内から横浜に住んでいる人には通いやすいと思います。
- ② クラスメートがいる
-
プライベートレッスン専門校で、予約制なので、所謂「クラスメートがいる」というメリットは感じにくいかもしれません。
- ③ 予習・復習に過度な負担がかからない
-
プライベートレッスン専門校なので、予習するも予習しないも個人次第です。
- ④ 安すぎず、高過ぎない料金設定
-
料金体系などは、GABAのHPや他の比較サイトを参考にしてください。料金設定に関しては、「英会話スクール|比較の仕方」で書いてありますので、興味のある方は参考にしてください。
「本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」なのであれば、「出来るだけ費用をかけず」に試してみた方が良いと考えるかもしれませんが、なかなかそう上手くはいきません。
料金設定には必ず理由があります。賃貸マンションなどと同じです。「安い物件にはそれ相当の理由」があります。やみくもに「安さだけ」を追い求めて、結局続けられず中途半端に終わってしまったら、かえって高くつきます。反対にこのタイプの人は「あまりに高いスクール」も無理があります。
英会話スクールに限らず、何かを学ぶとか身につけると言う場合、そのために費やした時間や労力と正比例します。そしてかなりの確率で、要した費用にも正比例します。人間の心理として、掛かった費用に対して「元を取ろう」と言う意識が自然と働き、努力をするようになるのだと思います。反対に、安い物は雑に扱う傾向があるようです。
- ⑤ カリキュラムがしっかりしている
-
GABAの特徴は、やはりプライベートレッスン専門校というそのスクールシステムになります。生徒が自分の目標や学習方法、使いたいテキスト、レッスンの進め方など、明確な方向性を持ち、それをスクールスタッフや講師に伝え切れるかがポイントになります。あくまでも個人の印象です。
- ⑥ テキストがしっかりしている
-
正直言ってあまり特徴のあるテキストではありません。とは言え、どんなテキストでも、しっかりと使い込めば上達できます。あくまでも生徒の取り組み次第なのですが、あまり英語力向上という面を強く打ち出しているタイプのスクールではありません。
- ⑦ レベル分けがしっかりしている
-
プライベートレッスンはグループレッスンと異なり、レベルは問題になりません。やはり、プライベートレッスン専門校というスクールシステムがいちばんの差別化ポイントになるようです。
GABAに向いていないタイプ
GABAは、プライベートレッスン専門校というスクールシステムが売りのスクールです。周りの人を気にする必要がない、自分の目的に合ったレッスンが可能、という点がメリットになります。反対に、楽しく学びたい、仲間が欲しい、みたいな人には向いていません。何点か具体的な例を挙げます。
- 1. どのように英語を勉強したら良いかわからない
-
「英会話スクールに通えば、そのうち話せるようになるだろう」と言うイメージの人には向いていません。ここでは詳細は省きますが、プライベートレッスンとグループレッスンの違いや選び方はこちらの記事で書いてありますので参考しにしてください。
- 2. 初心者
-
正直言って初心者に向いていません。英会話スクールのレッスンはすべて英語で授業するのが基本です。グループレッスンだと、他の人の様子を見ながら進められますし、よくわからない時はレッスンの前後でクラスメートに聞くことができます。
プライベートレッスンだと講師と1対1なので、何が何だか分からないまま時間が過ぎ、いつの間にか辞めてしまうことがあります。実際に私がスクールで直接教えて言いた時期にも、「プライベートレッスン専門校に通っていたけど何も分からなかった!」と言って、グループレッスンを受けるようになってくれた方が数多くいました。
- 3. 友達を作りたい
-
当たり前ですが、プライベートレッスン専門校なのでクラスメートはいません。スクールスタッフの対応も「ホテルの受付的」なので、あっさりとしています。全体的に「レッスン受講のみ」のタイプのスクールです。友達を作りたい人向けのスクールではありません。
スクールスタッフや講師もレッスン以外に生徒と積極的にコミュニケーションを取るというスタイルではないケースが多いようです。
体験レッスンについて
気になったら体験レッスンを受けてみると良いと思います。体験レッスンを受ける場合の注意点を何点か書きます。
- 1. 体験レッスンは通常のレッスンとは違う
-
体験レッスンの目的はセールスです。私自身が自分で直接体験レッスンをした場合も、スクール勤務の講師に担当させた場合も、あくまでも「入会してもらうためのレッスン」をします。当然ながら、出来るだけ良い講師を担当させます。入会後に、その講師のレッスンを受けられるとは限りません。
また、レッスンの進め方も体験レッスンと通常レッスンでは異なります。何も特別な理由がある訳ではありません。通常レッスンは、レベル分けをした生徒が毎週使っているテキストを予習してレッスンを受けます。体験レッスンはレベル設定ができていない来訪者に対して、初めて見せるテキストを使います。
その条件の中で、短時間でできる限り良いレッスンを提供しようとします。また、良い印象を持ってもらえるように努力します。あくまでも参考程度に考えた方が良いでしょう。
- 2. 口コミを参考にしない
-
英会話スクール比較の記事を書いておきながら、こんな事を書くのはどうかと思いますが、このような比較サイトや口コミはあまり参考にしない方が良いでしょう。趣味でこのような記事を書いている人はほとんどいないと思います。
私自身、このサイトはアフィリエイト収入を目的で投稿しています。他の比較サイトも多くの場合、ある特定の英会話スクールなどに誘導し、成功報酬を貰うために書いています。
今後このサイトで、アフィリエイトの記事を投稿する予定ですが、無条件で良い点だけを褒めて誘導するような記事を書くことはありませんので、メリット・デメリットも参考にしてもらえると良いと思います。
- 3. 直感を信じる
-
口コミなどを信じずに、直感を信じましょう。英会話のレッスンは毎週1回か2回、継続的に何ヶ月も何年も受講します。そのスクールのある立地、ビルの雰囲気、スクールの設備や内装、スタッフや講師の印象、生徒層など、居心地の良い空間か、毎週顔を合わせたい人達なのか、体験レッスンよりも口コミよりも、この第一印象が一番大切です。
恐らく、体験レッスンが終わる頃には、ご自身の中で印象が固まっていると思います。自分の直感を信じ、自分の判断で決めるのが一番です。
最後に
気になったら、体験レッスンに行ってみてください。まずは自分で体験してみて、直感を信じるのが一番です!