今この記事を読んでくれている人たちは、「英会話スクールへ通ってみよう!」と思ってみたものの、「どのスクールを選んだら良いかわからない!」と思ってこのページに辿り着いたのでしょう。一口に「英会話スクール」と言っても色々なタイプのスクールがあります。通う人の目的によって、「ハマるタイプのスクール」と「全く噛み合わないタイプのスクール」があります。今回は「目的別」に「英会話スクールの選び方」を考えてみましょう。
ここで紹介する「英会話スクール比較」は同じような題材を扱った他のサイトと大きく異なります。私自身が35年以上の講師経験を持ち、日本最大手と言えるAEONで講師トレーナー、教務責任者として10年以上勤務し、その後、5つの別ブランドで事業責任者として、数千人以上の外国人講師と数千人以上の日本人講師を採用・教育し、直接間接的に数万人以上の受講生の学習状況を見て来ました。詳細は他のカテゴリーの記事に書いてあります。
英会話スクールを選ぶ上での基本的な考え方はこちらの記事に書いてありますので参考にしてください。ここでは、そのうちの「英語を話せるようになりたいから」タイプ向けのスクールを紹介します。
NOVA
私がまだAEONで講師やトレーナー、教務責任者として勤務していた1990年代から2000年初頭は、当時のNOVA(現在のNOVAとは違います)が全盛期でした。当時は、英会話学校と言えば、AEONやECCのようにグループレッスンが主体で日本人講師の比率が多いスクールが一般的でした。
その中で、「講師は全員ネイティブ」「レッスンはフリータイム(完全予約制)」「定員3名」「1レッスン1350円から」を打ち出し、TVCMや交通広告を中心に大量に広告宣伝を始めたのです。
当時のAEONやECCは、「日本人講師中心」「レッスンは固定制」「グループレッスン10名程度」「授業料は一括全能制で年間契約」が特徴だったので、明確な差別化ができていました。
圧倒的な広告宣伝力であっという間に業界首位になり、900校以上のスクール展開をしたのです。とは言え、詳細は省きますが、フリータイム制というものの予約が取れず、低料金にするためにレッスンチケットを大量購入したものの実際にはレッスン単価が高くなり、解約しても返金してもらえなかったようで、消費者トラブルが続出し大きな社会問題になりました。給料未払い問題まで発展し、結局倒産してしまいます。
倒産したNOVAを買い、新たなスクールとして再建したのが現在のNOVAです。NOVAだけでなく、同じく倒産したGEOSも買取り吸収したようです。
現在のNOVAのスクールシステム自体は、昔のNOVAと変わらないようですが、経営母体は全く違う会社なので、当時のようなトラブルは聞いた事がありません。
前置きはこのくらいにして、「英語を話せるようになりたいから」タイプにとってのポイントを説明します。とは言え、NOVAに通えば英語が話せるようになるかと言うと、そんな事はありません。話せるようになるかどうかは本人次第です。NOVAをうまく使えば役に立つし、使いこなせなければ役に立ちません。「通っていれば話せるようになる」と言うタイプのスクールではありません。
「英語を話せるようになりたいから」タイプ向き
「英語を話せるようになりたいから」タイプにとって、大切なポイントは以下になります。
- 立地やスクールシステム的に通いやすい
- クラスメートがいる
- 予習・復習に過度な負担がかからない
- 安すぎず、高過ぎない料金設定
- カリキュラムがしっかりしている
- テキストがしっかりしている
- レベル分けがしっかりしている
AEON、ECC、SHANEと同様にこのポイントで見ていきます。
- ① 立地やスクールシステム的に通いやすい
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英語は1-2週間で身に付くようなものではありません。多少なりとも「上達実感」が感じられるようになるまでには数ヶ月かかります。そこまで続けられないと、本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」として成立しませんので、続けれれることが最優先です。
HPによると、北海道から沖縄まで299校ありますが、元NOVAのスクール、元GEOSのスクールなどがあるので、エリアやスクールによってかなり違う印象を受けます。新宿、渋谷、池袋、銀座など東京都内や、横浜、大阪、名古屋、福岡、など、通学する上での利便性は継続率に直結していますので、非常に通いやすく続けやすいスクールだと思います。
- ② クラスメートがいる
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AEON、ECC、SHANE同様にNOVAのレッスンも少人数制グループレッスンがメインです。グループレッスンのメリットとして「クラスメートがいる」という事がありますが、NOVAの場合は予約制がメインですので、所謂「クラスメートがいる」というメリットは感じにくいかもしれません。
- ③ 予習・復習に過度な負担がかからない
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ECCやAEONと比べると、スクールのコンセプトが異なります。予習・復習に負担がかからないと言うよりも、予習しないシステム、と言うことが特徴になります。
英会話スクールによっては、かなりの量の宿題が課せられたり、予習の段階でしっかりと準備してくることが前提になっている場合があります。「絶対に英語をマスターしたい!」と言う明確な目標設定ができている場合は問題ないのですが、本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」の場合は、嫌になってしまって挫折可能性が高くなります。
- ④ 安すぎず、高過ぎない料金設定
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料金体系などは、NOVAのHPや他の比較サイトを参考にしてください。ここでは詳細は割愛しますが、NOVAの大きな売りは、その料金にあります。低価格のスクールを探している、でもどんなスクールなのかよくわからない怪しげなスクールには通いたくない、と言う方にはぴったりのスクールです。料金設定に関しては、「英会話スクール|比較の仕方」で書いてありますので、興味のある方は参考にしてください。
「本当に英語を勉強したいのか」「話せるようなるために努力できるのか」「継続的に学習できるのか」など、どちらかと言うと、今後の方向性を確かめるための「お試し期間」なのであれば、「出来るだけ費用をかけず」に試してみた方が良いと考えるかもしれませんが、なかなかそう上手くはいきません。
料金設定には必ず理由があります。賃貸マンションなどと同じです。「安い物件にはそれ相当の理由」があります。やみくもに「安さだけ」を追い求めて、結局続けられず中途半端に終わってしまったら、かえって高くつきます。反対にこのタイプの人は「あまりに高いスクール」も無理があります。
英会話スクールに限らず、何かを学ぶとか身につけると言う場合、そのために費やした時間や労力と正比例します。そしてかなりの確率で、要した費用にも正比例します。人間の心理として、掛かった費用に対して「元を取ろう」と言う意識が自然と働き、努力をするようになるのだと思います。反対に、安い物は雑に扱う傾向があるようです。
- ⑤ カリキュラムがしっかりしている
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NOVAの特徴は、やはり料金設定になります。レベル設定も細かくないし、予習ができないシステムなので、あまり、「英語力を向上させたい」と言う目的の方向けのタイプのスクールではないようです。あくまでも個人の印象です。
- ⑥ テキストがしっかりしている
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正直言ってあまり特徴のあるテキストではありません。とは言え、どんなテキストでも、しっかりと使い込めば上達できます。あくまでも生徒の取り組み次第なのですが、あまり英語力向上という面を強く打ち出しているタイプのスクールではありません。
- ⑦ レベル分けがしっかりしている
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レベル設定は10段階前後に分かれているようですが、上下2レベルを並行受講可能という不思議なシステムです。フリータイム制と料金設定の兼ね合いからこう言うスタイルに行き着いたのだと思います。やはり、料金設定がいちばんの差別化ポイントになるようです。
NOVAに向いていないタイプ
NOVAは、料金が売りのスクールです。「気軽に始められる」「無理して頑張る必要ない」と言うメリットがあります。反対に、特殊な目的を持っている、死ぬ気で勉強したい、みたいな人には向いていません。何点か具体的な例を挙げます。
- 1. 極めて特殊なある特定の目的を持っている。
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「英会話の王道」的なスクールがグループレッスンをメインに運営している英会話スクールです。「ちょっと英会話勉強したいかも!」的な感覚の他の生徒とあまりにも目的が違う方には向いていません。もちろんプライベートレッスンを受講すれば、目的に合った内容で受講できます。以下、私が直接教えた方で、プライベートレッスンを勧めて受講していただいたタイプです。
- CAの方で外資系航空会社に転職するための面接練習をしたい
- 会計士の方で、半年以内に英検準1級と1級を取らないといけない
- 洋楽コピーバンドでボーカルを担当していて、歌詞を理解し、正しい発音で歌いたい
当然ながら、全員目的を達成してもらいました。
- 2. 何が何でも上達したい
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いわゆる英会話学校は、「ちょっと英会話勉強したいかも!」的な感覚の方が通うスクールです。高校生・大学生から、OLさん、ビジネスマン、主婦の方達が、楽しくレッスンを受講する場です。あまりに、ストイックに英語力を求める方には向いていません。
学習法のカテゴリーで勉強法を説明していますが、本気で英語を身に付けたいなら、英会話スクールに通う必要はあまりありません。自分でしっかりと勉強してください。
- 3. 友達を作りたい
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NOVAの場合、エリアやスクールごとにかなり印象が変わってきます。入会したスクールによって個体差が出てくると思いますが、全体的に「レッスン受講のみ」のタイプのスクールです。固定制ではないので一緒にレッスンを受ける人と仲良くなるというケースもそれほど多くありません。
また、スクールスタッフや講師もレッスン以外に生徒と積極的にコミュニケーションを取るというスタイルではないケースが多いようです。
体験レッスンについて
気になったら体験レッスンを受けてみると良いと思います。体験レッスンを受ける場合の注意点を何点か書きます。
- 1. 体験レッスンは通常のレッスンとは違う
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体験レッスンの目的はセールスです。私自身が自分で直接体験レッスンをした場合も、スクール勤務の講師に担当させた場合も、あくまでも「入会してもらうためのレッスン」をします。当然ながら、出来るだけ良い講師を担当させます。入会後に、その講師のレッスンを受けられるとは限りません。
また、レッスンの進め方も体験レッスンと通常レッスンでは異なります。何も特別な理由がある訳ではありません。通常レッスンは、レベル分けをした生徒が毎週使っているテキストを予習してレッスンを受けます。体験レッスンはレベル設定ができていない来訪者に対して、初めて見せるテキストを使います。
その条件の中で、短時間でできる限り良いレッスンを提供しようとします。また、良い印象を持ってもらえるように努力します。あくまでも参考程度に考えた方が良いでしょう。
- 2. 口コミを参考にしない
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英会話スクール比較の記事を書いておきながら、こんな事を書くのはどうかと思いますが、このような比較サイトや口コミはあまり参考にしない方が良いでしょう。趣味でこのような記事を書いている人はほとんどいないと思います。
私自身、このサイトはアフィリエイト収入を目的で投稿しています。他の比較サイトも多くの場合、ある特定の英会話スクールなどに誘導し、成功報酬を貰うために書いています。
今後このサイトで、アフィリエイトの記事を投稿する予定ですが、無条件で良い点だけを褒めて誘導するような記事を書くことはありませんので、メリット・デメリットも参考にしてもらえると良いと思います。
- 3. 直感を信じる
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口コミなどを信じずに、直感を信じましょう。英会話のレッスンは毎週1回か2回、継続的に何ヶ月も何年も受講します。そのスクールのある立地、ビルの雰囲気、スクールの設備や内装、スタッフや講師の印象、生徒層など、居心地の良い空間か、毎週顔を合わせたい人達なのか、体験レッスンよりも口コミよりも、この第一印象が一番大切です。
恐らく、体験レッスンが終わる頃には、ご自身の中で印象が固まっていると思います。自分の直感を信じ、自分の判断で決めるのが一番です。
最後に
気になったら、体験レッスンに行ってみてください。まずは自分で体験してみて、直感を信じるのが一番です!