Putting Complex Sentences Together
「単語や短い文なら作れるけれど、自分の考えを詳しく説明しようとすると、文がぶつ切りになってしまう……」
そんな悩みを感じたことはありませんか?
これまでの 記事では、文の一部として機能する「名詞節・形容詞節・副詞節」という3つのパーツ(道具)を個別に学んできました。今回の記事は、いわばその「実践編」です。
バラバラだった道具を組み合わせ、一つの大きな「論理的な文」へと組み立てる技術を身につけます。
英語で文をつなぐ方法は、単なる文法のルールではありません。「どの情報にスポットライトを当て、どの情報を背景に置くか」という、あなたの意図をコントロールする強力な武器になります。
この記事を読み終える頃には、あなたの英語はよりリッチで、説得力のあるものに進化しているはずです。それでは、文を組み立てる3つの魔法を見ていきましょう。
1. 文をつなげて論理を作る3つの方法

英語で2つ以上の考えを1つの文(または文の流れ)にまとめる方法は、大きく3つあります。
| 方法 | 接続詞・副詞 | 例文 |
|---|---|---|
| ① 等位接続 | Coordinating Conjunction and / but / or / so / for / nor / yet 対等な主節同士を接続詞でつなぐ | She was tired, but she kept going. |
| ② 従属接続 | Subordinating Conjunction that / when / because / if / although … 主節+従属節(名詞節・形容詞節・副詞節) | She kept going because she was determined. |
| ③ 接続副詞 | Conjunctive Adverb however / therefore / nevertheless … 文と文をまたぎ、論理関係を示す副詞 | She was tired. Nevertheless, she kept going. |
2. 方法① 等位接続(Coordinating Conjunctions)

等位接続詞(FANBOYS:for / and / nor / but / or / yet / so)は、対等な2つの主節を結ぶ接続詞です。それぞれの節が独立した文として成立できます。
▶ and — 付加・並列「そして、かつ」
2つの出来事や状態を追加・並列します。時間の順序を示すこともあります。
I finished the report, and I sent it to the client.
(レポートを完成させて、クライアントに送った。)
She joined the meeting, and everyone introduced themselves.
(彼女が会議に参加し、全員が自己紹介した。)
We updated the app, and the loading time improved significantly.
(アプリをアップデートしたら、読み込み時間が大幅に改善した。)
▶ but — 対比・逆接「しかし、でも」
予想と異なる展開、または対立する内容をつなぎます。
I wanted to join the call, but I had another commitment.
(電話に参加したかったが、別の予定があった。)
The plan sounds good, but we need more time to review it.
(計画は良さそうだが、見直す時間がもっと必要だ。)
The office is small, but it’s in a great location.
(オフィスは狭いが、場所がとても良い。)
▶ or — 選択肢「または、さもなければ」
2つの選択肢を示したり、条件と結果(警告)を示したりします。
You can call me, or you can send a message — either works.
(電話してもいいし、メッセージでもいい。どちらでも大丈夫です。)
We need to act now, or we’ll miss the deadline.
(今行動しなければ、締め切りを逃してしまう。)
▶ so — 結果「だから、それで」
前の文が原因・理由となり、後の文がその結果を示します。
The meeting ran over, so I had to skip lunch.
(会議が長引いたので、昼食を抜かした。)
My internet went down, so I switched to my phone’s hotspot.
(ネットが切れたので、スマホのテザリングに切り替えた。)
The client requested changes, so we revised the proposal.
(クライアントから修正要請があったので、提案書を見直した。)
▶ yet — 対比(but より書き言葉寄り)「それでも、しかし」
but と似ていますが、やや改まった文脈や書き言葉でよく使われます。
The project is challenging, yet the team remains motivated.
(プロジェクトは難しいが、チームは意欲を保っている。)
The results were disappointing, yet we learned a great deal.
(結果は期待外れだったが、多くを学んだ。)
⚠️ 等位接続詞を使うときのルール
- 両方の節が主語+動詞を持つ(独立節)場合、接続詞の前にカンマ(,)を置く
- ✅ I was tired, so I went home early.
- ❌ I was tired so I went home early.(カンマなしは不自然・誤り)
注意: 「❌」ではなく「△(フォーマルな書き言葉では不適切)」と言うニュアンスです。「基本ルールとしてカンマが必要」と考えてください。
- 目的語や修飾語だけをつなぐ場合はカンマ不要
- ✅ I bought coffee and a sandwich.(名詞句の並列→カンマ不要)
3. 方法② 従属接続(Subordinate Clauses)

従属接続は、今回学んだ名詞節・形容詞節・副詞節を使って文をつなぐ方法です。等位接続とは異なり、一方の節(従属節)が他方の節(主節)に「依存」します。
従属接続の最大の特徴は、メッセージのフォーカス(焦点)をコントロールできることです。何を主節にして、何を従属節にするかで、伝わり方が変わります。
▶ ① 名詞節を使う従属接続
従属節が文の主語・目的語・補語として機能します。
目的語節: I know [that the deadline is Friday].
(締め切りが金曜日だとわかっています。)
主語節 : [What you said] made a lot of sense.
(あなたが言ったことは筋が通っていた。)
補語節 : The problem is [that we don’t have enough data].
(問題は、データが十分でないということです。)
目的語節: I‘m not sure [whether the event will be online].
(イベントがオンラインかどうかわかりません。)
目的語節: Could you tell me [where the files are saved]?
(ファイルがどこに保存されているか教えていただけますか?)
▶ ② 形容詞節を使う従属接続
関係代名詞・関係副詞が導く節が、名詞(先行詞)を後ろから修飾します。どの名詞なのかを特定・説明します。
The colleague [who handles the accounts] is on leave this week.
(経理を担当している同僚は今週休暇中です。)
This is the app [that I use to manage my schedule].
(これが私がスケジュール管理に使っているアプリです。)
The hotel [where we stayed] had excellent service.
(私たちが宿泊したホテルはサービスが素晴らしかった。)
I still remember the day [when I got my first job offer].
(最初の内定をもらった日のことを、今でも覚えています。)
▶ ③ 副詞節を使う従属接続
時・理由・条件・譲歩などの文脈を主節に追加します。「いつ」「なぜ」「どんな条件で」という情報を1文にまとめます。
時 : [When I get back to my desk], I‘ll send you the file.
(デスクに戻ったらファイルを送ります。)
理由: I left early [because the meeting ran over].
(会議が長引いたので、早めに退席しました。)
条件: [If you have any questions], feel free to ask.
(ご不明な点があれば、遠慮なくお聞きください。)
譲歩: [Although I was exhausted], I finished the report.
(疲れていたが、レポートを仕上げた。)
4. メッセージの焦点を変える節構成の選び方

同じ内容でも、どの節を主節(メインの文)に置き、どの節を従属節(サブ情報)に置くかによって、聞き手・読み手への伝わり方が大きく変わります。
英語では、主節に入る情報がメッセージの焦点になります。従属節の情報は「背景・補足」として添えられます。
▶ 焦点の転換:どちらを主節にするか
| 日本語の意図 | 英語の文構成 |
|---|---|
| 彼は疲れていたので家に帰った。 → 焦点は「家に帰った」という行動 | He went home because he was tired. 「帰った」が主節 → 行動が主役 |
| 疲れていたから、家に帰った。 → 焦点は「疲れていた」という状態 | Because he was tired, he went home. 副詞節を先頭に → 理由・状況が前景化 |
▶ 3文型の比較:同じ内容・異なる構成
以下の3つは同じ「出来事」を伝えますが、それぞれ異なる構造と焦点を持っています。
| 文の種類 | 英語 | 解説 |
|---|---|---|
| 単文 Simple | He was tired. He went home. 彼は疲れていた。 彼は家に帰った。 | 2文に分ける。それぞれが独立した情報として対等に扱われる。「なぜ帰ったか」「疲れとの関係」は不明。 |
| 複文 Complex | He went home because he was tired. 彼は疲れていたので家に帰った。 | 「帰った」が主役。「疲れていた」は理由として従属的に添えられる。因果関係が明確。 |
| 重文 Compound | He was tired, so he went home. 彼は疲れていたので家に帰った。 | 2つの情報が対等に並ぶ。soで結果を示すが、両者の重みは等しい。 |
5. 例で実感する「焦点の違い」

次の例で、同じ出来事をどのように文に組み立てるか、焦点がどう変わるかを確認しましょう。
【例A】 締め切りが明日 → 今夜残業
- ① 単文(2文)
The deadline is tomorrow. I‘m working late tonight.
締め切りは明日だ。今夜は残業する。
→ 2つの独立した事実の羅列。因果関係は暗示のみ。- ② 複文(副詞節)
I‘m working late tonight because the deadline is tomorrow.
締め切りが明日なので今夜残業する。
→「残業」が主役。理由は従属節。- ③ 重文(等位接続)
The deadline is tomorrow, so I’m working late tonight.
締め切りが明日なので残業する。
→ 2つの情報が対等。”so” が因果を示す。
【例B】 会議中 → メールに気づかなかった
- ① 単文(2文)
I was in a meeting. I didn’t see your email.
会議中でした。メールを見ませんでした。
→ 別々の事実。謝罪・説明の意図が伝わりにくい。- ② 複文(副詞節)
I didn’t see your email because I was in a meeting.
会議中だったのでメールを見られませんでした。
→「見られなかった」が主役、理由が従属節。- ③ 副詞節を前に(理由を前景化)
Since I was in a meeting, I‘m just seeing your email now.
会議があったので、ただいまメールを拝見しました。
→ sinceで理由を柔らかく前景化。
【例C】 バグを発見した → リリースを延期
- ① 単文(2文)
We found a bug. We postponed the release.
バグが見つかった。リリースを延期した。- ② 重文
We found a bug, so we postponed the release.
バグが見つかったのでリリースを延期した。- ③ 複文(名詞節で内容を示す)
We decided that we would postpone the release after finding a critical bug.
重大なバグを発見した後、リリースを延期することにした。
→ 意思決定(decided)が主役。
6. 方法③ 接続副詞で結ぶ(Conjunctive Adverbs)

接続副詞(however, therefore, nevertheless, meanwhile など)は、文と文をまたいで論理関係を示す副詞です。接続詞とは異なり、2つの文を文法的につなぐのではなく、前の文との意味的な関係を読み手に示す役割を持ちます。
📌 等位接続詞との違い
- 等位接続詞(but, so) → 1文の中で2つの節をつなぐ。カンマのみでOK。
I was tired, but I finished the report. - 接続副詞(however) → 別々の文をまたぐ。直前にピリオドまたはセミコロン。直後にカンマ。
I was tired. However, I finished the report.
I was tired; however, I finished the report.(セミコロンも可)
▶ 主要な接続副詞とその意味・使い方
| 接続副詞 | 意味 | 例文と訳 |
|---|---|---|
| however | 対比・逆接 | The plan looked good. However, there were some budget issues. 計画は良さそうだった。しかし、予算の問題があった。 |
| therefore | 結果・結論 | The survey results were unclear. Therefore, we need more data. 調査結果が不明確だった。そのため、さらにデータが必要だ。 |
| nevertheless / nonetheless | 逆接(強調) | The conditions were difficult. Nevertheless, the team delivered on time. 状況は厳しかった。それでも、チームは期限通りに納品した。 |
| meanwhile | 同時進行 | The design team is finishing the mockups. Meanwhile, the dev team is setting up the environment. デザインチームがモックアップを仕上げている。一方、開発チームは環境を構築している。 |
| furthermore / moreover | 追加・強調 | The new system is faster. Furthermore, it’s much easier to use. 新システムは速い。さらに、ずっと使いやすい。 |
| in addition | 追加(やや柔らかい) | She speaks English and Spanish. In addition, she is learning Mandarin. 彼女は英語とスペイン語を話す。それに加えて、中国語を学んでいる。 |
| as a result | 結果 | We improved our response time. As a result, customer satisfaction improved. 対応時間を改善した。その結果、顧客満足度が向上した。 |
| on the other hand | 対比・一方で | Working from home saves commuting time. On the other hand, it can be isolating. 在宅勤務は通勤時間を節約できる。一方、孤立感を生みやすい。 |
7. どの方法を選ぶか?─ 選択の基準

3つの方法(等位接続・従属接続・接続副詞)の使い分けは、「何を主役にしたいか」と「どんな文脈で話すか」によって決まります。
| 伝えたいこと | 選ぶ方法と例 |
|---|---|
| 2つの出来事を対等に並べたい | 等位接続 (and / but / so) I wrote the report, and she reviewed it. |
| 一方を主役に、他方を理由・条件として添えたい | 従属接続(副詞節) I stayed late because the deadline was the next day. |
| 特定の名詞を詳しく説明・限定したい | 従属接続(形容詞節) The colleague who handles the project is on leave. |
| 動詞の目的語や文の内容を節で表したい | 従属接続(名詞節) I know that the meeting was rescheduled. |
| 書き言葉で文と文の論理関係を明示したい | 接続副詞 (however / therefore …) The cost was high. However, the quality justified it. |
8. 実践練習

ここからは、学んだ3つの方法を実際に使う練習です。
練習1:文の構造を識別する
文の種類と接続方法を答えてください
- I finished the presentation, but I need to add a few more slides.
- The colleague who trained me last year has since been promoted.
- I’m not sure whether the client approved the proposal.
- We delayed the release because the testing wasn’t complete. The team, however, is ready to launch next week.
- Once you install the app, everything becomes much more convenient.
練習2:日本語の意図に合う文を選ぶ
- 「疲れていたが、最後まで会議に参加した」─ 「やり遂げた」ことを強調するには?
a. I was tired, and I stayed until the end.
b. Although I was tired, I stayed until the end.
c. I was tired. I stayed until the end. - 「報告書が承認されたとチームに知らせた」─ 内容(承認された)を正確に伝えるには?
a. I told the team and the report was approved.
b. I told the team that the report was approved.
c. The report was approved. I told the team. - 「私が使っているアプリは無料です」─「どのアプリか」を特定するには?
a. I use an app, and it’s free.
b. The app which I use is free.
c. I use an app. It’s free.
練習3:2文を指定の方法でつなぐ
- The internet was down. I couldn’t send the email.
→(副詞節 because を使って1文に) - She is fluent in English. She also speaks French.
→(接続副詞 in addition を使って) - This is the platform. We use it for all team communication.
→(形容詞節 that を使って) - Let me know something. Will the client attend the meeting?
→(whether を使った名詞節に) - The report is not ready yet. I’ll share what we have.
→(however を使って)
練習4:自由英作文 ─ 自分の状況で使う
次のテーマで、3文型(単文・複文・重文)それぞれを使って英文を書いてみましょう。語彙は自分の日常・職場のものを使ってください。
- テーマ1:最近、何か新しいことを始めた・試した
単文 → ___________________________________
複文 → ___________________________________
重文 → ___________________________________ - テーマ2:最近うまくいったこと・苦労したこと
単文 → ___________________________________
複文 → ___________________________________
重文 → ___________________________________
解答
練習1
- 重文(Compound)/ 等位接続詞 but
2つの独立節を but でつないでいる。「プレゼンを完成させた」と「スライドを追加する必要がある」が対等に並ぶ。 - 複文(Complex)/ 形容詞節
who trained me last year が先行詞 colleague を修飾する関係代名詞節(形容詞節)。 - 複文(Complex)/ 名詞節(whether節)
whether the client approved the proposal が動詞 sure の目的語として働く名詞節。 - 1文目:複文(副詞節 because)/ 2文目:接続副詞 however で対比
2文はそれぞれ独立。1文目はdelay の理由をbecause節で説明。2文目はhowever で「しかしながら」という対比を添える。 - 複文(Complex)/ 副詞節(once節)
once you install the app が「ある条件が満たされた後」を示す時の副詞節。副詞節を文頭に置き、理由・状況を前景化。
練習2
- b. Although I was tired, I stayed until the end.
「やり遂げた(stayed until the end)」が主節。「疲れていた(was tired)」は althoughで従属節に。
a は等位接続で対等、c は2文で関係が不明確。 - b. I told the team that the report was approved.
that節が told の目的語(名詞節)。「承認された」という具体的な内容を正確に埋め込める。a は文法的に不自然、c は2文で内容の結びつきが弱い。 - b. The app which I use is free.
which I use が先行詞 the app を特定する形容詞節。「私が(他のものではなく)使っているアプリ」という特定が明確になる。a と c は「どのアプリか」が曖昧。
練習3
- I couldn’t send the email because the internet was down.
「メールを送れなかった」が主役。理由(internet was down)を because で従属節に。副詞節を後ろに置くとカンマ不要。 - She is fluent in English. In addition, she also speaks French.
接続副詞は文頭に置き、直後にカンマ。前の文とピリオドで区切る。 - This is the platform that we use for all team communication.
that節が先行詞 the platform を特定する形容詞節。that は目的格なので省略も可。 - Let me know whether the client will attend the meeting.
whether節が動詞 know の目的語(名詞節)。Yes/Noの疑問内容を節で表す。 - The report is not ready yet. However, I’ll share what we have.
however で逆接・対比を示す。「それでも手元のものを共有する」という前向きな姿勢が伝わる。
まとめ

最後に、今回学んだ「文の組み立て方」のポイントを整理しましょう。
- 等位接続(FANBOYS):
2つの事実を対等に並べ、リズムを作る。 - 従属接続(3つの節):
一方を「主役(主節)」、もう一方を「脇役(従属節)」にして、メッセージの焦点を絞る。 - 接続副詞(however/therefore など):
文と文の間に「論理の標識」を立て、読み手を迷わせない。
最初は無理に1文にまとめようとせず、短い文(単文)で書いてから、「so でつなげるかな?」「because を使ったほうが理由がはっきりするかな?」と書き換える練習を積むのが、上達への近道です。
💡 学習アドバイス:まずは「主節」を決めよう!
複雑な文を作ろうとして混乱したときは、まず「一番伝えたい結論(主節)」を一つ決めることから始めてください。その後に、「なぜ?(副詞節)」「どんな?(形容詞節)」「何を?(名詞節)」という情報を付け足していくイメージです。
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