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中級者向け英文法:「動名詞・不定詞」完全攻略①|暗記不要】不定詞(to V)・動名詞(V-ing)・分詞を卒業する!英語話者の「心理スタンス」で理解する動詞の語法

英語学習者がぶつかる最大の壁!不定詞(to V)と動名詞(V-ing)の「感覚」を掴む

もしあなたが、

  • enjoy の後はなぜ -ing なのか、丸暗記している
  • remember to と remember -ing の意味の違いが説明できない
  • 動名詞や不定詞を自信を持って使いこなせない

と感じているなら、このページはあなたのためのものです。

多くの英語学習者が最も混乱し、文法力を停滞させている領域、それが不定詞(to V)動名詞(V-ing)、そして分詞の使い分けです。これらはただの文法ルールではなく、英語話者が「未来への意図」や「過去の経験」を表現するための思考回路そのもの。

本記事では、単なるルールブックの暗記を捨て去り、この三つが持つ根本的な「視点」と「心理的なスタンス」に焦点を当てます。特に、to V が持つ「未来志向(まだ実現していない)」の感覚を徹底的に掘り下げ、なぜそれが名詞、形容詞、副詞として機能するのかを論理的に解説します。

この章を読み終える頃には、あなたの文法力は飛躍的に向上し、複雑な英文のニュアンスを正確に読み取り、自信を持って洗練された英語を話せるようになっているでしょう。動詞の語法を暗記に頼らず、ロジックで理解する新しい学習法を今すぐ始めましょう!

目次

1 不定詞の3つの基本用法(名詞/形容詞/副詞)

不定詞とは何か:品詞の基礎から理解する

不定詞(infinitive)を理解するためには、まず品詞の概念を明確にする必要があります。不定詞の用法を学習する前に、英語の品詞について復習しておきましょう。

英語の単語は8つの主要品詞に分類されます。

品詞役割
名詞人・物・事柄を指すcat, love, happiness
動詞動作・状態を表すrun, be, think
形容詞名詞を修飾するbeautiful, tall, quick
副詞動詞・形容詞・副詞を修飾するquickly, very, usually
前置詞単語と単語の関係を示すin, on, at, for
接続詞句・節をつなぐand, but, because
冠詞名詞の特定・不特定を示すthe, a, an
代名詞名詞の代わりになるhe, she, it, this, that

ここで重要なのは、不定詞は品詞ではなく、「形」です不定詞「to + 動詞の原形」という形をしていますが、文の中では名詞として、形容詞として、または副詞として機能します。

To swim is fun.

To swim」=名詞

泳ぐこと = 1つの「事柄」として機能

I want to swim.

to swim」=名詞

泳ぐこと = want の目的語

I have no time to swim.

to swim」=形容詞

time (名詞)を修飾:形容詞として機能

I study to improve my English.

to improve」=副詞

study (動詞)の目的を説明:副詞として機能

不定詞が「to + 動詞の原形」である理由

なぜ英語では「to swim」という形になるのでしょうか。これを理解することが、不定詞の本質を掴むカギです。

to」は本来「方向・目標」を示す前置詞です。例えば:

  • I’m going to the station.(駅へ行く)
  • I’m looking forward to the weekend.(週末を楽しみにしている)

不定詞の「to」も同じく、「方向性・目標・未来」を示しています。

  • To swim = 泳ぐという方向へ向かう、つまり「これから泳もうとする状態」

これが不定詞の核心的な特徴です:不定詞は「未来志向」を内包しているのです。

一方、動詞の原形「swim」は、動作そのものを中立的に表します。しかし「to swim」という形になった時点で、「実現されていない、これからの行動」というニュアンスが加わるわけです。

1.1 不定詞の名詞的用法:~すること

名詞的用法とは

不定詞が名詞と同じ働きをするのが名詞的用法です。名詞は文の中で以下の位置に現れます:

  • 主語位置(文頭)
  • 目的語位置(動詞の直後)
  • 補語位置(be動詞の直後)

不定詞も、これらの位置に現れることができます。

パターン1:主語として使う

基本構造

To + 動詞の原形 + … = ~することは

To + V(動詞の原形) = 主語

例文

To learn a new language is challenging.
(新しい言語を学ぶことは難しい。)
To work from home has become common for many people.
(在宅勤務することは多くの人にとって一般的になった。)
To meet deadlines under pressure requires good planning.
(プレッシャーの下で期限を守ることは、良い計画が必要だ。)

実践的な用例職場での会話

— What’s the biggest challenge in your job?
(あなたの仕事での最大の課題は何ですか?)
To balance work and family life is really difficult.
(仕事と家庭生活のバランスを取ることは本当に難しい。)

実践的な用例友人との会話

— I heard you’re moving to a new apartment.
 (新しいアパートへ引っ越すんだって?)
— Yeah, to find a good place in this area was really hard.
(そう、この地域で良い物件を見つけることは本当に大変だった。)

文体の補足:主語としての to V は「やや形式的」

To V (動詞)を主語にすると、やや形式的または書き言葉的になります。より自然な日常会話では、動名詞(V-ing)を使うことが多いです。

To learn a new language is challenging.
Learning a new language is challenging.

To work from home has become common.
Working from home has become common.

この違いについては、後の動名詞の章で詳しく解説しますが、ここでは「to V は形式的、V-ing はより自然」という感覚を持っておくと良いでしょう。

パターン2:目的語として使う(最も頻出)

基本構造

動詞 + to + 動詞の原形 + …

V1 + to V2 = 動詞の直後に目的語として

これは最も頻繁に現れる不定詞の用法です。

例文

I want to travel to Japan.
(私は日本に旅行することをしたいです。)
She decided to quit her job.
(彼女は仕事を辞めることを決めた。)
We hope to finish the project by Friday.
(私たちは金曜日までにプロジェクトを完了することをしたいです。)
They plan to buy a house next year.
(彼らは来年家を買うことを予定している。)
I need to talk to my manager about this.
(これについてマネージャーと話すことを必要としている。)
My son forgot to take his lunch to school.
(私の息子は弁当を学校に持って行く事を忘れた。)

実践的な用例職場での会話

Do you have a minute? I’d like to discuss the new budget.
(時間ありますか?新しい予算について議論したいのですが。)
— Sure. What do you need to know?
(いいですよ。何について知りたいですか?)
— I need to understand the allocation for the marketing department.
(マーケティング部門の予算配分を理解する必要があります。)

実践的な用例友人・家族との会話

— Are you planning to watch the game tonight?
(今夜のゲーム、見るつもり?)
— Yeah, I can’t wait to see how the new team plays.
(うん、新しいチームがどう戦うか見るのが楽しみだ。)
— My parents want to invite your family over for dinner next weekend.
(両親が来週末に夕食にあなたの家族を招待したいと言っています。)

実践的な用例日常的なシーン

朝、子どもに:

Don’t forget to brush your teeth before school.
(学校に行く前に歯を磨くのを忘れずに。)
Remember to pick up milk on the way home.
(帰りに牛乳を買うのを忘れずに。)

メールで:

I’m writing to confirm our meeting on Thursday at 2 PM.
(木曜日の午後2時の会議を確認するため、書いています。)
I wanted to apologize for missing your birthday party last week.
(先週の誕生日パーティーを欠席したことを謝罪したいのです。)

パターン3:補語として使う(主語と同じ内容を説明)

基本構造

主語 + be動詞 + to + 動詞の原形 + …

主語 + is/was/etc. + to V = 補語位置

補語は、be動詞等の後ろで主語の状態や内容を説明する役割を果たします。

例文

My dream is to become a successful entrepreneur.
(私の夢は成功した起業家になることだ。)
The best way to learn English is to practice every day.
(英語を学ぶ最良の方法は毎日練習することだ。)
Her goal is to help underprivileged children.
(彼女の目標は恵まれていない子どもたちを助けることだ。)
The problem is to find enough qualified staff.
(問題は十分な資格のあるスタッフを見つけることだ。)

実践的な用例職場での会話

— What’s your priority this quarter?
(今四半期の優先事項は何ですか?)
— My priority is to improve customer satisfaction scores.
(私の優先事項はカスタマー満足度スコアを向上させることです。)

実践的な用例家族との会話

— What do you want to do with your life?
(人生で何をしたいですか?)
— My dream is to open my own restaurant someday.
(いつか自分のレストランをオープンすることが夢だ。)

名詞的用法における「to V」の特徴:未来志向

名詞的用法においても、不定詞の根本的な特徴未来志向です。つまり、まだ実現していない行動や状態を示しています。

未来志向の証拠

I want to travel to Japan.
→ 現時点では日本に行っていない。これからの行動を指す。
She decided to quit her job.
→ 決定は済んだが、実際に辞めるのはこれからかもしれない
My goal is to become a doctor.
→ 現時点では医者ではない。将来なることを目指している。

対比として、既に実現している行動を説明する場合は、動名詞(V-ing)が使われます。詳しくは次章で説明しますが、ここでは以下の対比を見てください。

I want to meet the new clients.
(まだ会っていない新しいクライアントに会いたい。未実現)

I enjoy meeting new clients.
(新しいクライアントに会うことを楽しんでいる。既に経験している、または習慣的

1.2 不定詞の形容詞的用法:~するための/~すべき

不定詞の形容詞的用法とは?

不定詞形容詞のように 名詞を説明(修飾) する使い方です。
まずは「形容詞が名詞を説明する」感覚を確認します。

形容詞が名詞を説明する例

a red apple
形容詞 red名詞 apple の「色」を説明

a difficult task
形容詞 difficult名詞 task の「性質」を説明

不定詞が名詞を説明する例(形容詞的用法)

a book to read
不定詞 to read 名詞 book を説明
 → 「読むための本」=どんな本かを説明

不定詞は 名詞の直後 に置かれ、その名詞を説明します。

基本構造

名詞 + to + 動詞の原形
= 不定詞の形容詞的用法

名詞に対して
・「どんなものか」
・「何の目的か」

を説明する働きがあります。

パターン1:基本的な修飾関係

例文

I have a lot of work to do.(私はやるべき仕事がたくさんある。)
→  work to do = どんな仕事?→ することが必要な仕事
Do you have any plans to attend the conference?(その会議に出席する予定はありますか?)
→  plans to attend = どんな計画?→ 出席することに関する計画
Here’s the report to submit tomorrow.(これが明日提出すべきレポートです。)
→  report to submit = どんなレポート?→ 提出することが必要なレポート
She’s looking for a place to live.(彼女は住む場所を探しています。)
→  place to live = どんな場所?→ 住むことが可能な場所

実践的な用例:職場での会話

— I have several emails to answer before the meeting.
(会議前に回答すべきメールがいくつかあります。)
— Do you have time to complete them?
(それらを完成させる時間はありますか?)
— We need to find someone to take over the project.
(そのプロジェクトを引き継ぐ人を見つける必要があります。)
— Are there any tasks to prioritize today?
(今日優先すべきタスクはありますか?)

実践的な用例:日常会話

— I’m looking for a restaurant to try this weekend.
(週末に試すレストランを探しています。)
— I have a book to recommend to you.
(あなたにお勧めする本があります。)
— He’s the perfect person to help you with this project.
(彼はこのプロジェクトを手伝うのに完璧な人です。)

パターン2:the first / the best / the only + to V(定番表現)

非常に頻出する特殊なパターンがあります。最上級表現(the first, the best, the only など)と組み合わせて使う形です。

基本構造

the + 最上級(first, best, worst, last, only など)+ 名詞 + to V

または

the + 最上級 + to V

例文

She was the first to arrive at the office.
(彼女は会社に到着した最初の人だった。)
He’s the best person to handle this situation.
(彼はこの状況に対処するのに最適な人です。)
This is the only solution to solve the problem.
(これは問題を解決する唯一の解決策です。)
It was the last chance to make a good impression.
(それは良い印象を与える最後のチャンスだった。)
She’s the worst person to trust with secrets.
(彼女は秘密を信頼するのに最悪の人です。)
He was one of the first to recognize the potential of the new technology.
(彼は新しい技術の可能性を認識した最初の人の一人だった。)

実践的な用例:職場での会話

— Who should we hire for this position?
(このポジションには誰を雇うべきでしょうか?)
— John is definitely the best person to take on this role.
(ジョンは間違いなくこの役割を担うのに最適な人です。)

— Was anyone able to meet the deadline?
(期限に間に合った人はいますか?)
— Sarah was the only one to complete the project on time.
(サラは唯一、時間通りにプロジェクトを完成させた人です。)

実践的な用例:日常会話

— Who won the marathon?
(マラソンで誰が勝ちましたか?)
— My brother was the first to cross the finish line!
(兄がゴールラインを最初に越えました!)

— This restaurant is the best place to enjoy authentic Japanese cuisine.
(このレストランは本物の日本料理を楽しむのに最高の場所です。)
— You’re the only one to understand how I feel.
(私がどう感じているか理解できるのはあなただけです。)

形容詞的用法における「目的」のニュアンス

形容詞的用法では、不定詞が示す意味に「目的」のニュアンスが含まれることが多いです。

work to do
→  「やるべき仕事」「やることが必要な仕事」= 仕事をすることが目的

place to live
→  「住むための場所」「住むことができる場所」= 住むことが目的

I have a book to recommend.
 「勧めるべき本」「勧めることが目的の本」

1.3 不定詞の副詞的用法:目的/理由/結果

副詞的用法とは

不定詞が副詞と同じ働きをするのが副詞的用法です。副詞は主に動詞を修飾し、「どのように」「なぜ」「いつ」といった情報を加えます。

He runs quickly.
quickly副詞 (どのように走るのか?)

She studies hard.
hard副詞  (どのように勉強するのか?)

I came here to meet you.
to meet不定詞の副詞的用法  (なぜここに来たのか?)

副詞的用法の不定詞は、文の中で動詞を修飾し、その動作の「目的」「理由」「結果」を説明します。

パターン1:目的(~するために)

最も頻出の用法は、目的を表すことです。「~するために」という意味で使われます。

基本構造

動詞 + to + 動詞の原形 + …

V1 + to V2 = V1はなぜ?→ V2するため

または、より明示的に「in order to」を使うこともできます。

V + in order to + V = ~するために

例文

I’m studying hard to pass the exam.
(試験に合格するために、熱心に勉強しています。)
She called the office to confirm the appointment.
(予約を確認するために、オフィスに電話した。)
We woke up early to catch the sunrise.
(日の出を見るために、早起きした。)
They’re saving money to buy a house.
(家を買うために、お金を貯めている。)
He learned English to communicate with his international clients.
(国際的なクライアントとコミュニケーションするために、英語を学んだ。)
I’m taking this job to gain more experience.
(より多くの経験を得るために、この仕事を引き受けています。)

in order to との違い

I study to improve my skills.
(スキルを向上させるために勉強する。)

I study in order to improve my skills.
(スキルを向上させるため、勉強する。)

意味はほぼ同じですが、「in order to」の方がより形式的で、強調的です。日常会話では、to だけで十分です。

実践的な用例:職場での会話

— Why are you taking this certification course?
(なぜこの認定コースを受けているのですか?)
— I’m taking it to advance my career in IT.
(IT分野でキャリアを進めるため、受けています。)

— We’re scheduling a team meeting to discuss the new strategy.
(新しい戦略について議論するため、チームミーティングをスケジュール中です。)
— I sent you that article to help you understand the market better.
(市場をよりよく理解するのに役立つように、その記事を送りました。)

実践的な用例:日常会話

— Why did you move to Tokyo?
(なぜ東京に引っ越したのですか?)
— I moved here to pursue my dream of working in an advertising agency.
(広告代理店で働くという夢を追求するため、ここに移りました。)

— I’ll pick you up at the station to save you time.
(あなたの時間を節約するために、駅に迎えに行きます。)
— My parents are learning Spanish to communicate with their new neighbors.
(新しい隣人とコミュニケーションするために、両親はスペイン語を学んでいます。)

実践的な用例:メールやテキスト

Hi, I’m sending this reminder to make sure you don’t forget about tomorrow’s deadline.
(明日の期限を忘れないように、この通知を送っています。)

I called to check if you’re still available for lunch on Thursday.
(木曜日のランチの時間がまだ大丈夫か確認するため、電話しました。)

パターン2:理由(なぜそのような状態にあるのか)

感情や状態の「原因」を説明する用法です。これは目的とやや異なります。

基本構造

形容詞 + to + 動詞の原形

I’m happy to hear that.
= 聞いてうれしい理由は?→ そのニュースを聞いたから

I’m sorry to keep you waiting.
= 申し訳ないという理由は?→ あなたを待たせているから

例文

I was surprised to see him at the party.
(パーティーで彼を見て驚いた。)
I’m glad to finally meet you in person.
(ついにあなたに直接会えてうれしい。)
She seemed disappointed to hear about the cancellation.
(キャンセルについて聞いて、彼女はがっかりしているようだった。)
I’m excited to start my new job next week.
(来週新しい仕事を始めるのが楽しみだ。)
We’re sorry to inform you that the meeting is postponed.
(会議が延期されたことをお知らせして申し訳ございません。)
I felt honored to be invited to speak at the conference.
(学会で話すように招待されて光栄に感じました。)

実践的な用例:職場での会話

— I’m thrilled to announce that you’ve been promoted!
(あなたが昇進したことを発表できて興奮しています!)
— We’re happy to provide this opportunity for professional development.
(プロフェッショナル開発のためにこの機会を提供できてうれしいです。)
— I’m sorry to hear about your family situation. Let me know if you need any support.
(あなたの家族の状況を聞いて申し訳ありません。サポートが必要なら知らせてください。)
— We’re very grateful to have such a dedicated team.
(こんなに献身的なチームを持つことができて感謝しています。)

実践的な用例:日常会話

— How was your interview?
(面接はどうでしたか?)
— I was nervous to speak in front of three executives, but it went well.
(3人の経営者の前で話すのは緊張しましたが、うまくいきました。)

— I’m sorry to bother you, but could you help me move this box?
(邪魔してしまい申し訳ございませんが、この箱の移動を手伝ってもらえますか?)
— We’re delighted to have you join our team.
(あなたが私たちのチームに参加することになってうれしいです。)

感情表現 + to V の重要パターン

この用法は特定の感情表現と組み合わせることが多いです。

感情表現
be happy / glad / pleased + to VI’m happy to help.
be sorry + to VI’m sorry to hear that.
be surprised / shocked + to VI was surprised to see you.
be disappointed + to VI’m disappointed to hear the news.
be excited + to VI’m excited to travel to Japan.
be grateful / thankful + to VI’m grateful to have such good friends.
be lucky + to VI was lucky to win the lottery.
be proud + to VI’m proud to be part of this company.

パターン3:結果(~となった、~に至った)

不定詞で「結果」を表すこともあります。これは「最終的にそのような状態になった」という意味で、特に人の成長や変化を示すときに使われます。

基本構造

主語 + 動詞 + to + 動詞の原形

He grew up to become a doctor.
= 彼は育つ過程を経て、結果的に医者になった

例文

He grew up to become a successful businessman.
(彼は育つにつれ、結果的に成功した実業家になった。)
She went on to become the CEO of the company.
(彼女はその後、会社のCEOになった。)
The project turned out to be more complicated than expected.
(プロジェクトは予想以上に複雑になってしまった。)
This experience proved to be invaluable for my career.
(この経験はキャリアにとって貴重であることが判明した。)
The weather changed to become much colder overnight.
(天気は一晩で大幅に寒くなった。)
He started as an intern and eventually came to be a senior manager.
(彼はインターンから始まり、最終的にシニアマネージャーになった。)

実践的な用例:職場での会話

— Tell me about your career path.
(キャリアパスについて教えてください。)
— Well, I started as an assistant and gradually came to be a team leader.
(そうですね、私はアシスタントから始まり、徐々にチームリーダーになりました。)

— This challenge turned out to be a great opportunity for growth.
(この課題は実は成長の大きな機会になった。)

実践的な用例:日常会話

— My son grew up to be quite tall, just like his father!
(息子は結果的に父親のようにかなり背が高くなりました!)

— What happened to your old project?
(あなたの古いプロジェクトはどうなりましたか?)
— It proved to be too difficult to complete within the budget.
(予算内で完了させるには難しすぎることが判明した。)

— She started learning piano as a hobby and went on to become a professional musician.
(彼女は趣味としてピアノを習い始め、その後プロの音楽家になった。)

1.4 「不定詞=未来志向」の直感をつかむ

なぜ「決まっていない未来」は不定詞になるのか

不定詞の三つの用法(名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法)を見てきました。一見異なるように見えますが、すべてに共通する根本的な特徴があります。それが「未来志向」です。

不定詞がなぜ「未来志向」を持つのかを理解するために、以下の図を参考にしてください。

不定詞の時間軸的理解

● 不定詞(to V):まだ実現していないこと(未来)

現在 未来 |———————-→ | 実現していない (to V)

● 動名詞(V-ing):すでに経験していること(過去~現在)

過去 現在 未来 |———–|——————→ | すでに経験 (V-ing)

不定詞(to V)は、話者にとって「実現していない」「これからの」という心理状態を示します。一方、動名詞(V-ing)「すでに経験している」「事実である」という状態を示します。

具体例で理解する

To travel to Japan is my dream.
(日本に旅行することは私の夢だ。)→ まだ実現していないこれからのこと

Traveling to Japan was incredible.
(日本への旅行は素晴らしかった。)→ すでに経験した事実

I want to buy a house.
(家を買いたい。)→ これからのこと

I enjoy buying things.
(物を買うことが好きです。)→ すでに経験している、習慣的なこと

不定詞と動名詞の対比表

to V(不定詞)vs. V-ing(動名詞)の本質的な違い

特徴不定詞(to V動名詞(V-ing
時間軸未来志向過去・現在・習慣
実現状況まだ実現していないすでに経験している
心理状態意志・目的・希望事実・経験・習慣
用法例want to, hope to, plan toenjoy, avoid, finish
主語での使用やや形式的より自然

対比例文:同じ動詞を使った場合

I love to cook Italian food.
= イタリア料理を作ることが好きだ。
まさにこれからそうしよう、という気持ちを含む。やや形式的または古風)
I love cooking Italian food.
= イタリア料理を作ることが好きだ。
現在習慣的にそうしている、すでに経験している。より自然)

どちらも日本語では「好きだ」ですが、英語の心理的スタンスが異なります。

さらに詳しい対比

I want to learn Japanese.
= 日本語を学びたい。
→ 「これから学ぶ」という未来志向。実際にはまだ学んでいないか、学び始めたばかり。
I’m interested in learning Japanese.
= 日本語を学ぶことに興味がある。
→ 「学ぶという行為自体」に焦点が当たっている。習慣的または一般的

I started to play tennis.
= テニスを始めた。(その時点に焦点)
→ 「始める」という瞬間。これからテニスをする予定が生まれた。
I started playing tennis.
= テニスをし始めた。(行為そのもの)
→ 「テニスをする行為」自体が始まった。既に始まっている状態。

実践的な用例職場での会話

— I want to improve my English skills.
(英語のスキルを向上させたい。)
→ これからの目標。まだ改善途上。

— I’m interested in improving my English skills.
(英語のスキル向上に興味がある。)
→ 改善プロセスそのものに関心がある。もしかしたらすでに取り組んでいるかも。

実践的な用例友人との会話

— I’m planning to travel to Europe next summer.
(来年の夏、ヨーロッパに旅行する予定です。)
→ まだ確定していない、これからの計画。未来志向。

— I’ve been thinking about traveling to Europe.
(ヨーロッパへの旅行について考えています。)
→ 旅行という経験自体を思案中。すでに検討プロセスが始まっている。

実践的な用例:親子の日常シーン

Parent: Did you remember to do your homework?
(宿題をするのを忘れずにしましたか?)
→ 「宿題をすること」をこれからすべきこととして指摘。

Child: I’m finished doing my homework.
(宿題をすることは終わりました。)
→ 宿題をするという行為がすでに完了した。

練習問題

Q1:次の文の空欄に入る正しい語を選びなさい。

  1. (   ) a new language is challenging.
    a. Learning
    b. To learn
    c. Learned
  2. I want (   ) a house next year.
    a. buying
    b. to buy
    c. buy
  3. My dream is (   ) a professional designer.
    a. becoming
    b. become
    c. to become

Q2:次の日本語を自然な英語にしなさい。(to V を使う)

  1. 私にはやるべき仕事がたくさんあります。
  2. 彼女は住む場所を探している。
  3. これはあなたに推薦する本です。

Q3:次の文で不定詞が目的・理由・結果のどれに分類されるか答えよ。

  1. He woke up early to catch the first train.
  2. I’m happy to hear the good news.
  3. She grew up to become a doctor.

Q4:次の文の空欄を to V と V-ing のどちらで完成させるか選びなさい。

  1. I enjoy (   ) new people.
  2. I plan (   ) abroad next summer.
  3. I’m interested in (   ) Spanish.

Q5:次の文を to V を使う文に書き換えなさい。

  1. She is excited that she will start her new job next week.
  2. He called the office because he wanted to confirm the schedule.
  3. This challenge became a great opportunity for growth.

解答

  1. b. To learn
  2. b. to buy
  3. c. to become
  • 不定詞の名詞的用法は 「~すること」 の意味を持ち、
    主語位置・目的語位置・補語位置 に入る。英語学習者がぶつかる最大の壁
  • (1) は主語なので to V が自然。
  • (2) want の目的語は to V
  • (3) be動詞の補語も to V
  1. I have a lot of work to do.
  2. She is looking for a place to live.
  3. This is a book to recommend to you.
  • 名詞 + to V=「~するための」「~すべき」
    (名詞を説明=形容詞的用法)英語学習者がぶつかる最大の壁
  • work to do, place to live は定番表現。
  1. 目的:~するために
  2. 理由:~して(だから)
  3. 結果:その結果~になった
  • 目的(to V)= なぜその動作をするのか
  • 理由(感情 + to V)=その感情の原因
  • 結果(V + to V)=最終的にどうなったか
  1. meeting
  2. to study
  3. learning
  • enjoy → V-ing(経験、習慣)
  • plan / want / hope → to V(未来志向・未実現)
  • be interested in → V-ing(行為そのものに関心)
  1. She is excited to start her new job next week.
  2. He called the office to confirm the schedule.
  3. This challenge turned out to be a great opportunity for growth.
  • 感情 + to V=理由
  • 動作 + to V=目的
  • 動詞 + to V=結果(turn out to V)

まとめ

不定詞の学習を終えて:文法力を「知識」から「感覚」へ昇華させる

本章では、不定詞(to V)の三つの基本用法(名詞的・形容詞的・副詞的)を、その核心である「未来志向」という共通の心理的スタンスから深く理解しました。to が元来持つ「方向・目標」を示す機能が、「これから起こること」「まだ未実現の目標」というニュアンスに結びついていることが、不定詞の本質なのです。

不定詞の核心to V の持つ意味
名詞的用法「〜すること」(これからの行為)
形容詞的用法「〜すべき」(これからなすべきこと)
副詞的用法「〜するため」(未来の目的)

この「未来志向」という一本の軸を理解したことで、あなたはもう無意味な暗記に頼る必要はありません。

🌟 今後の学習アドバイス:不定詞・動名詞マスターへの道

動名詞と不定詞を完璧に使いこなすために、以下の学習アドバイスを実践しましょう。

1. 概念的な対比を徹底する

動名詞(V-ing)の章に進む前に、「不定詞=未来志向」と「動名詞=経験・事実」という二つの軸を頭に焼き付けてください。

  • 意識的な行動: I decided to buy a new computer.(これから買うという未来の行為を決心
  • 無意識的な経験: I finished writing the report.(レポートを書くという行為を完了

この対比を意識して例文を読み込む練習をしましょう。

2. 多読で「感覚」を養う

文法書を読むだけでなく、実際の英文の中で不定詞や動名詞の用法がどのように使われているかをチェックしてください。英文を読むたびに、「なぜここでは to V なのだろう?」「なぜ -ing なのだろう?」と自問自答する習慣をつけましょう。大量のインプットを通して、英語話者の感覚を無意識レベルで身につけることができます。

3. 瞬間英作文でアウトプットを鍛える

学んだルールをアウトプットで定着させます。「〜したい」「〜する予定だ」という日本語を瞬間的不定詞(例:I want to…)を使って表現し、「〜することを楽しむ」「〜することを避ける」という日本語を動名詞(例:I enjoy…ing)を使って表現するトレーニングを積んでください。

次章では、不定詞と対をなす動名詞(V-ing)の核心、そしてremember や stop のように意味が変わる動詞の使い分けについて、さらに深掘りしていきます。

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