「外国語を身につけるには、その国に行って生活するのが最適の方法だ!」などとよく言われています。まさにその通りです。高校3年間+大学4年間=合計7年間も留学できたらいいですよね! それが可能な方は是非行ってください。素晴らしい世界が開けてくると思います。
残念ながら、それは全ての英語学習者に可能な方法ではありません。私も行けませんでした。それでも、留学も海外生活もせずに日本で勉強した結果、英語・英会話講師を経て、講師トレーナー、管理者として数千人以上の外国人講師と日本人講師に「英会話の教え方」を指導してきました。
自分自身の学習経験、講師として初心者から上級者まで担当し学習者の悩みや喜びを共有し、また指導した講師達の実例に基づいて、日本で英語を学ぶ方法を伝えていきたいと思います。目的やレベルごとに学習方法が変わってきますので、ここでは「留学や仕事で使うために本格的に学びたい!」と言う方、「でもまだ初心者で難しいことは分からない」と言う方に、将来に向けて初心者の時点で学ぶべきポイントをお伝えします。
1. 初心者の学習方法 ② - 留学や仕事で使うために本格的に学びたい場合
これまで初心者の学習方法として、「旅行」や「趣味」目的の方向けに、「あまり努力をせずにコミュニケーションの手段として英語を役立てる」ための学習方法を説明してきました。
語学学習は、どうしても時間と労力が必要となり、「旅行」や「趣味」目的の方達には、重荷に感じてしまう傾向があるからです。なので、「文法は勉強する必要はない」とか「センテンスで話す必要はない」と説明してきました。
ただし、もしあなたが、「将来的に留学や仕事で使えるように本格的に学びたい」と考えている場合は、その方法が全く変わってきます。と言うのも、「基礎が一番大切」だからです。しっかりとした「基礎」が無いと、その後の英語学習に大きな悪影響を及ぼします。
始めにお伝えしますが、決して楽しいばかりではないかもしれません。最初に説明したように、「英語」と「英会話」は別物ではありません。「将来的に留学や仕事で使えるように本格的に学びたい」と考えている方は、「英語の総合力を伸ばす」と考えてください。
1)中学校1年~3年のテキストをマスターする
なぜ中学校のテキストなのか?
英語学習に関してよく言われる事の中に、「中学英語をマスターすれば英語は話せるようになる」と言う表現があります。ちょっと誤解を与える表現なので、こう言い換えた方がいいでしょう。「英語を話せるようになるには、中学英語をマスターする必要がある。」
まだ誤解を与えてしまう可能性があるかも知れません。この表現を聞いて、「ひたすら中学校の教科書をノートに書いて丸暗記する」みたいな行動に走ってしまうと、思うような結果が得られないかも知れません。
「中学英語をマスターする」と言うのは、必ずしも「中学校の英語教科書を丸暗記する」と言う事ではないのです。(ただし「中学校の英語教科書を丸暗記する」と言う勉強法は無駄ではありません。)「中学英語をマスターする」と言うことは、「中学校で学ぶ基本文型、単語、熟語、表現、文法などを身につける」と言う意味です。
「中学校で学ぶ基本文型、単語、熟語、表現、文法などを身につける」と言うことが出来れば、中学校の教科書である必要はありません。このサイト内での「初心者、中級者、上級者」の定義を書いた部分で、それぞれの文法レベル、語彙レベルは簡単に説明しました。初心者、中級者が使えるべき文法事項や語彙力を身につけると言うことです。
もし中学校時代の英語の教科書にあまりいい思い出がなければ、他のテキストでも構いません。要するに中学校レベルの基本的なテキスト、それも文法、語彙・表現など、幅広くバランスの取れているテキストであれば何でも構いません。ただし、もし中学校の英語の教書に抵抗がないのであれば、教科書を使ってみてください。やはり非常にバランスの取れた良いテキストですので。
では、中学校のテキストをどのように使って勉強するのか?
非常にシンプルな方法です。まず音読してください。可能であれば音声教材も活用してください。教科書準拠のCDなどが販売されているはずです。音声教材があればこんな順番を試してみてください。
教科書を閉じて音声を聞く
まず、文字を見る前に「音から」入ります。
教科書を目で追いながら音声を聞く
文字を見て、視覚と聴覚を一致させます。
教科書を閉じて音声を聞く
一度目で文字を見て安心出来たと思いますので、音に集中してください。
(時間に余裕があれば)センテンスごとに止めてノートに書き留めてみてください。
出来れば、書き取ってみてください。どのくらい正確に聞き取れているか確認できます。
教科書を見ながら、センテンスごとに止めてリピートする
焦る必要ありません。ゆっくりと正確にリピートしてみてください。
教科書を閉じて、センテンスごとに止めてリピートする
文字を見ずに、音に集中して正確にリピートしてください。
教科書を閉じて音声を聞く
この段階で、確実に聞き取れるようになっているはずです。聞きながら、意味が頭の中でイメージできれば完璧です。
英語が苦手だと思っている人も、おそらく中学校1年生の教科書であれば、それほど難しく感じないでしょう。人によって、2年生の教科書に入る頃から難しく感じ始め、3年生のテキストになるとかなり難しく感じるかも知れません。わからなくなってしまっても、あまり気にせず、先ほどの7つのステップを繰り返してください。
語学学習で非常に大切なことは、「100%の習熟度を求めない」と言うことです。今分からなくても、そのうち分かるようになります。非常に無責任な言葉に聞こえるかも知れませんが、語学学習ってそう言うものです。
例えば、「数えられる名詞」「数えられない名詞」、「単数、複数」、「定冠詞と不定冠詞」とか、中学校1年生の教科書から出てきます。よく分からないかも知れません。これらは、日本語にないコンセプトなので、あまりピンとこないからです。中学校の教科書に全てが詰まっているとは言え、まだまだ絶対数・絶対量、サンプル数、が足らないのです。
もし知っている単語数が50語とか100語と言うレベルであれば、「数えられる名詞」「数えられない名詞」に関して、その違いを理解するのが、あるいは体感するのが難しいでしょう。それが、学習を続けるうちに、知っている単語数が3000語とか5000語くらいのレベルになると、数多くの「数えられる名詞」「数えられない名詞」に出会ってきているので、サンプル数が増え、自然と「数えられる名詞」「数えられない名詞」の違いが理解できるようになるのです。
なので、「なんかよく分からないなぁ」と思っても、あまり気にせずに先へ先へと学習を続けてください。数ヶ月経つ頃には、以前分からんかった事が、「なんであんなにむずかしく感じたんだろう」と思えるようになります。
中学校の教科書は、「英語を話せるようになるには、中学英語をマスターする必要がある。」と言う非常に大切なものなので、粘り強く、最後まで続けてみてください。わからない事があっても気にしない、気にしない。気にせず、「先へ、先へ」と進めていってください。
2)中学校1年~3年の文法問題集を反復練習する
なぜ文法問題集なのか?
「中学1年~3年の英語教科書を徹底的に学び倒す!」練習と同時進行で「中学1年~3年の文法問題集を反復練習する」事を実践してみてください。「中学1年~3年の英語教科書を徹底的に学び倒す!」事は、主に①語彙力を強化する、②色々な文型が文脈の中で使われている例に出会う、と言う事が主な効果になります。
それに対して、「中学1年~3年の文法問題集を反復練習する」は個々の文法事項や文型を個別に練習していきます。例えば、文法問題集の場合、過去形なら過去形、比較級なら比較級、関係代名詞なら関係代名詞だけを一つのユニットで練習します。
「中学1年~3年の英語教科書を徹底的に学び倒す!」場合は、(中学1年生の最初の部分は除き)、いろいろな文型や文法事項が一つの段落、ページに出てきます。ある程度の文脈のある中で文章を読んでいくので当然の事です。
文法問題集で個別に練習した、過去形や比較級を、リーダーの教科書(敢えて”リーダー”と言います)で、他の時制や文型とともに使われている例を学習する事で、過去形や比較級の「使われ方」を実感し、繰り返し出会うことで定着させていきます。
この「文法の練習」と「リーダーの学習」を並行する事で、総合的な英語力が上がっていきます。特に中学校の教科書(リーダー)と文法事項は、その後の英語学習に必要不可欠な「土台」を築き上げていくための非常に大切な要素なので、先を焦らずにじっくりと取り組んでください。
また、「文法の練習」と言っても、所謂「学校の定期テスト」のような物とは違ってきます。「ここでのレベル設定」で説明したように、コミュニケーションのための「使えるレベル」の文法力を身につける、と言う意味です。
簡単に言ってしまうと、「知識のための文法力」と「使えるレベルの文法力」の差は、①スピード、②(英語の語順で)様々な文法事項に意識を回せる、③文字に頼らない、の3つになります。
例えば、学校の定期テストで英語の問題を解く時、1問について何分時間を掛けられますか? 実は意外と時間が掛けられます。50分のテストで50問あったとしても、1問当たり1分掛けられます。1分がどのくらい長いか、スマホのタイマーでチェックしてみてください。驚くほど長い時間を掛けられます。
それに対して、英語でコミュニケーションを取っている時はどうかと言うと、1分などとてもじゃないけど掛けられません。
“What did you do yesterday?”
“……………”
この時間が1分間続いたらどうですか?
コミュニケーションとして成立しませんよね?
目安としては、中学校レベルの文法問題であれば、1問当たり2-3秒で答えられるように訓練していかないと、「使えるレベルの文法力」にはなりません。
スピードと共に大切なのは、「様々な文法事項に意識を回せる」と言う事です。例えば、過去形の章では過去形だけを練習します。最初は「過去形だけをしっかりと使えるようになる」と言うことで良いのですが、「使えるレベルの文法力」を身につけるためには、過去形以外の文法事項にも意識を回す事ができるようになる必要があります。
そのために「文法問題集」と「英語教科書」を併用するのですが、大体において「文法問題集」も「まとめテスト」のページのようなものが付いています。時々、この「まとめテスト」を端折る人がいるのですが、必ずしっかりと取り組んでください。いろいろな文法事項が混在した中で、1問当たり2-3秒で答えられるようになれば、もう大丈夫です。
また、「とりあえず、センテンスの最後まで一度読んでみて考える」と言う癖は早い段階で無くしましょう。「聞く」「話す」を中心とする英語コミュニケーション力を伸ばすための勉強方法としては、「英語の語順で意識を回す」と言うことが非常に大切です。問題集に書いてある文章を目で見ている限り、後戻りできますが、「聞く」「話す」を中心とする英語コミュニケーションの場では、後戻りできません。
最初のうちは時間がかかっても構いません。学校で学んだ「知識としての英文法」から「使えるレベルの文法力」へ進化させるためには、「意識を向けて」「考える」ための時間を短縮する訓練が必要になります。
当たり前ですが、会話と言うコミュニケーションスタイルでは、「音で聞いて、音で答える」と言う形になります。理想的には「文法問題集」の内容をそのまま、音声だけで練習できるのがベストです。
実際にはなかなかそう言う教材は無いし、初心者の時点では難しすぎると思います。ただし、「そのうち文字に頼らないでもできるようにならないといけない」と言う感覚を持ってください。この時点で有効な方法は、一度答え合わせした問題を音読する事です。詳しい練習方法は次のコーナーで書きます。
では、文法問題集を使ってどのように練習するのか?
特に時間の事は気にする必要ありません。ゆっくり考えながら、まず解いてみましょう。1章が長かったら、1ページとか2ページとか区切れの良いところまでで大丈夫です。この時、テキストには絶対に書き込まず、ノートや裏紙などに書いてみてください。答えは単語で書くのではなく、必ず「文全体」を最初から最後まで書くようにしてください。
忘れてしまっている文法事項があると思うので、思い出しながらゆっくりと進めてください。テストでは無いので、辞書を使っても、文法書で確認しても構いません。ここでは、「考える」と言う事が大切です。
区切れのいいところまで解けたら、解答を見て正解を確認してください。間違ったところも、偶然会ってた答えも、「なぜそうなったのか」を理解するようにしてください。ここでも必要に応じて辞書を使ったり、文法書を見ながら確認するようにしてみてください。
ここからが本番です。正解を確認し、「なぜそうなるのか」がなんとなく理解できたら、ひたすら反復練習です。タイマーをセットして、もう一度同じ問題をやってみましょう。1問2-3秒が目標です。例えば、50問あるのであれば、100秒~150秒を目標にします。
もし、「書く」事に時間が掛かってしまうのであれば、少し時間を伸ばしてみても構いません。その場合は、「休まずに/間を空けずに」書き続けられるようになるまで繰り返してみてください。しかしながら、単語で書くのではなく、必ず「文全体」を最初から最後まで書くようにしてください。
ほぼ間違えないようになってきたら、もう書く必要はありません。タイマーをセットして、1問2-3秒で答えられるようになるまで、声に出して言ってみましょう。やはり、単語で言うのではなく、必ず「文全体」を最初から最後まで言うようにしてください。
理想的には、友達や家族に聞いてもらって、正解かどうか確認しながら、時間内に終了できるかどうか、ゲーム感覚でやってみてください。ある程度、目標タイムに近づけたら、次のユニットに進んでください。
ある程度、目標タイムに近づけたら、次のユニットに進んで構わないのですが、時々逆戻りして復習してください。例えば次のような問題集であれあば、
- 第1章 現在形
- 第2章 過去形
- 第3章 未来形
- 第4章 比較級
第1章から第3章まで進んだら、もう一度第1章に戻る。
第4章まで進んだら、第2章まで戻る。
と言うような感じで復習しながら進んでください。きっと驚くほど忘れている事でしょう。それでも続けているうちに、「こんな簡単な事ができなかったのか?」と驚く時がやってきます。その時が来るまで、少しの辛抱なので頑張ってみてください。
この練習を続けていくと、「教科書」の練習や、この後に出てくる他の練習も徐々にやりやすくなってきます。総合的な英語力を多方向から伸ばす練習を続けていくと、ある日突然「突破口」が見えてきます。
また、この「文法の練習」も「教科書の練習」も100%を求めないようにしてください。ある程度できるようになったら、(50-60%くらいで十分です)、どんどん先に進んでください。「完全主義者」になることは、語学学習には大きな障害になります。今分からなくても、後になってわかる時が自然にやってきます。とにかく、「先へ先へ」と言う気持ちで、1章から2章、1年生から2年生へ、とどんどん先へ進んでください。
3)ラジオ講座を継続する
なぜラジオ講座なのか?
答えは単純明快。コスパが良いから。
- ①まずコンテンツが良い
-
「中学校の英語教科書」も「中学1年から3年の文法問題集」も英語総合力の基礎となる土台を築き上げると言う意味では非常に大切。ただし、どうしても「学校英語」の枠の中に入ってしまいます。
基本文法は築き上げないといけない。だから現在形のシンプルな文から始めないと先へ進めない。基本的に省略はせず、フルセンテンスが中心。語彙は、「大学入試」がゴールになり、ゴールに向かって積み上げていくので、アカデミックな語彙が中心となり、身の回りのこと、日常的な語彙は後回しになります。
その点、「NHKラジオ講座」は、日常的なコミュニケーションを目標にしています。ただし、「中学生の基礎英語」のシリーズは、学校教育を前提にしていて、中学生が視聴者であることも想定しています。なので、初心者にとって語彙と文型のバランスが非常に良い。「中学生の基礎英語レベル1」や「中学生の基礎英語レベル2」から始めて1回りしたら、「中高生の基礎英語 in English」を続けると良いでしょう。
- ②コスパが良い
-
そして、1ヶ月数百円のテキスト代だけで学習できます。英会話学校に通う、個人れっすを受ける、オンラインレッスンを受ける、など色々な学習方法はあリますが、1ヶ月数百円でバランスの良いレッスンを受けられる仕組みはあまり他にはないでしょう。
この場合のコスパは、金額だけでない、タイパも含みます。1回15分から20分のレッスンを週5回繰り返す。初心者が、他の学習を進めつつ、併用するにはその分量が丁度いい。無理なく続けられます。毎日決まった時間に放送を聴き、その前後で予習と復習を15分づつくらい継続できれば、1年間で驚くほど成長できます。特に、これまでに説明した、「中学校の英語教科書」も「中学1年から3年の文法問題集」を実施していれば、その成果は絶大です。ここまでしっかりとできれば、英語総合力を高めるための土台づくりはほとんど出来ています。
ではどのように学習するのか?
初心者の場合、余程のことがない限り、「中学生の基礎英語」から始めて下さい。日本人の場合、どうしても難しいテキストを選びがちになります。恐らく学校教育の影響で、「難しいものを必死に頑張って勉強しないと成果が出ない」と言う思い込みが刷り込まれてしまっているのでしょう。
他の分野はともかくとして、語学学習の場合、特に初心者が学習する場合は、「難しい教材を使って勉強しようとすることは、百害あって一利なし」、になります。難しい題材を使ってしまうと、
- 難しいので時間が掛かる
- 時間が掛かるので、同じ学習時間でも”学習量”が少なるなる
- 難しいので、日本語に頼り、日本語で理解する
- 日本語で理解した内容を日本語で記憶する
- 頭の中に英語が貯蓄されていかない
と言う結果に陥ってしまいます。
なので、まず「中学生の基礎英語レベル1」から始めてみて下さい。もしあまりに物足りなさを感じるのであれば、「中学生の基礎英語レベル1」と「中学生の基礎英語レベル2」を同時進行で学習すると良いでしょう。特別に難しいとは「感じないと思うので、(少なくとも最初の2-3ヶ月は)、予習は、「必要に応じてテキストを眺めてみる」くらいで十分です。テキストには日本語訳も日本語の説明もあるので、全く理解できないと言うことはないと思います。
ラジオ講座を学習する大きな目的の一つは、「英語の音に触れる」事です。「中学校の英語教科書」も「中学1年から3年の文法問題集」も、非常に大切な学習なのですが、どうしても「文字を通して英語を学ぶ」と言う形になってしまいます。
「英語でコミュニケーションを取る」ための英語力を身につけるためには、「音」の学習が大切です。とは言え、初心者の場合、何でもかんでも英語を聞けば良いと言う訳ではありません。音を聞いてある程度理解できるためには、文字で見てもわからないような「知らない単語」や「理解できないような文型」があまり出てこない題材で練習する必要があります。
そう言う意味で、「中学生の基礎英語レベル1・2」や「中高生の基礎英語in English」は最適です。それぞれ、中学校1年生、2年生の学校教育で出てくる、語彙や文型が中心になっているからです。テキスト代にプラスする形で費用が掛かってしまいますが、出来ればCDやダウンロード音声を購入して練習すると効果出来です。
そこまで費用をかけたくないのであれば、同じレッスンを再放送でもう一度聞く、でも良いですし、1回のレッスンを全集中で聴くと言うことでも大丈夫です。レッスン中は、出来るだけテキストを見ないで練習するようにしましょう。
予習はあまり時間をかける必要ないのですが、復習は毎回必ずしっかりと行いましょう。簡単な予習をして放送を聞けば、内容は理解できると思います。理解できたら、ひたすら音読です。音声教材があれば、1センテンスずつ、ポーズしながら、リピートしていきます。最初の数回は、出来るだけCDなどの音を真似てみましょう。最初の2-3回だけで大丈夫です。と言うのも、過度に発音のことばかり気にする必要はないからです。音声教材が無ければ、1センテンスずつ、音読していけばOKです。
最初の2-3回は発音に気をつけて音読するのですが、その後は文の意味をイメージしながら音読して下さい。繰り返し音読していくと、どこかの時点で発声すると同時に頭の中で文の意味がイメージ出来る様になります。頭の中のスピードが発生に追いついてくる感覚です。まず、この段階まで音読を続けましょう。最初のうちは、この段階到達するまで時間もリピート回数も必要になりますが、練習を続けるに従って、徐々に短くなっていきます。
ラジオ講座の良いところは、1レッスンの長さが短い事です。この、「発声すると同時に頭の中で文の意味がイメージ出来る様になる」まで練習しても、慣れてくれば15分も掛ければ十分でしょう。
- 数分間予習する
- 15分(20分)放送を聴く
- 15分復習する
このサイクルを1年間続けられれば、大きな成果が得られます。
注意点は、「文法を気にしない」と言う事です。「コミュニケーションに必要な日常的な表現を覚えていく」と言うことが第一目標なので、「耳で聞いて円覚えする」くらいの感覚で大丈夫です。
前にも書きましたが、「今分からなくても、しばらくすれば自然に分かるようなる」と言うのが、語学学習の不思議なところでもあり、面白いところです。100%を求めずに、「なんとなく分かればOK」と言う気持ちで続けてみて下さい。
大切なことは、「耳で聞いて覚える」と言う事です。耳で聞いたフレーズ、センテンスを繰り返し音読しながら、体に染み込ませていきます。音読が基本中の基本です。ただし、個人差はありますが、日本人学習者は多くの場合学校教育の影響を強く受けているので、音読だけだと記憶に定着しにくいかもしれません。
なので、どこかのタイミングで、テキストの会話文を書いてみると良いと思います。きれいなノートを作る必要はありません。書いてみて、目で文字を確認すると安心すると思います。最初のうちはこの過程が非常に役に立つかもしれません。
繰り返しますが、個人差がありますので、文字を書く必要性を感じなければこの過程をスキップしても全く問題ありません。ただし、「読む」「書く」「聴く」「話す」と言う行為をすることで、五感を刺激し、定着しやすくなることは事実だと思います。個人個人の学習スタイルや語学学習に費やせる時間など、それぞれの事情を考慮して、必要に応じて取り入れてみて下さい。
大切な事などで、最後にもう一度強調します。
- 100%を求める必要はありません。
- 何から何まで全て理解できるようになる必要はありません。
- ノーミスで出来るようになるまで繰り返す必要はありません。
「今分からなくても、しばらくすれば自然に分かるようなる」と言うのが語学学習です。無責任な言い方のように聞こえるかもしれませんが、「そのうち分かるように」なります。心配する必要ありません。
100%を求めて、同じ場所に留まり、同じことを繰り返すのではなく、「先へ先へ」と進んでいって下さい。語学学習には、「量」が大切になります。「先へ先へ」進む事によって、「学習量」が増え、出会った単語や文型の数が増え、覚えた単語や文型が使われる状況や場面の数が増えてくれば、その段階で分かることがたくさんあります。
反対に、100%の理解度、100%の精度を求めて、テキストの最初の5ページだけ繰り返しても、圧倒的に「絶対量」が不足します。とにかく勇気を持って、「先へ先へ」と進んでいきましょう。ある意味、言葉なんていい加減なものです。私が自分で話している日本語だって、かなりいい加減なものです。
あまりストイックになって、100%を追求する必要はありません。まず、1年間続けてみましょう!
4)語彙力強化
なぜ語彙力強化が必要か?
もし語学学習の第一の目的が、「話せる様になりたい」であれば、これが最重要項目になります。「話せるようになる」と「コミュニケーション取れるようになる」は微妙に違います。この両者を同じ意味で捉えている人もいれば違う意味に捉えている人もいます。
本来ならこの両者は同じ意味のはずです。「話せるようになる」と言うことは「コミュニケーション取れるよになる」と言うことなのですが、「話せるようになる」を「一方的に言いたいことを言う」と言うように捉えるのであれば、語彙力さえついてくれば可能です。
なのでここでは、「話せるようになる」を「一方的に言いたいことを言う」と定義します。そうすると、語彙力さえ付いてくれば、「話せるようになる」のですが、ここに大きな問題があります。日本人の場合、圧倒的に語彙力が不足しているのです。
以前どこかで聞いたことがあるのですが、「英語の語彙力はその国の経済力と反比例する」と言うことです。かなり納得できるのですが、「語彙力をつける」と言うことは、語学学習の中でも一番地味で面白くない学習方法です。ただし、語学力がつくとその後の生活が大きく変わると言うような状況だと、地味で面白くない学習でも頑張れます。
つまり、「英語力向上=生活水準向上」と言う環境であれば、地味で面白くない「語彙力向上」も頑張れるけど、「英語力向上=生活水準向上」とならない環境であれば、地味で面白くない勉強には力が入らないと言うことです。
日本の場合、英語力があれば多少は収入が増えるかもしれませんが、劇的には変わらないと思います。それが、環境によっては年収が数十倍に増えるような国や地域があるかもしれません。そのような状況であれば、面白くなくても、地味でも、なんでも、「語彙力強化」に全力投球できます。
話が逸れていましましたが、日本人の場合、圧倒的に語彙力が不足しているのです。なので、いいたいことがあっても「どう表現したらいいか分からない」と言う状況に陥ります。しかしながら、なぜか日本人学習者は語彙力を軽視します。語彙力をつけるべきなので、文法を一生懸命勉強しようとします。
文法も大切ですが、ここでのポイントは語彙力です。そして文法に関しては、中学校の教科書や文法問題集で対応しています。ここでは、純粋に語彙力だけにフォーカスします。そして、ここで大切なのは、「自分が話したいことは何なのか?」と言うことをしっかりと理解することです。
話す事に必要な語彙は、話したい内容によって変わってきます。スポーツの話をしたいのならスポーツで必要な語彙、音楽や映画の話をしたいのであれば音楽や映画で必要な語彙です。深く考える必要はありません。自分の話したい内容に必要な語彙を調べ自分専用の単語帳を作っていきます。
ここでも大切な事は、「100%を求めない」と言う事です、初心者の段階で、「正しい表現」とか「自然な表現」などにこだわる必要はありません。自分の言いたいことを相手が理解してくれれば良いのです。不自然で構いません。
そもそも「初心者」なのです。発音や文法も不完全なので、語彙・表現力が不完全でも全く問題ありません。それが自然です。英語学習を継続するうちに、自然と「正しい表現」や「ナチュラルな表現」を覚え浄化していきます。初心者の段階で必要なことは、「なんとか自分の言いたことを伝える」ために必要な語彙力をつけることです。
やり方は簡単です。
- 自分の話したい内容を日本語で書く
- それを英語で言おうとした時に必要な単語を日本語で書き出す。
- 書き出した日本語を和英辞典で調べて、単語帳を作る
これだけです。
例えば、
- ヒット/ホームラン/二塁打/三塁打/外野フライ/内野ゴロ
- 打率/打点/得点/出塁率
- 三振/四球/死球/併殺打
- 防御率/先発/リリーフ/セーブ
- ジャンル/ロック/ジャズ/ポップ/クラシック
- イントロ/サビ/間奏
- 歌詞/メロディ/ノリ
- ヒット/人気/一発屋/作曲/編曲
- ジャンル/コメディ/SF/アクション/恋愛
- 女優/男優/主役/脇役/監督
- 映像/音響/シーン/セリフ/脚本/衣装
- セット/ロケ/照明
などなど。
言いたい事を伝えるための単語力が無いと何も話せませんが、単語さえ知っていれば、同じ趣味・興味を持つ人同士、単語を並べるだけで、意思疎通が可能です。多少変な表現になってしまっても大丈夫です。話す内容に共感さえできれば、意外と通じるものです。
とにかく、「100%を求めない」と言う事を頭に叩き込んでください。非自然でもなんでも構いません。「自分の言いた事を伝えるために必要な単語を調べ上げる」事に徹して下さい。これがないと先に進めません。多くの人がここで止まってしまいます。
何年か経って見返した時、笑ってしまうような単語帳で大丈夫です。とにかく、手持ちの武器を揃えるという観点で調べ上げて下さい。
5)学習者向け初心者用Reading教材を多読する
なぜ多読なのか?
これは、「中学校1年~3年のテキストをマスターする」とは大きく異なります。「中学校1年~3年のテキストをマスターする」は、基本中の基本になる土台作りのために全てを吸収していく、と言う意味合いが強く、文型や語彙・表現力を身につけていく、そのために「しっかりじっくり身につけていく」と言う位置付けです。
それに対して、「学習者向け初心者用Reading教材を多読する」は、覚えた表現、文型を色々な状況で、体験し、語感を身につけ、定着させていく、と言うことが一番の目的になります。少し分かりにくいかもしれないので、簡単な例で説明するとこんな感じです。
“What’s your name?”
これを聞いて分からない人、いないですよね?
まぁ、実際にこの、“What’s your name?”って表現を使うこと滅多に無いとは思うんですが、どんなに英語が苦手でも、嫌いでも、恐らくの子の表現は聞いたことあるし、何も考えなくても意味がわかると思います。
なぜですか?
理由はシンプルです。中学校(あるいは小学校)で初めて英語を勉強してから今に至るまでの期間で、この“What’s your name?”という表現を、何回も何回も見聞きしたからです。
“What’s your name?” のwhatが疑問詞で、isが動詞で、nameが名詞、そのnameをyourという代名詞所有格で限定している、なんて考えるまでもなく、聞いた瞬間に、「あなたの名前は何ですか?」という意味が頭に入ってきます。また、whatもisもyourもnameも、これまでに何回も何回も、別の使われ方で出会ってきているので、「思い出そう」と言う努力をするまでもなく、聞いた瞬間に意味が頭に浮かんできます。
これは、全て「その単語、文型、表現、に出会った回数」の問題です。いろいろな状況で、いろいろな場面で、いろいろな表現と組み合わせて、何回も何回も、その表現、文型、単語に出会っていけば、言葉の本質を感覚的につかむことができます。
「中学1年から3年の教科書」や、「ラジオ講座」などで、覚えた(学んだ)表現などは、勉強しっぱなしだと、すぐに忘れてしまいます。一夜漬けのテスト勉強と同じです。どれだけ無理やり詰め込んでも、すぐに忘れてしまいます。覚えた事を定着させるためには、覚えた事を繰り返し思い出す必要があります。
いろいろな方法があると思いますが、「日本で日本語を使って生活している環境」であれば、「覚えた表現、文型を色々な状況で、体験し、語感を身につけ、定着させていく」と言う目的のためには、「読む」と言う方法が一番効率的になります。そして、この目的に一番大切なことは、「量」です。とにかく、「量」が一番大切なのです。“What’s your name?”の例をもう一度思い出していただければわかると思います。
そのためには、「難しい内容をゆっくり時間をかけて解読する」と言う方法は全く効果がありません。「易しい内容の文章を、早く大量に、英語のままインプットしていく」と言う読み方が必要になります。
「難しい内容をゆっくり時間をかけて解読する」と言う読み方をしてしまうと時間が掛かってしまいます。高校の英語の授業を思い出して貰えばわかると思いますが、1時間に1-2ページしか進みません。これでは、「量」はこなせません。
また、「難しい内容をゆっくり時間をかけて解読する」と言う読み方をしてしまうと、日本語で考えてしまいます。難しいので、日本語で意味をとらえようとします。そうすると英語で読んだ内容を頭の中で、「日本語で理解」し、その結果、「日本語で記憶」されてしまいます。
一生懸命勉強して、日本語で覚えてしまっては全く意味がありません。
日本人の場合、どうしても「難しい内容を一生懸命努力して勉強する」と言う習慣が身についてしまっているので、テキストを選ぶときにも、「圧倒的に難しすぎるテキスト」を選んでしまいます。
ここでの多読の方法は、「学習者向け初心者用Reading教材を多読する」です。とにかく、簡単なものを選んでください。「簡単すぎて、役に立っているのかどうか分からない」と言うくらいでちょうど良いレベルです。基本的に知らない単語が1ページに2-3語以下のレベルということを目安にしてください。
この多読の方法を簡単にまとめます。
- 難しいものは選ばない
- 知らない単語は1ページに2-3単語まで
- 日本語に訳さない
- 細かいことは気にしない
- 選んだ本がつまらなかったら無理せず他の本に移る大体わかれば大丈夫
とにかく、気楽な気持ちで続けてみてください。
6)日記を書く
なぜ日記を書くのか?
書くことも非常に大切です。「読む」「書く」「聞く」「話す」は密接に結びついています。良く生徒さんで、「話せるようになりたいから、とにかく話す練習だけしたい」と言う人がいるのですが、あまり効率的ではありません。
「読む」「書く」「聞く」「話す」の中でも、特に「聞く」と「読む」、「話す」と「書く」は強く結びついています。読んで分からないことは聞いても分からないし、書けないことは話せないからです。なので、「話せるようになりたい」のであれば、書く練習は非常に大切です。
ただし、学校の授業でやったような、「英作文」的な練習方法は初心者の場合、あまり効果的ではありません。初心者が無理やり「英作文」しても、ジャパニーズイングリッシュになってしまうことが多いからです。なので、初心者の場合は日記を書くことをお勧めしています。
あまり難しく考える必要はありません。まず毎日の行動を記録していきましょう。朝起きてから夜寝るまでです。
例えば、
- 朝何時に起きる
- 何時に朝食を食べる(余裕があれば、「何を作る/食べるとかも)
- シャワーを浴びる/歯を磨く/着替える
- 何時に家を出る
- 駅まで歩く/自転車で行く/バスに乗る/電車に乗る
- 会社/学校に着く
みたいな事です。
これを以下のように書いていきます。
- 毎日の行動(平日編)
- 週末の行動(平均的な週末)
- 今日の行動(平日編)
- 週末の行動
- 明日の予定(週末編)
- 今週末の予定
これで1週間分です。基本的に平日の行動パターンは同じような事になると思いますが、毎日の習慣だと現在形、今日の行動だと過去形、明日の予定だと未来形になります。これを毎日1ヶ月も続ければ、「朝起きてから寝るまで」の表現(主には動詞句です)は完全に定着してくるので、話す時に使えるようになります。表現を「動詞句」として覚えてしまっているので文法的な間違いもないはずです。
例えば、
〇〇時に起きる → get up at 〇〇
と言うようにフレーズとして覚えているので、「時間を表現する時に使う前置詞は、”at”なのか”in”なのか”on”なのか?」などと迷わなくなります。
また、自然と現在形、過去形、未来形を使い分けているので、時制に関しては、文法的な間違いもなくなってきます。「書けない事は話せない」と言うことは、「書けることは話せるようになる」と言う事です。
英会話のレッスンを受けた事がある人は分かると思いますが、レッスン中以下のようなやりとりがよくあります。
What did you do last weekend?
I ……
あるいは、
What are you going to do this weekend?
I ……
このような時に言葉に詰まってしまって何も言えなくなってしまう、と言うことがよくあるのですが、かなりの確率でこの「言葉に詰まってしまって何も言えなくなってしまう」状態が毎週続いてしまう人がいます。
恐らく、「英会話スクールに通っているのだから、そのうち話せるようになる」って考えているのかもしれませんが、そんな事はありません。何もしないである日突然自動的に言葉が出てくるようにはなりません。
しかしながら、もし日記を書いて「先週末にしたこと」や「今週末の予定」を数回にわたって書いていれば、簡単に答えられるはずです。あまりにも当たり前のことですが、「何もせずに毎週言葉に詰まってしまって何も言えなくなってしまう」人があまりにも多いのでびっくりしてしまいます。
「朝起きてから寝るまで」の行動は、恐らく1ヶ月も続けていけば定着すると思うので、つぎの段階へ進みましょう。内容は何でも良いのですが、とりあえず、「自分の事」を書いてみましょう。
- 名前、誕生日/生年月日、出身地、現住所、身長、体重など
- 家族構成、それぞれの名前、誕生日/生年月日、出身地、現住所、身長、体重など
- 家族メンバーそれぞれの趣味、興味、好きな食べ物/飲み物など
- 仕事や学校の簡単な説明
- 家族メンバーそれぞれの仕事や学校の簡単な説明
これで1週間分です。全く同じ内容で良いので、1ヶ月続けてみましょう。合計4回ずつ書くことになります。恐らく3週目くらいから簡単に書けるようになります。これも英会話のレッスンで良く話す内容です。
What did you do ? (あなたの仕事は?)
I ……
あるいは、
Tell me about your family.
I ……
この時に、出来れば「自分の日記を書くのに必要な表現」を英語の出来る人に確認してもら得ると良いのですが、頼める人がいない場合は心配しなくても大丈夫です。翻訳アプリでもChatGPTでも、かなりの精度なのでそのまま使ってみてください。
使っている表現が、「正しいか、正しくないか」はあまり気にしないで大丈夫です。「中学1年~3年の教科書」、「中学1年~3年の文法問題」、「ラジオ講座基礎英語・続基礎英語」をしっかりと進めていれば、近い将来に自分で「正しいか、正しくないか」判断できるようになります。細かい事を気にせずに、「先へ、先へ」進んでみてください。
7)リスニング練習をする
なぜリスニングの練習をするのか?
「中学1年~3年の教科書」を音声教材併用で勉強し、「ラジオ講座:中学生の基礎英語レベル1・2」「中高生の「基礎英語in English」を継続していれば、リスニング力は自然と伸びてきます。ただし、リスニング力は、「リスニングの練習だけ」で伸びるものではありません。と言うのも、「リスニング」は「リーデイング」と一緒で相手のメッセージを受け取るコミュニケーションです。
「書き手」「話し手」の使う、語彙・表現や文型・文法事項を知らないと、当然ながら理解できません。なので、語彙・表現や文型・文法事項が伸びてこないと、「リスニング力」も伸びてきません。一番大切な事は、「中学1年~3年の教科書」を音声教材併用で学習し、「ラジオ講座:中学生の基礎英語レベル1・2」「中高生の「基礎英語in English」を継続し、「多読」や「日記」などを並行して実践し、英語の総合力を伸ばしていく事です。
その中で、初心者のうちに、「リスニングの練習」として継続すると効果的な方法、と言うよりも、後々、役に立つ「リスニングの練習」があります。それは、「分かることだけ聞き取る」と言うことと、「できるだけ自然な英語に初心者の段階から触れる」と言うことです。
- ① 「分かることだけ聞き取る」
-
初心者のうちは、とにかく「何から何まで100%理解しよう」としてしまいます。また、「何から何まで100%理解」出来ないと、不安に感じてしまうようです。なので、少しでも、たとえ1箇所、1単語でも分からないと、そこで不安になりパニックを起こしてしまう傾向があります。
実際には、英語力の高い人でも、外国語として英語でコミュニケーションしている限り、分からないことはいくらでも出てきます。また、その場の状況や他の問題で100%集中しきれない場合も多々あります。そう言う時でも、特にコミュニケーションが止まる訳でもなく、普通にコミュニケーションを続ける事ができます。
これは特に難しい事でも、不思議な事でもありません。恐らく日常的な日本語のコミュニケーションの中で、無意識のうちに普通に実践している事だとおもいます。最近、日本語で誰かと話した時の事、あるいは、テレビや駅・電車内での放送を聞いた時のことを思い出してみてください。恐らく、100%完全な状態で効いている事はないと思います。
例えば、車内放送であれば、
〇〇〇〇〇〇〇〇、東京駅、〇〇〇〇、異常音、〇〇〇〇、安全確認、〇〇〇〇、横浜駅到着予定、〇〇〇〇、19時30分、〇〇〇〇、申し訳、〇〇〇〇
イヤホンで音楽聴いていたり、携帯見ていたり、友達と話していたり、色々な状況で、車内放送を完全な状態で聴いていなくても、全体像を掴めているのだと思います。また、何か気になるフレーズが聞こえてきたら、他の事を中断して、車内方法に集中するかもしれません。
初心者の場合、それが英語になると、何から何まで100%理解しようとしてしまう傾向があります。日本語と同じように、必要な部分を、単語やフレーズだけ追いながら、全体像を把握できるようにすることが大切です。
最初は難しく感じても、とりあえず、「聞き取れる単語やフレーズだけ追っていく」と言う練習を少しずつ取り入れて行くと良いでしょう。最初のうちは、全然分からなくても気にする必要ありません。1日に1単語聞き取れればOKくらいの気持ちで取り組んで見てください。
ただし、この方法だけで、「リスニング力」や「英語の総合力」が伸びるわけではありませんので、あまり時間を掛けすぎないようにしてください。
「聞き流すだけで、英語が話せるようになる」なんてことは、ありませんので。
- ② 「できるだけ自然な英語に初心者の段階から触れる」
-
もう一つ大切な事は、初心者のうちから「ナチュラルスピード」の英語に触れる事です。「中学1年~3年の教科書」を音声教材併用で勉強し、ラジオ講座:中学生の基礎英語レベル1・2」「中高生の「基礎英語in English」を継続する、どちらも非常に大切で、有効な学習方法ですが、「自然な英語」ではありません。あくまでも「学習者向けに分かりやすく、加減をした英語」です。
このような教材を使って学習することは非常に効率が良いのですが、これだけで進んでしまうと後々大変苦労することになります。そのため、多少難しくても、全然聞き取れなくても、早い段階から、「ナチュラルスピード」の英語に触れる事が非常に大切です。
そう言う意味で、今は非常に便利な時代です。ナチュラルな英語を聞く環境は、日本国内でもいくらでもあります。例えば、簡単に取り入れられる題材として、以下のようなものがあります。
- テレビドラマ
- Youtube
- AFN
「テレビドラマ」はかなり使いやすいと思います。映画に比べると、分かりやすいはずです。映画の場合、時間が長すぎるし、音響が良すぎるし、映像に頼る部分が大きすぎる場合がありますその点、テレビドラマだと、1話30分くらいで、CMのブレークもあるし、比較的聞き取りやすく、映画に比べると役者の演技も抑え気味になります。
「Youtube」は、自分の興味のある分野に絞ってみることが出来るし、英語字幕がついていることも多いので、取り組みやすいと思います。ただし、最近はYoutuberが再生回数を増やすために、かなり早口で話す傾向があるので、初心者の場合全く聞き取れない可能性もあります。
「AFN(American Forces Network)」は、比較的聞きやすいと思いますが、音楽が流れている時間が多いので、「リスニング練習」としては、時間効率が良くないかもしれません。
ただし、目的はあくまでも、「ナチュラルスピード」の英語に触れると言うことなので、自分にあった題材を見つけてみてください。
注意点は先ほどと一緒です。この方法だけで、「リスニング力」や「英語の総合力」が伸びるわけではありませんので、あまり時間を掛けすぎないようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
もしかすると、「あまりにやる事が多くてびっくりした」かもしれません。でも、「基礎力」は非常に大切な土台です。早い段階で、しっかりとした「基礎力」を身につけておくと、後々苦労する事がないので、結局早回りになります。
また、もしこの段階で、「大変すぎて自分には無理だ」と思うのであれば、「初心者の学習法①」を試してみてください。誰もが皆、多大な時間と労力を掛けて英語を身につける必要があるとは思えません。外国語を身につけることは簡単ではありません。何年も何年もかけて、毎日何時間も勉強して、やっと「少しは話せるようになったかな?」と実感できるレベルに到達します。
その労力と時間を掛けても、「英語を身につけたい!」と思った方は、この方法を是非試してみてください。私が留学も海外生活もせずに日本国内で勉強しただけで英語を身につけてきた中で、「本当に役に立った」「初心者のうちに実践しておくべきことだ」と思った事を書き出してあります。
外国語が理解できるようになると、音楽、スポーツ、映画など、今興味のある事が、何十倍も何百倍も楽しめるようになります。日本語だけの世界とは、全く違う世界が待っています。是非続けてみてください。
- 中学1年〜3年の教科書をマスターする
- 中学1年〜3年の文法問題集を反復練習する
- ラジオ講座を継続する
- 語彙力強化
- 学習者向け初心者用Reading教材を多読する
- 日記を書く
- リスニング練習をする