海外での急な体調不良や怪我。「英語でどう伝えればいいのか」「もし手術や入院になったら……」という不安は、言葉の壁がある環境では計り知れないものです。
これまで本ブログでは、全7回にわたり、基本的な痛みから専門的な検査、入院生活のサポートまで、場面別の医療英語を詳しく解説してきました。
この記事は、そのシリーズ全7記事のエッセンスを凝縮した「完全保存版」のまとめです。
- 「これだけ言えれば大丈夫」な最重要フレーズ
- どんな場面でも使い回せる5つの基本パターン
- いざという時に命を守る「医療情報カード」の作り方
これらを1ページで確認できるよう整理しました。海外旅行や留学、出張のお守りとして、また医療英語を体系的に学びたい方のロードマップとして、ぜひ最後までご活用ください。
【ご注意】 本記事は、海外でのコミュニケーションを円滑にするための「英語表現・語彙の学習」を目的としたガイドです。執筆には細心の注意を払っておりますが、医学的な診断や治療法をアドバイスするものではありません。実際の症状については、必ず専門の医療スタッフの指示に従ってください。
シリーズ全7記事の学習ロードマップ

まずは、これまでの記事がどのような流れで構成されているかを整理しましょう。
Stage 1:症状を伝える基礎力
記事1:症状の基本ガイド
- 目標:「どんな症状にも応用できる基本パターンを身につける」
- ポイント:I have / I feel / It hurts の使い分け

記事2:よく使う症状フレーズ集
- 目標:「風邪・発熱・痛みなど頻出症状を具体的に表現できる」
- ポイント:日常的な体調不良への対応力

Stage 2:部位別・専門的症状の表現
記事3:心臓・消化器・泌尿器の症状
- 目標:「緊急性の高い症状や話しにくい症状を正確に伝える」
- ポイント:命に関わる症状の早期発見につなげる

記事4:筋肉・皮膚・メンタルヘルス
- 目標:「整形外科的問題やアレルギー、心の不調を表現できる」
- ポイント:多様な症状への対応力を広げる

Stage 3:検査・手術・入院での実践
記事5:検査・手術の英語表現
- 目標:「医療処置への不安や疑問を適切に伝える」
- ポイント:インフォームドコンセントの実現

記事6:入院中の痛み・生活サポート
- 目標:「入院生活での体調変化や日常的なニーズを伝える」
- ポイント:安全で快適な入院生活の実現

記事7:食事・薬・退院準備
- 目標:「治療内容の理解と退院後の生活準備を整える」
- ポイント:継続的な健康管理への橋渡し

場面別:絶対に覚えておきたい最重要フレーズ

全7記事から、特に使用頻度が高く、緊急性の高い表現を厳選してご紹介します。
🚨 緊急時:今すぐ助けが必要
I’m having trouble breathing.
- 発音記号: /aɪm ˈhævɪŋ ˈtrʌbəl ˈbriːðɪŋ/
- 意味: 呼吸が苦しいです
- 解説: 生命に関わる緊急症状です。この表現を使ったら、医療スタッフは最優先で対応します。肺塞栓、心不全、重度のアレルギー反応など様々な原因が考えられるため、すぐにナースコールを押してください。
- 例文: I’m having trouble breathing and my chest feels tight.
- 和訳: 呼吸が苦しくて、胸が締め付けられる感じがします。
I have chest pain that goes down my arm.
- 発音記号: /aɪ hæv tʃest peɪn ðæt ɡoʊz daʊn maɪ ɑːrm/
- 意味: 腕の方にひびくような胸の痛みがあります
- 解説: 心筋梗塞の典型的な症状である「放散痛」を表現する極めて重要なフレーズです。胸から腕、顎、背中への痛みの広がりは、心臓の重大な問題を示唆します。迷わず救急受診してください。
- 例文: I have severe chest pain that goes down my left arm and jaw.
- 和訳: 激しい胸の痛みが左腕と顎に広がっています。
I feel like I’m going to pass out.
- 発音記号: /aɪ fiːl laɪk aɪm ˈɡoʊɪŋ tuː pæs aʊt/
- 意味: 気を失いそうです
- 解説: 失神前の状態(前失神状態)を表現します。低血圧、不整脈、脱水、出血など様々な原因で起こります。転倒による怪我を防ぐため、すぐに横になり、助けを求めましょう。
- 例文: I feel dizzy and like I’m going to pass out.
- 和訳: めまいがして、気を失いそうです。
🏥 受診時:症状を正確に伝える
I have a fever.
- 発音記号: /aɪ hæv ə ˈfiːvər/
- 意味: 熱があります
- 解説: 最も基本的で重要な症状表現の一つです。体温を測っている場合は、“My temperature is 38.5 degrees Celsius”(体温は38.5度です)のように具体的に伝えましょう。
補足: 英語圏(特に米国)では摂氏(Celsius)ではなく華氏(Fahrenheit)を使うことが多いため、“My temperature is 101.3 degrees (Fahrenheit)” のように、華氏での伝えます。 - 例文: I have a high fever and chills.
- 和訳: 高熱と悪寒があります。
I feel nauseous.
- 発音記号: /aɪ fiːl ˈnɔːʃəs/
- 意味: 吐き気がします
- 解説: 実際に嘔吐していなくても、気持ち悪い状態を表現できます。食中毒、薬の副作用、妊娠、ストレスなど様々な原因で起こります。より切迫感を伝えたい場合は”I feel like throwing up”(吐きそうです)を使いましょう。
- 例文: I feel nauseous and have stomach cramps.
- 和訳: 吐き気があり、お腹がけいれんしています。
It hurts when I move.
- 発音記号: /ɪt hɜːrts wen aɪ muːv/
- 意味: 動くと痛いです
- 解説: 痛みが特定の動作で起こることを伝える重要なパターンです。”when I…“の部分を変えることで、様々な状況を説明できます。診断において非常に重要な情報となります。
- 例文: It hurts when I breathe deeply.
- 和訳: 深呼吸すると痛いです。
🔍 検査・手術時:不安や疑問を解消
Is this going to hurt?
- 発音記号: /ɪz ðɪs ˈɡoʊɪŋ tuː hɜːrt/
- 意味: これは痛いですか?
- 解説: 検査や処置を受ける前に、心の準備をするために誰もが聞きたい質問です。医療スタッフは正直に答えてくれるはずで、「少しチクッとします」や「圧迫感があるかもしれません」など、具体的な説明をしてくれます。
- 例文: Is this going to hurt? I have a low pain tolerance.
- 和訳: これは痛いですか?私は痛みに弱いんです。
Could you explain the risks again, please?
- 発音記号: /kʊd juː ɪkˈspleɪn ðə rɪsks əˈɡen pliːz/
- 意味: もう一度リスクについて説明していただけますか?
- 解説: インフォームドコンセント(説明と同意)は患者の重要な権利です。理解できるまで何度でも説明を求めることができます。完全に理解・納得してから手術に臨むことが大切です。
- 例文: I’m sorry, but could you explain the risks again, please? I want to make sure I understand everything.
- 和訳: すみませんが、もう一度リスクについて説明していただけますか?すべてを理解したいので。
🏨 入院中:痛みや要望を伝える
My pain is getting worse.
- 発音記号: /maɪ peɪn ɪz ˈɡetɪŋ wɜːrs/
- 意味: 痛みが悪化しています
- 解説: 術後の痛みは時間とともに改善するのが通常ですが、悪化している場合は感染症や合併症の可能性もあります。我慢せずにすぐに医療スタッフに伝えましょう。
- 例文: My pain is getting worse, especially around the surgical site.
- 和訳: 痛みが悪化していて、特に手術部位の周りがひどいです。
Could I have something for the pain?
- 発音記号: /kʊd aɪ hæv ˈsʌmθɪŋ fɔːr ðə peɪn/
- 意味: 痛み止めをもらえますか?
- 解説: 痛みを我慢する必要はありません。適切な疼痛管理は回復促進にも重要です。“something for the pain”(痛みのための何か=痛み止め)という言い回しは医療現場でよく使われます。
- 例文: The pain is coming back. Could I have something for the pain?
- 和訳: 痛みが戻ってきました。痛み止めをもらえますか?
I need help going to the bathroom.
- 発音記号: /aɪ niːd help ˈɡoʊɪŋ tuː ðə ˈbæθruːm/
- 意味: トイレに行くのに手伝いが必要です
- 解説: 転倒防止のため、無理をせずに助けを求めることが重要です。看護師はこのような依頼に慣れており、安全にトイレまで付き添ってくれます。遠慮は禁物です。
- 例文: I feel dizzy, so I need help going to the bathroom.
- 和訳: めまいがするので、トイレに行くのに手伝いが必要です。
💊 薬・治療について質問
What is this medicine for?
- 発音記号: /wʌt ɪz ðɪs ˈmedɪsɪn fɔːr/
- 意味: この薬は何のためのものですか?
- 解説: 自分が服用する薬の目的を理解することは患者の権利です。痛み止め、抗生物質、血圧の薬など、それぞれの薬の役割を知ることで治療への理解と協力が深まります。
- 例文: I don’t recognize this pill. What is this medicine for?
- 和訳: この錠剤は見覚えがありません。この薬は何のためのものですか?
I don’t really understand what’s going on.
- 発音記号: /aɪ doʊnt ˈriːəli ˌʌndərˈstænd wʌts ˈɡoʊɪŋ ɑːn/
- 意味: 何が起こっているのか本当に理解できていません
- 解説: 医療現場では専門用語が多く、説明が複雑で理解できないことはよくあります。理解できないまま放置することは危険なので、正直に伝えることが重要です。医療スタッフは別の言葉で説明し直してくれます。
- 例文: There’s a lot happening and I don’t really understand what’s going on.
- 和訳: いろいろなことが起きていて、何が起こっているのか本当に理解できていません。
🏠 退院準備:今後について確認
When can I go home?
- 発音記号: /wen kæn aɪ ɡoʊ hoʊm/
- 意味: いつ退院できますか?
- 解説: 退院時期を尋ねる最もシンプルで基本的な質問です。入院が長引くと、家族や仕事、ペットのことなど心配事が増えるため、退院の見通しを知ることは精神的にも重要です。
- 例文: I’m feeling much better now. When can I go home?
- 和訳: もうだいぶ良くなっています。いつ退院できますか?
What should I do if it gets worse?
- 発音記号: /wʌt ʃʊd aɪ duː ɪf ɪt ɡets wɜːrs/
- 意味: 悪化したらどうすればいいですか?
- 解説: 退院後に症状が悪化した場合の対処法を確認する重要な質問です。どんな症状が現れたら病院に連絡すべきか、救急受診が必要な警告サインは何かを事前に知っておくことは、安全な自宅療養のために不可欠です。
- 例文: What should I do if the pain gets worse after I go home?
- 和訳: 家に帰ってから痛みが悪化したら、どうすればいいですか?
最重要:覚えるべき基本パターン

個別のフレーズを覚える前に、まずは「型」を身につけることが効率的です。以下の5つのパターンを使いこなせれば、ほとんどの医療場面に対応できます。
1. 症状を伝える基本型
I have + 症状
- I have a headache.(頭痛があります)
- I have a fever.(熱があります)
- I have pain in my chest.(胸に痛みがあります)
I feel + 状態
- I feel dizzy.(めまいがします)
- I feel nauseous.(吐き気がします)
- I feel weak.(体がだるいです)
継続している症状:I’ve been + ~ing
- I’ve been coughing.(咳が続いています)
- I’ve been vomiting.(嘔吐が続いています)
- I’ve been feeling anxious.(不安な状態が続いています)
2. 質問する基本型
What/When/How + 疑問文
- What is this medicine for?(この薬は何のためですか?)
- When can I go home?(いつ退院できますか?)
- How long will this take?(これはどのくらい時間がかかりますか?)
3. 依頼する基本型
Could I have…?(~をいただけますか?)
- Could I have something for the pain?(痛み止めをもらえますか?)
- Could I have some water?(水をもらえますか?)
Could you…?(~していただけますか?)
- Could you explain that again?(もう一度説明してもらえますか?)
- Could you help me sit up?(起き上がるのを手伝ってもらえますか?)
4. 痛みの詳細を伝える型
It hurts when + 動作
- It hurts when I move.(動くと痛いです)
- It hurts when I breathe.(息をすると痛いです)
- It hurts when I swallow.(飲み込むと痛いです)
5. 理解できない時の型
I don’t understand…
- I don’t understand what’s happening.(何が起きているかわかりません)
- I don’t understand this medicine.(この薬について理解できません)
効果的な学習方法:3ステップアプローチ

Step 1:基本パターンに慣れる(1週間)
まずは上記の5つの基本パターンを音読で練習しましょう。完璧な発音を目指す必要はありません。「型」に慣れることが目標です。
練習方法:
- 毎日5分、基本パターンを音読
- 自分の症状に置き換えて練習
- 鏡に向かって話す練習
Step 2:自分に関係するフレーズを選ぶ(1週間)
全てを覚える必要はありません。自分の状況に合わせてフレーズを選択しましょう。
選択基準:
- 持病がある → その分野の症状表現を優先
- 手術予定がある → 検査・手術関連を重点的に
- 高齢者 → 転倒・薬の副作用関連を重視
- 子供連れ → 緊急時の表現を優先
Step 3:場面別にまとめて練習(継続)
実際の使用場面を想定して練習します。
練習例:
- 「急にお腹を壊して病院に行く日」
- 「手術前日の不安な夜」
- 「退院診察で医師と話す場面」
実践的な準備:
- スマートフォンのメモに重要フレーズを保存
- 医療情報カード(英語版)を作成
- 家族や友人とロールプレイ練習
文化的な違いを理解する

英語圏の医療文化は日本と異なる点があります。
コミュニケーションスタイル
- 患者の積極的な参加が期待される:
日本のように「お任せします」ではなく、自分の意見を言うことが推奨されます。疑問があれば遠慮なく質問する文化です。 - 直接的な表現が好まれる:
遠回しな表現よりも、直接的に症状や希望を伝える方が効果的です。
痛みの評価方法
英語圏では痛みを数値で評価することが一般的です:
Pain Scale(痛みのスケール):
- 0: No pain(痛みなし)
- 1-3: Mild pain(軽度の痛み)
- 4-6: Moderate pain(中程度の痛み)
- 7-9: Severe pain(重度の痛み)
- 10: Worst pain imaginable(想像できる最悪の痛み)
“On a scale of 0 to 10, how would you rate your pain?” と聞かれたら、この数値で答えましょう。
緊急時の準備:医療情報カード

以下の情報を英語で書いたカードを常に携帯しましょう:
- 基本情報:
-
- 氏名、生年月日、血液型
- 緊急連絡先
- 保険情報
- 医療情報:
-
- アレルギー(薬物、食物)
- 持病・既往歴
- 現在服用中の薬
- 過去の手術歴
例:
MEDICAL INFORMATION CARD
Name: Taro Yamada
DOB: January 1, 1980
Blood Type: A
Allergies: Penicillin, Shellfish
Medical History: Hypertension, Diabetes
Current Medications: Lisinopril 10mg daily
Emergency Contact: Hanako Yamada (Wife) +81-90-1234-5678
Insurance: Overseas Travel Insurance Policy #ABC123456
💡 読者の皆様へ
当ブログは、英語学習を通じて皆様の海外生活をサポートすることを目指しています。本記事で紹介したフレーズは、医療現場で意思疎通を助けるためのツールであり、医学的な判断の代わりとなるものではありません。
入院中の不安な症状や身体の変化については、決して自己判断せず、現場の医師や看護師に直接相談するようにしてください。
まとめ:あなたの言葉が命を守る

全7回のシリーズを通して一貫してお伝えしてきたのは、「完璧な英語よりも、伝えようとする意志が大切」ということです。
医療現場でのコミュニケーションは、正確な文法を競う場ではありません。単語ひとつ、ジェスチャーひとつでも、あなたの状態を伝え、必要な助けを求めることが、最善の治療への第一歩となります。
🎓 医療英語をマスターするための包括的学習ステップ
この記事を読み終えたら、以下のステップで「自分専用の医療英語」を準備してみましょう。
- 「医療情報カード」を完成させる
本記事のテンプレートを参考に、英語版のカードを作成して財布やパスポートケースに入れておきましょう。これがあるだけで、心の余裕が全く違います。 - 「型」を口に馴染ませる
まずは本記事で紹介した「5つの基本パターン」を1日3回音読し、何も見ずに言えるようにします。 - 優先度の高い記事を深掘りする
持病がある方は「Stage 2」、手術の予定がある方は「Stage 3」など、自分に関連の深い過去記事を再読し、具体的なフレーズをスマホのメモにストックしましょう。
最後に覚えておいてほしい3つのこと
- 遠慮しない:症状や不安、疑問は遠慮せずに伝える
- わからないことは質問する:理解できるまで何度でも説明を求める権利がある
- 準備が大切:事前に基本フレーズを練習し、医療情報を整理しておく
このシリーズが、皆さんの海外生活における「安心のお守り」となることを心から願っています。
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