その「不自然さ」の正体は、名詞の「s」にあるかもしれません
「一生懸命書いたビジネスメールが、なぜか幼く見える」
「単語も文法も合っているはずなのに、ネイティブに聞き返される」
中級レベルに差し掛かった学習者が直面するこの「違和感」。その正体を探っていくと、実は冠詞よりもさらに深い場所にある「名詞の捉え方」に行き着くことが多々あります。
私たちは無意識のうちに、日本語の感覚で「アドバイスは1つ、2つと数えられるもの」として英語を扱おうとします。しかし、英語話者の頭の中にある世界は、もっとダイナミックで論理的です。
彼らは「形があるのか」「切っても性質が変わらないか」「それは概念なのか」という独自のフィルターを通して、名詞を瞬時に分類しています。この「名詞システム」こそが、英語という言語のOS(基本ソフト)です。
本ガイドでは、中級者が最も見落としがちで、かつ最も差がつく「名詞の扱い」を5つのステップで徹底解説します。単なる暗記を卒業し、ネイティブと同じ視点で世界を切り取る力を手に入れましょう。
なぜ日本人は名詞で失敗するのか?

日本語と英語の「物の捉え方」の根本的なズレ
日本語では、ほぼすべての名詞が「数えられる前提」で考えられています。
- アドバイス1つ、2つ
- 情報1つ、2つ
- 家具1つ、2つ
しかし、英語話者はまったく異なる視点を持っています。
- advice = 「アドバイスという総体」(数えられない)
- information = 「情報というデータの集合体」(数えられない)
- furniture = 「家具という全体のパッケージ」(個々ではなく集合)
この認識のズレが、何度も同じミスを繰り返させるのです。
❌ many informations ✅ some information / a piece of information
❌ an advice ✅ some advice / a bit of advice
❌ few money ✅ little money
テスト対策では解決しない理由
一般的な参考書では「information は不可算名詞だから複数形にしません」と説明するだけです。
しかし、これでは本当の理解にはなりません。なぜなら、「なぜネイティブはそう捉えるのか」という思考パターンが欠けているからです。
単なる「ルール暗記」では、いざ実践になると判断がブレ、同じミスを繰り返してしまいます。
中級英文法講座「名詞システム」の全体構成

本講座は、TOEIC 600点以上の中級学習者が「実践で使える英語」へステップアップするために、名詞の全領域を5つのステップで系統的に学習するカリキュラムです。
各章は独立していますが、段階的に学ぶことで、より深い理解が得られます。
【全5回シリーズ構成】
第1回:英語の名詞分類を完全攻略!可算・不可算・集合・抽象名詞の違いと見分け方
学習内容: 名詞の4つの分類体系の理解
- 可算名詞(countable)と不可算名詞(uncountable)の本質的な違い
- 集合名詞(family, team, staff)の単数・複数の使い分け
- 抽象名詞(love, happiness, knowledge)の特性と扱い方
- ネイティブの「視点」を理解する思考プロセス
この記事が役立つ人:
- 冠詞(a/the)の使い分けで常に迷う方
- “information” や “advice” に複数形をつけてしまう方
- 名詞の基礎から徹底的に学び直したい方
実践例:
✗ “We have many customers today.”
✓ “We have a lot of customers today.”
✗ “The staff is hardworking.”
✓ “The staff are hardworking.” (イギリス英語)
👉 詳細はこちら: 英語の名詞分類を完全攻略!可算・不可算・集合・抽象名詞の違いと見分け方

第2回:冠詞の迷いを根本から断つ。中上級者がマスターすべき「名詞のシステム」
学習内容: 可算・不可算を判別するロジック
- 可算・不可算の判別チェックリスト
- ネイティブの「メンタルモデル」を理解する
- 同じ単語が文脈で可算・不可算に変わるケース
- 日本人が間違えやすい不可算名詞トップ5
- 辞書に頼らず判断する力の養成
この記事が役立つ人:
- 「この名詞は可算?不可算?」で毎回迷う方
- ビジネスメールやプレゼンで正確な英語を書きたい方
- “experience” の可算・不可算の違いを確実に理解したい方
- 冠詞の本当の意味を理解したい方
実践例:
✗ “She gave me an advice.”
✓ “She gave me some advice.“
✗ “I have five experiences in sales.”
✓ “I have five years of experience in sales.”
👉 詳細はこちら: 冠詞の迷いを根本から断つ。中上級者がマスターすべき「名詞のシステム」

第3回:「a lot of だけ使っていれば通じる」を卒業!名詞の数量表現完全ガイド
学習内容: 数量表現の使い分けと実践的な活用
- many / much / a lot of / few / a few / little / a little の完全な使い分け
- 「少ない」と「いくつか」のニュアンスの違い
- 不可算名詞の数え方(a piece of, a bit of, a cup of など)
- フォーマル・カジュアルでの表現の使い分け
- ビジネス英語での正確な数量表現
- スピーキングとライティングでの表現の違い
この記事が役立つ人:
- “few” と “a few” の違いが曖昧な方
- ビジネス英語で正確な数量表現を使いたい方
- 「少し」「たくさん」の表現をニュアンスまで理解したい方
- 同じ意味でも「フォーマルな言い方」「カジュアルな言い方」を使い分けたい方
実践例:
✗ “I have few friends.” (ほぼいない→孤立感)
✓ “I have a few friends.” (何人かいる→肯定的)
✗ “We have few money.“
✓ “We have little money.”
カジュアル: “That coffee was great!”
ビジネス: “This data requires careful analysis with multiple pieces of information.”
👉 詳細はこちら: 「a lot of だけ使っていれば通じる」を卒業!名詞の数量表現完全ガイド

第4回:「一生、その『s』を付け続けますか?」日本人が絶対にハマる名詞の落とし穴10選
学習内容: よくある名詞の誤りの完全なリスト化と防止法
- 日本人が最も間違える名詞10選の詳細解説
- ✗ informations / advices / equipments / staffs
- ✗ furnitures / feedbacks / knowledges / experiences
- なぜこのミスを繰り返してしまうのか(原因分析)
- 誤り防止チェックリスト
- 実践テストで定着度確認
- 自分が何度も同じミスをする理由と対策
この記事が役立つ人:
- 何度も同じミスを繰り返してしまう方
- ネイティブに「あ、この人は…」と思われたくない方
- 自分の英語をより洗練させたい方
- テストでは正解しても、実際には間違えてしまう方
実践例:
❌ “The furnitures in this room are expensive.”
✅ “The furniture in this room is expensive.”
❌ “We collected valuable feedbacks.”
✅ “We collected valuable feedback.”
❌ “These equipments are state-of-the-art.”
✅ “This equipment is state-of-the-art.”
👉 詳細はこちら: 「一生、その『s』を付け続けますか?」日本人が絶対にハマる名詞の落とし穴10選

第5回:「ルールは知っているのに、なぜか不自然…」名詞の文脈による使い分け完全マスター
学習内容: 実践場面での名詞の柔軟な使い分け
- 会話でのフォーマリティと名詞選択の関係
- 映画・音楽・スポーツ・食事など場面別の名詞使用法
- 同じ名詞が「可算」にも「不可算」にもなるケース
- カジュアル・ビジネス・アカデミックの表現差
- 初級者・中級者・上級者の名詞使用の違い
- 映画やドラマで学ぶ「生きた名詞表現」
- スピーキングとライティングでの使い分け
この記事が役立つ人:
- 文法は完璧なのに会話で詰まってしまう方
- ネイティブのような自然な英語を話したい方
- 場面に応じた表現を柔軟に使い分けたい方
- 実践的な英語力を身につけたい方
実践例:
カジュアル: “That movie was amazing!”
ビジネス: “The project proposal requires clarification on several key points.”
アカデミック: “The cinematic execution was exemplary.”
会話: “I got some great advice from my friend.”
ビジネスメール: “We appreciate the feedback you provided regarding the proposal.”
学論文: “The research provided extensive evidence that…”
👉 詳細はこちら: 「ルールは知っているのに、なぜか不自然…」名詞の文脈による使い分け完全マスター

学習の流れ:段階的マスタリングプログラム

名詞システムを完全にマスターするには、単に「知識を詰め込む」のではなく、段階的に「理解→実装→応用」へ進めることが重要です。
🔵 Phase 1:基礎理解(第1回・第2回)
目標: 名詞の本質を理解し、判別ロジックをインストール
学習の進め方:
- 名詞の4分類(可算・不可算・集合・抽象)の本質を理解
- 「なぜネイティブはそう捉えるのか」という思考プロセスを習得
- 判別ロジック(チェックリスト)を何度も反復練習
- 自分の脳に「ネイティブ的な視点」をインストール
このフェーズの終了条件:
- 新しい名詞を見たとき、「これは可算?不可算?」を迷わず判断できる
- その判断の理由を「ネイティブの視点」で説明できる
🟡 Phase 2:実装・定着(第3回・第4回)
目標: 数量表現と典型的誤りの完全排除
学習の進め方:
- 数量表現(many/much/a lot of など)の使い分けを完全にマスター
- 日本人が繰り返しやすい10の誤りを「意識的に避ける」訓練
- ビジネスメールなど実際の文章で練習
- 誤りを「客観的に観察」し、改善サイクルを回す
このフェーズの終了条件:
- “informations” “an advice” などのミスが「絶対に出ない」
- 不可算名詞を自動的に正しい形で使える
- 数量表現を文脈に応じて正確に使い分けられる
🟢 Phase 3:応用・自動化(第5回)
目標: 文脈に応じた柔軟な名詞操作を自動化
学習の進め方:
- カジュアル・ビジネス・アカデミックなど場面別の使い分けを学習
- スピーキングとライティングでの違いを理解
- ドラマ・映画・ニュースなどで「生きた表現」を吸収
- 実際の会話・メール・プレゼンで繰り返し使用
このフェーズの終了条件:
- 場面や相手に応じて、自動的に適切な名詞表現が出てくる
- ネイティブのような自然さで、あらゆる状況で英語を使いこなせる
よくある質問:学習前に知っておくべきこと

Q1. 「名詞なんて細かすぎるのでは?」
A. 多くの学習者がこう思います。しかし、ネイティブに「あ、非ネイティブだな」と感じさせる原因の50%以上は、実は冠詞よりも名詞の間違いです。
例えば、”I got five informations” と言ったとき、冠詞の誤りよりも、この複数形が耳に障ります。つまり、名詞の正確性こそが、実践的な英語力を決める最大要因なのです。
Q2. 「どの記事から始めればいい?」
A. 基本的には第1回→第2回→第3回→第4回→第5回の順序がベストです。ただし、以下のように「悩み別」に選ぶこともできます。
すぐに間違いを直したい方: 第4回から始める → 「何がダメなのか」を知ることで、動機づけが強くなります
冠詞で常に迷う方: 第1回・第2回を重点的に → 名詞の本質を理解すれば、冠詞の選択も自動的に改善されます
数量表現の使い分けで困っている方: 第3回から始める → すぐに実践に活かせる知識が得られます
Q3. 「学習期間はどのくらい?」
A. 以下が目安です:
| フェーズ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| Phase 1(基礎理解) | 2〜3週間 | 第1回・第2回を丁寧に学習 |
| Phase 2(実装・定着) | 3〜4週間 | 第3回・第4回で集中練習 |
| Phase 3(応用・自動化) | 4〜8週間 | 第5回+日常的な実践 |
| 合計 | 3〜4ヶ月 | 無意識レベルまで定着 |
ただし、毎日の実践的な使用(会話・メール・ニュース視聴など)が必須です。
Q4. 「全部学ぶ必要があるのか、それとも必要な部分だけ?」
A. 理想は「全5回を順序立てて学ぶ」ことですが、時間が限られている場合は、以下の優先順位で選んでください。
必須(絶対): 第1回・第2回 → 名詞の本質理解なしに、その先の学習は意味がありません
重要(できれば): 第4回 → 日本人が繰り返しやすい10の誤りを知ることで、ミスが劇的に減ります
あると便利(余裕があれば): 第3回・第5回 → より実践的で洗練された英語になります
Q5. 「テスト対策には役立つのか?」
A. はい、非常に役立ちます。ただし、このコースは「テスト対策用」ではなく「実践的なコミュニケーション力」を主軸としています。
結果的に、ネイティブ的な思考プロセスを理解することで、テストでも高得点が取れるようになります。 むしろ、機械的な「ルール暗記」よりも確実です。
まとめ:今すぐ第1回から学習を開始しましょう

「英語が上達しない」「不自然に聞こえる」という悩みは、名詞システムの理解で確実に解決します。
テスト対策ではなく、実践的なコミュニケーション力を磨くための、このシリーズ全5回の学習。
あなたの英語を次のレベルへ導く、最初の一歩はここから始まります。
今すぐ、以下のリンクから第1回を開始してください:
👉 【第1回】英語の名詞分類を完全攻略!可算・不可算・集合・抽象名詞の違いと見分け方
全5回シリーズへのリンク一覧
- 英語の名詞分類を完全攻略!可算・不可算・集合・抽象名詞の違いと見分け方
- 冠詞の迷いを根本から断つ。中上級者がマスターすべき「名詞のシステム」
- 「a lot of だけ使っていれば通じる」を卒業!名詞の数量表現完全ガイド
- 「一生、その『s』を付け続けますか?」日本人が絶対にハマる名詞の落とし穴10選
- 「ルールは知っているのに、なぜか不自然…」名詞の文脈による使い分け完全マスター
結論:名詞を制する者は、英語の「品格」を制する
お疲れ様でした。名詞のシステムを学ぶことは、単に「s」をつけるかどうかのルールを知ることではありません。それは、「英語話者が世界をどう見ているか」という思考のプロセスをインストールする作業です。
名詞を正しく扱えるようになると、あなたの英語は確実に変わります。
- 正確性: informations や an advice といった「中級者特有のミス」が消える。
- 信頼性: 論理的な名詞の選択により、ビジネスやアカデミックな場でも一目置かれる。
- 効率性: 冠詞の選択や動詞の単複判定で迷う時間が激減する。
一歩ずつ、この5つのステップを歩んでみてください。数ヶ月後、あなたは辞書を引かなくても「この単語は、この文脈なら不可算だ」と直感的に判断できるようになっているはずです。
🔗 次のステージへ:名詞を理解したら「冠詞」は自動的に解ける
名詞の性質(可算・不可算)が完璧に整理できたら、次に挑戦すべきは「冠詞(a/an/the)」です。
実は、冠詞のミスを防ぐ最強の特効薬は、冠詞のルールを覚えることではなく、今回学んだ「名詞のシステム」を理解することにあります。名詞という「土台」がしっかりしていれば、その上に乗る冠詞という「屋根」を迷わず選べるようになるからです。
「名詞の輪郭」が見えてきた今こそ、併せてこちらのチャプターもチェックしてみてください。
👉 【英語の冠詞完全ガイド】名詞のシステムを活かしてa・an・theを使いこなす方法
あなたの英語が「点」ではなく「線」でつながり、本当の意味で洗練されていく瞬間を、ぜひ体感してください。
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このガイドは、35年以上の英語教育経験を持つ矢野晃によって作成されました。数千人の講師を育て数千人の生徒を指導してきた実績に基づく、実践的で効果的な学習方法をお届けしています。








