「知っている」を「聞き取れる・使える」に変える、最強の動画連動学習
MLBの英語実況を聴いていて、「単語は知っているはずなのに、一瞬で通り過ぎて聞き取れない」と感じたことはありませんか?
その最大の理由は、その表現に出会った「回数」と「文脈の多様さ」が不足しているからです。
英語教育の専門家として、私は断言します。語彙を本当の意味で定着させるには、単語帳を眺めるだけでなく、実際のプレー映像(視覚)と実況音声(聴覚)を、解説記事(読解)とリンクさせて脳に刻み込む必要があります。
本記事では、大好評の「MLB野球英語100選」で紹介した重要表現を、12本のYouTube動画を使ってマスターするための「実践トレーニング・ガイド」をお届けします。

学習方法のコツ

効果的な視聴方法
- ブログ記事を読む:対応するセクション(ピッチャー、バッター、キャッチャー、監督)を熟読
- 1本目を視聴:まず全体を通して見る(字幕なしが理想)
- ブログ記事を読む:対応するセクション(ピッチャー、バッター、キャッチャー、監督)を熟読
- 再度1本目を視聴:意識して表現を聴く。聞き取れた表現を意識する
- 移動中などに繰り返し視聴する
- 他の動画に関しても、「1〜5」の流れを繰り返す
声に出して練習
動画で出てきた表現は、必ず声に出すことが重要です。発音記号を確認しながら、実際に口を動かして何度も繰り返してください。
なぜ、映像と文字を往復するのか?
人間の脳は、同じ情報に「異なる感覚(視覚・聴覚・読解)」で触れることで、短期記憶を長期記憶へと変換します。動画での「あ、このシーンだ!」という体験と、記事での「なるほど、こういう意味か」という理解が結びついたとき、語彙はあなたの血肉になります。

12本の動画ガイド

ピッチャー関連表現(動画1~2)
動画1:先発投手がマウンドに立つシーン
このシーンでは先発投手が試合開始時にマウンドに登場する場面の表現です。実況者がこれらの表現を使う典型的な例を観察してください。
学習ポイント:
- Take the hill – ピッチャーがマウンドに立つ
- Deliver the ball – ボールを投げる
- Wind-up – 投球準備動作
- Maintain composure – 冷静さを保つ

MLB英語表現シリーズVol.1
投手編①:マウンドに立つ〜クローザーまで
動画2:ランナーがいる状況での投球
MLB中継でよく使われる「投手」に関する英語表現を8つ紹介します。
学習ポイント:
- Base on balls – 四球
- Hit by a pitch – 死球
- Intentional base on balls – 敬遠
- Rubber arm – タフな投手

MLB英語表現シリーズVol.2
投手編②:左腕・四球・暴投を英語で言える?
バッター関連表現(動画3~5)
動画3:打者のスタイル別表現
打順によって異なる役割と特徴が解説される場面です。同じ「hitter」という単語が、異なる修飾語と一緒に繰り返され、語彙が定着しやすい構成になっています。
学習ポイント:
- Contact hitter – コンタクトヒッター
- Power hitter – パワーヒッター
- Lead-off hitter – 先頭打者
- Cleanup hitter – 4番打者

MLB英語表現シリーズVol.3
打者編①:ヒッターを表す英語表現10選
動画4:スイングと打撃技術
メジャーリーグ(MLB)でよく使われる「打撃と走塁」に関する英語表現10選を紹介します。 スイングの形から、塁を進める動きまで、英語で自然に表現できるようになります。
学習ポイント:
- Take a big swing – 大振りをする
- Check swing – スイングを止める
- Inside-out swing – インサイドアウトスイング
- Strong bat speed – バットのスピードが速い

MLB英語表現シリーズVol.4
打者編②:「打撃と走塁」に関する英語表現10選
動画5:バント・犠牲・スモールボールを英語で!
MLBの試合を観ているとよく聞く「バント」「スクイズ」「犠牲フライ」などの英語表現。
学習ポイント:
- Lay down a bunt – バントをする
- Sacrifice fly – 犠牲フライ
- Move the runner over– 進塁させる
- Small ball – スモールベースボール

MLB英語表現シリーズVol.5
打者編③:打者の戦術プレーに関する英語表現10選
キャッチャー関連表現(動画6~7)
動画6:ゲームコントロールと指示
ピッチャーをリードし、守備を指揮する捕手に関する英語表現
学習ポイント:
- Call the game – 試合をコントロールする
- Set the defense – 守備の布陣を指示
- Lead the team – チームを指揮する
- Frame pitches – ストライクをフレーミング

MLB英語表現シリーズVol.6
捕手編①:捕手に関する英語表現10選
動画7:守備技術と処理
試合放送や会話でよく使われる 「捕手の戦術・守備連携」に関する英語表現
学習ポイント:
- Back up a base – ベースをバックアップする
- Signal for a pitchout – ピッチアウトを指示する
- Call for a curveball– カーブボールを指示する
- Block the plate – 本塁をブロックする
- Keep the ball in front – 体で止めて前に落とす

MLB英語表現シリーズVol.7
捕手編②:捕手の戦術・守備連携
監督・試合戦略関連表現(動画8~9)
動画8:監督の意思決定
ベンチから監督が指示を出すシーン、ベンチ内での会話などを通じて、監督の役割が明確に伝わります。
学習ポイント:
- Oversee team strategy – 戦略を統括する
- Make lineup decisions – スタメン決定
- Develop game plans – 試合計画を立てる
- Make pitching changes – ピッチャー交代

MLB英語表現シリーズVol.8
監督編①:監督・戦略・試合運営
動画9:MLB中継で頻出する“チャレンジ”の英語
試合中に耳に入る “チャレンジ” や “判定に関する英語表現” や監督が試合で行う典型的なアクションの英語
学習ポイント:
- Challenge a call – 判定をチャレンジする
- The call stands – 判定維持
- The call is overturned – 判定が覆る
- Argue a call – 判定に抗議する
- Get ejected – 退場になる

MLB英語表現シリーズVol.9
監督編②:チャレンジ関連の必須英語フレーズ
復習編:実践会話(動画10~12)
動画10〜12:会話①〜③
これまでの動画で学んできた、MLB中継や解説で実際に使われる英語表現を「会話の流れ」で聞いて慣れるための動画です。
学習ポイント:
- これまで学んだ全ての表現の統合的な使用
- 複数の表現が組み合わさった実況解説
- ゲーム全体の流れの中での表現理解
- 会話形式での自然な表現の使用

MLB英語表現シリーズVol.10
会話編①:MLB英語が“会話で”聞こえる!

MLB英語表現シリーズVol.11
会話編②:MLB英語が“会話で”聞こえる!

MLB英語表現シリーズVol.12
会話編③:MLB英語が“会話で”聞こえる!
動画を活用した学習スケジュール案

1週間集中学習プラン
| 日程 | 内容 | 動画 |
|---|---|---|
| 月曜日 | ピッチャー表現の基礎 | 1・2・3 |
| 火曜日 | ブログ記事のピッチャーセクション精読 | – |
| 水曜日 | バッター表現の基礎 | 4・5・6 |
| 木曜日 | ブログ記事のバッター&キャッチャーセクション精読 | – |
| 金曜日 | キャッチャー・監督表現 | 7・8・9 |
| 土曜日 | ブログ記事の監督セクション精読 | – |
| 日曜日 | 総合復習:動画10・11・12視聴+記事全体復習 | 10・11・12 |
2週間深掘り学習プラン
1週目は上記のスケジュールを実施し、2週目は以下を実施してください。
- 同じ動画を繰り返し視聴(3回以上)
- 発音記号を確認しながら表現を声に出す
- ブログ記事の例文を音読
- 実際のMLB実況中継を視聴し、学んだ表現を聴き取る
記事と動画の連携学習法

ステップ1:ブログ記事で理解する(読む)
最初に対応するセクションをブログ記事で読み、表現の意味、発音、使用例を確認します。
例:ピッチャー関連の場合
- “Take the hill” の意味と発音を確認
- 例文を読む:”The starting pitcher takes the hill.”
- 類義表現を確認
ステップ2:動画で視聴・リスニングする(聞く)
対応する動画を見て、実際にネイティブがこれらの表現をどのように使うかを確認します。
- 字幕なしで初回視聴
- 2回目は字幕ありで視聴
- 実際の映像と表現が結びつくことで、記憶が強化される
ステップ3:音読とスピーキング練習(話す)
学んだ表現を実際に声に出して使う練習をします。
- ブログ記事の例文を音読(3回以上)
- 同じ表現を使って自分で文を作る
- 動画を見ながら、実況者と一緒に口を動かす
ステップ4:実践的なリスニング(応用する)
実際のMLB実況中継を見て、学んだ表現がどのように使われているかを確認します。
- YouTube上のMLB関連動画を視聴
- 学んだ表現が出てきた時点で一時停止
- その表現がどのような文脈で使われているか確認
よくある質問

Q1:動画は何度見たらいい?
A:最低3回以上の視聴をお勧めします。
- 1回目:全体像の把握
- 2回目:聴き取りと理解
- 3回目以上:表現と映像の結びつけ、習得確認
Q2:全ての表現を覚える必要があります?
A:いいえ。まずは各セクション(ピッチャー・バッター・キャッチャー・監督)で5~10個の重要表現に絞り、それを確実に使えるようにすることから始めてください。応用や派生表現は、その後で学ぶと効率的です。
Q3:動画を全て見る時間がない場合は?
A:以下の優先順位で視聴してください。
- 動画1・4・7・9(各セクションの基本を学ぶ)
- 動画2・5・8・10(応用と実践を学ぶ)
- 動画3・6・11・12(高度な表現と総合練習)
学習効果を最大化するコツ

1. ブログ記事と動画を組み合わせて学ぶ
「読む」→「聞く」のサイクルを回すことで、語彙定着が大幅に加速します。同じ表現を異なるモダリティで繰り返し出会うことが、記憶を強化します。
2. 実際のMLB実況で確認する
学んだ表現が実際の試合中継でどのように使われているかを確認することで、知識が実践的なスキルに変わります。
3. 声に出す習慣をつける
リーディングだけでなく、必ず声に出して音読・スピーキング練習をしてください。これが「話せる」英語への最短ルートです。
4. 週1回はライブ実況を見る
学習後、実際のMLB実況中継を見て、学んだ表現を聴き取る訓練をします。これにより、実践的なリスニング力が格段に向上します。
まとめ:反復と連動が、あなたのMLB観戦体験を劇的に変える

お疲れ様でした!12本の動画ガイドを通じて、野球英語の核心に触れることができたでしょうか。
このYouTube動画シリーズは、ブログ記事「【MLB観戦が変わる!】プロが使う野球英語100選」で学んだ表現を、複数回・異なる文脈で繰り返し学ぶために設計されています。
英語教育の専門家が提唱する「語彙定着の3原則」——
- 複数回の出会い:同じ表現に違った状況で何度も出会う
- 多角的学習:読む・書く・聞くの多方向から学ぶ
- 実践的応用:実際の使用場面を確認する
——を完全に実装した学習教材として活用してください。
今回の学習アプローチの核心は、以下の3点に集約されます。
- 文脈の多層化: 同じ “Take the hill” でも、複数の動画で異なる投手のシーンを見ることで、記憶が強固になります。
- モダリティの変換: 記事で「読み」、動画で「聴き」、声に出して「話す」。この感覚の往復が、語彙力不足を解消する唯一の道です。
- 継続の仕組み: 提案した「1週間集中プラン」のように、あらかじめスケジュールに組み込むことで、学習は習慣へと変わります。
最後のアドバイス: 英語学習に「終わり」はありませんが、「変化」はすぐに実感できます。次にライブでMLB中継を見る際、一つでも多くのフレーズが耳に飛び込んできたら、それはあなたの語彙が確実に定着し始めた証拠です。
もし特定のプレーの表現が曖昧だと感じたら、いつでもこのガイドと元の解説記事に戻ってきてください。
映像と文字を味方につけて、世界最高峰のベースボールを、本場英語のまま楽しめる「真のMLBファン」への道を突き進みましょう!
Happy Learning! See you at the ballpark!


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このガイドは、35年以上の英語教育経験を持つ矢野晃によって作成されました。数千人の講師を育て数千人の生徒を指導してきた実績に基づく、実践的で効果的な学習方法をお届けしています。






