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中級者向け英文法:過去完了形の完全ガイド④【完全版】|過去完了進行形の徹底マスターと過去完了形 vs 進行形の総合演習

🧐 はじめに:過去完了形マスターで会話の精度を上げる

Lesson 3の旅は、いよいよ終着駅です。これまで3回にわたり、過去完了形の基本構造から仮定法間接話法、そして過去形との使い分けといった核心的な論点を学んできました。

特に、渡航や留学を控えている中級以上の学習者にとって、この時制の完全習得はネイティブに違和感を与えない、より正確な英語を話すために不可欠です。複数の過去の出来事が絡む会話や、誰かの発言を正確に報告する場面で、この時制はあなたの会話の精度を劇的に引き上げます。

この最終回では、過去完了形シリーズの知識を完全に統合します。

✅ 過去完了進行形:高度な時制「had been V-ing」の構造、そして「継続」を強調するそのニュアンスを徹底的にマスターします。
✅ 総まとめ:過去完了形(完了)と過去完了進行形(継続)の最も混乱しやすい使い分けを明確にし、実践的な物語形式の総合演習で、知識を揺るぎないスキルに変えます。

この記事を読み終えれば、あなたは過去完了形に関するすべての疑問から解放され、複雑な時制を自在に操る自信を持って、次の学習ステップへと進むことができるでしょう。

目次

過去完了進行形:「had been + 動詞-ing」

過去完了進行形は、「過去完了形」「進行形」が融合した、表現力豊かな時制です。第3回で簡潔に紹介しましたが、ここでは詳細に解説します。

過去完了進行形の基本構造

主語 + had + been + 動詞の -ing 形 + (目的語・修飾句)

構造の各要素

had
  • 過去時制を示す
  • 主語に関わらず常に「had」
been
  • be 動詞の過去分詞
  • 進行形の必須要素
  • be + -ing」を過去完了形で表現するために必要
動詞の -ing 形
  • 動作の「継続」や「進行中」を表現
  • 規則的に動詞に -ing を追加
for / since との組み合わせ

通常、「どのくらい続いていたか」という期間情報を補足

肯定文・否定文・疑問文の形

肯定文

He had been working on the project for three months.
(彼は3ヶ月間そのプロジェクトに取り組んでいた)

否定文

She hadn’t been studying when I called her.
(私が彼女に電話したとき、彼女は勉強していなかった)

疑問文

Had they been waiting long when we arrived?
(私たちが到着したとき、彼らは長く待っていましたか?)

実例で習得:過去完了進行形

例文1:長時間の作業後の疲労

He had been working for 10 hours when he collapsed.
(倒れたとき、彼は10時間働き続けていた)

分析:

  • 基準点:倒れた時点(過去)
  • その前:10時間ずっと働き続けていた
  • ニュアンス:「継続した労働」が倒れの原因に関連

タイムライン:

過去 過去 現在
────────
10時間 倒れる
働き続ける (collapsed)
(had been working)

この表現の力:

  • 単に「10時間働いた」ではなく「10時間ずっと働き続けていた」という、疲労感や継続性が強調される
  • 倒れるまで休む間もなく働き続けていたニュアンスが伝わる

例文2:電話が鳴るまでの読書

I had been reading the book for an hour when the phone rang.
(電話が鳴ったとき、私は1時間ずっと本を読んでいた)

分析:

  • 基準点:電話が鳴った時点
  • その前:1時間読み続けていた
  • ニュアンス:「集中した読書」を強調

タイムライン:

過去 過去 現在
───────
1時間 電話が鳴る
読書中 (rang)
(had been reading)

例文3:天候の変化と降雨

It had been raining all morning before the sun came out.
(太陽が出るまで、朝からずっと雨が降っていた)

分析:

  • 基準点:太陽が出た時点
  • その前:朝からずっと雨が降り続けていた
  • ニュアンス:「長時間の悪天候」を強調

タイムライン:

過去      過去          現在
───────
朝から    太陽が出る
雨が降る     (came out)
(had been raining)

例文4:待機の継続

By the time the doctor arrived, they had been waiting for two hours.
(医者が到着するまでに、彼らは2時間待ち続けていた)

分析:

  • 基準点:医者の到着時点
  • その前:2時間待ち続けていた
  • ニュアンス:「長い待機時間」と、おそらくそれに伴う不安や疲労

例文5:研究への取り組み

She had been researching this topic for years before she published her findings.
(彼女は論文を発表する前に、何年もこのトピックを研究していた)

分析:

  • 基準点:論文発表時点
  • その前:何年も継続的に研究していた
  • ニュアンス:「長期間の継続的な努力」を強調

過去完了進行形の特徴:「継続」を強調

過去完了進行形の最大の特徴は、「動作の継続」「その時間の長さ」を強調することです。

過去完了形(単純形):
I had studied English.
(英語を勉強していた)
→ 「勉強した」という事実のみ

過去完了進行形:
I had been studying English for three hours.
(3時間ずっと英語を勉強していた)
→ 「3時間継続」という時間的な広がりが強調される

過去完了進行形 vs 過去完了形:完全な使い分け

この使い分けは、Lesson 2で学んだ「現在完了形 vs 現在完了進行形」と、基本的に同じロジックです。

基本原則

過去完了形(単純形):「完了」「結果」「状態」に焦点
→ 過去の基準点で「完了している」状態

過去完了進行形:「継続」「進行中」「プロセス」に焦点
→ 過去の基準点まで「続いていた」活動

比較例文1:作業の完了 vs 継続

過去完了形(完了)

She had cleaned the room by 3 PM.
(午後3時までに部屋を掃除し終えていた)

特徴:

  • 掃除が完了している」状態
  • 3時という時点で「完了した状態」
  • 完了」という結果に焦点

タイムライン:

過去 午後3時 現在
──────●
掃除完了
(had cleaned)

過去完了進行形(継続)

She had been cleaning the room for two hours.
(2時間ずっと部屋を掃除していた)

特徴:

  • 掃除が続いていた」プロセス
  • 「2時間」という継続時間を強調
  • 継続」という動作に焦点

タイムライン:

過去 過去 現在
───────
2時間 基準点
掃除中
(had been cleaning)

比較例文2:勉強時間の違い

過去完了形(経験・完了)

I had studied English before the test.
(テスト前に英語を勉強していた)

意味:

  • 勉強という経験を持っていた
  • テストまでに学習を完了していた

過去完了進行形(継続)

I had been studying English for three hours before the test.
(テスト前に3時間ずっと英語を勉強していた)

意味:

  • 3時間継続して勉強していた
  • テストの直前まで勉強し続けていた

比較例文3:待機時間

過去完了形

We had waited for the bus when it finally arrived.
(バスが来たとき、私たちは既に待っていた)
待つという経験状態

過去完了進行形

We had been waiting for the bus for 20 minutes when it finally arrived.
(バスが来たとき、私たちは20分ずっと待ち続けていた)
→ 20分間の継続的な待機を強調

判定フローチャート:過去完了形 vs 過去完了進行形

STEP
「どのくらいの時間」が強調されているか?

時間の「長さ」が重要 ステップ2へ
時間の「長さ」が不重要 ステップ3へ

STEP
「継続」「プロセス」を表現したいか?

YES過去完了進行形を使う
NO ステップ3へ

STEP
「完了」「結果」「状態」を表現したいか?

YES → 過去完了形(単純形)を使う
NO → 再度検討


よくある誤り と注意点

過去完了形と過去完了進行形を学ぶ際、多くの学習者が同じ誤りを繰り返します。

誤り1:状態動詞を進行形にしてしまう

❌ 誤り:

She had been knowing him for years.

✓ 正解:

She had known him for years.
(彼女は何年も彼のことを知っていた)

理由:

  • 「know」状態動詞であり、進行形にしても意味が成り立たない
  • Lesson 2・4で学んだ、状態動詞と進行形の組み合わせ不可ルールが適用される

状態動詞の代表例:

  • know(知る)
  • like(好きである)
  • have(持つ)
  • be(である)
  • believe(信じる)
  • understand(理解する)

誤り2:過去の特定時点を示す語との組み合わせ

❌ 誤り:

I had been finishing the report yesterday.

✓ 正解:

I finished the report yesterday.

理由:

  • 「yesterday」「過去の特定時点」を示す
  • 過去完了形・過去完了進行形は「期間」「継続」を表すため、特定時点との組み合わせは不適切
  • このような場合は、単純過去形を使う

その他の特定時点を示す語:

  • yesterday(昨日)
  • last week(先週)
  • three days ago(3日前)
  • in 2020(2020年に)

誤り3:状態を説明する場合に進行形を使う

❌ やや不自然:

I had been tired when I arrived.

✓ より自然:

I was tired when I arrived.

または

I had become tired by the time I arrived.

理由:

  • 「tired」は「状態」であり、-ing 形にはならない
  • 状態を表す形容詞では、進行形は基本的に使用されない

誤り4:時制の混乱

❌ 不適切:

By the time he arrived, I had finishing the dinner.

✓ 正解:

By the time he arrived, I had finished the dinner.

理由:

  • had」の後は「過去分詞」が必ず来る
  • 「finishing」(-ing 形)ではなく「finished」(過去分詞)を使う
  • この文が「進行形」を表したい場合は「had been finishing」になる

過去完了形の使い分け:総合比較表

ここまで学んだ、複数の時制と過去完了形群の使い分けを、一覧表で整理します。

時制焦点キーワード
過去形動詞の過去形過去の一点I ate lunch.yesterday, last week
過去完了形had + 過去分詞過去の基準点より前I had eaten before she arrived.before, by the time
過去完了進行形had been + -ing過去の基準点まで続いていたI had been eating for an hour.for, all day
現在完了形have/has + 過去分詞過去から現在までの影響I have eaten.already, yet, just
現在完了進行形have/has been + -ing過去から現在まで続くI have been eating for an hour.for, since

実践的な物語形式での総合演習

ここまで学んだすべての知識を統合し、実践的な物語形式での演習問題に取り組みます。

練習問題:空欄補充(10問)

次の物語文を読んで、空欄に適切な時制を入れてください。各問について、時制と理由も説明します。

問題1:
When I (arrive) at the party, everyone (already/leave).

問題2:
By the time she (wake up), her brother (cook) breakfast.

問題3:
After I (finish) the report, I (realize) I (make) a mistake.

問題4:
The movie (start) by the time we (get) to the cinema.

問題5:
He (not/eat) anything because he (lose) his wallet.

問題6:
Before they (move) to Tokyo, they (sell) their house.

問題7:
When I (call) him, he (already/complete) the task.

問題8:
After she (graduate), she (work) at a hospital.

問題9:
By the time the police (arrive), the thief (escape).

問題10:
I (not/know) about the event because I (not/check) my email.

解答と詳細解説

解答1:arrived / had already left

When I arrived at the party, everyone had already left.
(パーティーに到着したとき、皆はもう去っていた)

解説:

  • 「到着した」(arrived)が基準点
  • その基準点「前」に「全員が去っていた」(had already left)
  • 時系列:had left → arrived
  • キーワード:「already」が過去完了形のシグナル

タイムライン:

過去    過去        現在
─────
去った     到着
(had left)  (arrived)

解答2:woke up / had cooked

By the time she woke up, her brother had cooked breakfast.
(彼女が起きるまでに、兄が朝食を作っていた)

解説:

  • 「起きた」(woke up)が基準点
  • その基準点「前」に「朝食を作っていた」(had cooked)
  • キーワード:「by the time」が基準点を示す
  • 時系列:had cooked → woke up

解答3:had finished / realized / had made

After I had finished the report, I realized I had made a mistake.
(レポートを終えた後、間違いに気づいた)

解説:

  • 「気づいた」(realized)が物語の基準点
  • その前に「レポート完了」(had finished)
  • さらにその前に「間違いを作った」(had made)
  • 複数の過去の出来事の時系列が明確
  • 時系列:had made → had finished → realized

タイムライン:

過去 過去 過去 現在
────────────
間違い レポート 間違いに
を作った. 完了 気づいた
(had made) (had finished) (realized)

解答4:had started / got

The movie had started by the time we got to the cinema.
(映画館に着いたとき、映画は既に始まっていた)

解説:

  • 「映画館に着いた」(got)が基準点
  • その基準点「前」に「映画が始まっていた」(had started)
  • キーワード:「by the time」
  • 時系列:had started → got

解答5:hadn’t eaten / had lost

He hadn’t eaten anything because he had lost his wallet.
(財布をなくしたから、何も食べていなかった)

解説:

  • 「食べなかった」(hadn’t eaten)が結果
  • 「財布をなくした」(had lost)が原因(より前の出来事)
  • 論理的な時系列を表現
  • 時系列:had lost → hadn’t eaten

タイムライン:

過去 過去 現在
─────
財布を 食べない
なくす (hadn’t eaten)
(had lost)

解答6:moved / had sold

Before they moved to Tokyo, they had sold their house.
(東京に引っ越す前に、彼らは家を売っていた)

解説:

  • 「東京に引っ越した」(moved)が基準点
  • その基準点「前」に「家を売った」(had sold)
  • キーワード:「before」で時系列が明確
  • 時系列:had sold → moved

解答7:called / had already completed

When I called him, he had already completed the task.
(電話したとき、彼は既にタスクを完了していた)

解説:

  • 「電話した」(called)が基準点
  • その基準点「前」に「タスク完了」(had already completed)
  • キーワード:「already」
  • 時系列:had completed → called

解答8:had graduated / worked

After she had graduated, she worked at a hospital.
(卒業した後、彼女は病院で働いた)

解説:

  • 「病院で働いた」(worked)が基準点
  • その基準点「前」に「卒業した」(had graduated)
  • キーワード:「after」で順序が明確
  • 注意:「after」がある場合、過去形だけでも可だが、より正確には過去完了形を使う
  • 時系列:had graduated → worked

解答9:arrived / had escaped

By the time the police arrived, the thief had escaped.
(警察が到着したとき、泥棒は既に逃げていた)

解説:

  • 「警察が到着した」(arrived)が基準点
  • その基準点「前」に「泥棒が逃げた」(had escaped)
  • キーワード:「by the time
  • 時系列:had escaped → arrived

タイムライン:

過去 過去 現在
─────
逃げた 警察到着
(had escaped) (arrived)

解答10:didn’t know / hadn’t checked

I didn’t know about the event because I hadn’t checked my email.
(メールを確認していなかったから、イベントのことを知らなかった)

解説:

  • 「知らなかった」(didn’t know)が結果
  • 「メールを確認していなかった」(hadn’t checked)が原因
  • 「知らなかった状態」という過去の継続が「確認しなかった状態」に起因
  • 時系列:hadn’t checked → didn’t know

タイムライン:

過去 過去 現在
───────
メール確認 イベント
しなかった を知らない
(hadn’t checked) (didn’t know)

🧩 過去完了形 × 過去完了進行形:総合演習(10問)

【Part 1|時制選択:had + p.p. or had been + -ing】

文脈に合う方を選び、動詞を正しい形にしなさい。

  1. When I arrived at the office, he ______ (work) for two hours.
  2. She ______ (clean) the room by 3 PM.
  3. It ______ (rain) all morning before the sun came out.
  4. By the time the bus arrived, we ______ (wait) for 20 minutes.
  5. Before she published her findings, she ______ (research) the topic for years.

【Part 2|誤り訂正:PDFにある “よくあるミス” 改善】

文を自然な英語になるように直しなさい。

  1. ❌ She had been knowing him for years.
  2. ❌ I had been finishing the report yesterday.
  3. ❌ I had been tired when I arrived.

【Part 3|総合読解:文脈から時制を判断】

文脈に合う形を選んで動詞を正しく変化させよ。

  1. When the police arrived, the thief ______ (escape).
  2. I didn’t know about the meeting because I ______ (not / check) my email.

✅【解答と詳細解説】

  • had been working
    → “for two hours”=継続時間 → 過去完了進行形
    倒れた時や到着時点までの「続いていたプロセス」を示すため。
  • had cleaned
    → by 3 PM=「3時までに完了」→ 完了の過去完了形
    結果(掃除が終わっている状態)に焦点がある。
  • had been raining
    → all morning=継続 → 天候の持続を示す → 過去完了進行形
  • had been waiting
    → for 20 minutes → 継続時間 → 過去完了進行形
  • had been researching
    → for years → 長期間の継続 → 過去完了進行形
  • (訂正文)She had known him for years.
    → know は 状態動詞 → 進行形にできない。「知っていた」という状態は過去完了形(単純形)で表す。
  • (訂正文)I finished the report yesterday.
    → yesterday=過去の特定時点 → 完全に過去 → 過去形。過去完了進行形は使えない。
  • (訂正文)I was tired when I arrived./I had become tired by the time I arrived.
    → tired は状態 → 進行形不可。状態描写では過去形(was)が自然。
  • had escaped
    → 警察到着(過去)より前に逃走した → 過去完了形
  • hadn’t checked
    → 「知らなかった(結果)」の原因が「メールを見ていなかった」
    → 原因が先 → 過去完了形

Lesson 3全体の最終レビュー

全4回の学習進捗

回次テーマ習得内容
第1回基本構造had + 過去分詞 / 3つの主要用法 / 過去分詞の覚え方
第2回実践的用法日常会話 / 仮定法過去完了 / 間接話法
第3回時間表現と使い分けby the time / before / after / 過去形との使い分け
第4回過去完了進行形と総合演習過去完了進行形 / 総合的な使い分け / 実践演習

📝 まとめ:時制習得の旅の完了と次のステップ

この全4回にわたる過去完了形のガイドを終え、あなたは「過去の基準点との相対的な時間関係」という、英語の時制が持つ最も論理的な側面を完全に理解しました。

この最終回では、特に過去完了進行形を深く習得し、過去完了形との「完了 vs 継続」という使い分けの原則を確立しました。これにより、あなたは過去の出来事を単に並べるだけでなく、動作の完了、結果、経験、そして継続のニュアンスを細かく表現する能力を手に入れたことになります。

  • 実践力: 演習を通じて、複雑な時系列の物語文を正確に作成・理解できるスキルを身につけました。
  • 表現力: had been V-ing を使えるようになったことで、会話の中で「どれくらいの時間、その動作を継続していたか」というニュアンスを豊かに伝えられます。

このLesson 3の完了は、Lesson 1(冠詞)Lesson 2(現在完了形)から続く「英語のロジック習得の旅」における、最も重要なマイルストーンの一つです。

🚀 渡航を控えた学習者へ贈る実践的アドバイス

過去完了形の知識を、これから迎える現地での「生きた会話」ですぐに活用するために、以下のトレーニングを取り入れましょう。

  1. 「報告・伝達」会話シミュレーション: 渡航先で、誰かの発言内容を別の誰かに報告する場面を想定し、間接話法を意識的に使って会話練習をします。
    • 例: 友人Aのセリフ:「I have never been to the Grand Canyon.」
    • あなたの報告: 「She said she had never been to the Grand Canyon.」(彼女はグランドキャニオンに行ったことがないと言っていたよ。) → 現在完了形を過去完了形にシフトする練習を徹底しましょう。
  2. 「理由と背景」強調トレーニング: 会話で何かを説明する際、「なぜそうだったのか」という背景となる過去の出来事を、必ず過去完了形を使って付け加える習慣をつけましょう。
    • 例: 「I was late to the party because the train had broken down an hour before.」(電車が1時間前に故障していたせいで、パーティーに遅れたんだ。) → これにより、あなたの会話が論理的で分かりやすくなります。
  3. 「for/since」を伴う継続会話: 「〜の時点で、どれくらい続けていたか」という継続的な情報を、過去完了進行形を使って話す練習をします。
    • 例: 「I had been working on that project for six months when I moved here.」(ここに来た時点で、そのプロジェクトに6ヶ月間取り組んでいました。) → 長期的な経験や活動を話す際に、この時制は非常に役立ちます。

過去完了形をマスターしたあなたは、もはや「中級者」の枠を超え、上級者として自信を持ってコミュニケーションを取る準備ができています。現地での生活と学習の成功を心より応援しています。

著者からの最終メッセージ

35年以上の英語教育経験を通じて、私は何度も何度も、同じ「学習者の成長の瞬間」を目撃してきました。

最初、「時制?複雑だ…」と躊躇していた学習者が、冠詞の習得から始まり、現在完了形を経て、やがて過去完了形に到達するとき。

その瞬間、学習者の目の中に「理解の光」が輝くのです。

それまでバラバラだった「時制の知識」が、突然一つの「体系」として統合される。時間軸という概念を通じて、複数の時制が「なぜそこに存在するのか」その必然性が理解できるようになる。

Lesson 1~3を通じて、皆様が体験されたのは、単なる「文法ルール」の習得ではなく、「英語という言語のロジック」への深い理解です。

この理解があれば、新しい表現や複雑な文法に出会ったとき、皆様は「パニック」ではなく「論理的な思考」で対応できるようになります。

これが、真の「英語力」です。

皆様の英語学習の旅は、ここからがさらに加速していくでしょう。

すべての学習者の英語習得への道を、心より応援しています。

〜「中級者向け英文法」Lesson 1・2・3シリーズ、完全完結〜

〜皆様の英語学習の新しい段階へ、心より応援申し上げます〜

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