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高校生留学

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「高校留学」とは、その名の通り高校から留学する事です。大きく分けて、「高校留学」と言う形で1年間程度留学するタイプと高校3年間を海外で過ごすタイプがあります。主にアメリカ・カナダの高校が中心です。

日本の中学を出ていきなり高校に入るのはかなりハードルが高く、また高校生の場合、年齢的にも難しい時期なので、事前の準備が大切になります。英語力に関しても、10代なので日常会話的な英語力は比較的身に付きやすいのですが、どうしても子供の会話になってしまうので、帰国後に努力しないと留学経験が生きて来ないケースもあります。

とは言え、あくまでも「仕事で使う英語力」と言う観点で考えた場合の話なので、「人生経験」としては非常に有意義な時間になると思います。具体的な高校留学の方法などは、留学斡旋会社などのHPに詳しく書いてあると思うので、ここでは、私自身が一緒に働いてきて非常に「高校留学が成功した例」と思われるケースの紹介と、「高校留学の注意点」を説明したいと思います。

目次

1. 高校留学の成功例

1)ケース#1

最初の例はMさんです。高校3年間をカナダで過ごし、卒業後帰国して上智大学に入学したのですが、当時私が運営していた英会話スクールにアルバイトで応募してきて、大学入学前に勤務開始しました。

採用面接で初めて会った時は、「本当に高校生のまま」と言う感じで非常に幼い印象を受けたのですが、英語力は非常に高く、確か中学生時に英検準1級か英検1級に合格していたのだと思います。また、見た目は「本当に高校生のまま」と言う感じでしたが、面接時の受け答えもしっかりしていて礼儀正しく、育ちの良さが感じられました。

もちろん、英会話講師を志望していたのですが、社会人対象の英会話スクールです。いくら英語力が高くても見た目が「本当に高校生のまま」と言う18歳に教えさせる訳にはいきません。

女子のイラスト

採用時に本人には以下のような事を伝えました。

  • 社会人が対象なので、日本語でしっかりとした顧客対応ができるようになるまでは教えられない。
  • 最初の半年から1年はスクールスタッフとして勤務してもらう。
  • 日本語で顧客対応ができるようになってから講師研修を始める。
  • 講師研修が始まるまで、中学1年から中学3年の英語教科書を徹底的に復習する事。

元々非常に頭の良い子でしたので、数ヶ月後には日常的な顧客対応は特に問題なく出来るようになり、見込み客に対してセールスもできるようになりました。ただし、見た目が非常に幼かったので、大学1年生のうちは、スクールスタッフとして勤務してもらいました。

大学1年生の春休みに講師研修を実施しました。講師研修は数名のグループで行うのですが、彼女の場合1年間スクールスタッフとして勤務していたので、スクールシステムやテキストの内容、レベル設定などをよく理解していた上、他の講師がレッスンをしている様子を日々見ていたので、非常にスムースに吸収して行きました。

大学2年生からはずっと講師として勤務してもらいました。スーツを着てレッスンをしていると、採用時の「本当に高校生のまま」と言う印象はすっかりと消えていました。講師としても評判良く、人気の高い講師だったのですが、大学3年時に1年間留学に行ってきたのです。

当然その間休職したのですが、留学先を聞いてびっくりしました。ソルボンヌ大学です。1年間全てフランス語で授業を受けて単位も取ってきました。留学から帰国し、大学4年の4月か5月には、PwCから内定を貰い、就職活動は終了してしまいました。

現在、きっと就職先で活躍している事だと思います。彼女以外にも、長期間留学して帰国した講師帰国子女の講師などで優秀な講師と数多く一緒に働いてきましたが、このタイプの成功例で共通している事があります。当然ながら、高度な英語力を備えていることが大前提です。

  • 英語で話す時と日本語で話す時を完全に切り分けられる。
  • 日本語が非常にしっかりとしている。
  • 日本人としての良識を備えている。
  • 何事にも真面目に取り組む。

やけに、「日本語」とか「日本人」を強調すると思われるかもしれませんが、どんな仕事をしてもお客さんは日本人だし、就職先で一緒に働く人も日本人です。日本の社会はまだまだ保守的でダイバーシティには程遠く、異質なものを嫌います。

数年間海外で過ごし、中途半端な英語力で帰国したにも関わらず、完全に勘違いしてしまい、日本や日本人を見下すような態度を見せる残念な人達にも多く出会いました。怒ると言うより、お気の毒な印象を受けたと言うのが正直なところです。

反対に、長い期間海外で過ごし、高度な英語力を身につけ、日本語でのコミュニケーション力も非常に優れた人材にも多く出会いました。特に高校生から留学したような場合は、親御さんの考え方や教育方針が大きく影響していたのだと思います。

2)ケース#2 

女子のイラスト

2人目の例はOさんです。高校3年間と大学4年間アメリカで過ごし、卒業後更に1年間アメリカで仕事して帰国しました。帰国後、パートタイム講師として、私が運営していた英会話スクールで教え始めました。

面接に来た当時は、恐らく帰国直後だったのでしょう。アメリカ生活が長かったせいか、見た目の第一印象は「日系2世」みたいな感じで、同年代の日本人の子より、どこか垢抜けない印象でした。確か、大学院進学を考えていたのだけれども、アメリカで働いていても学費が貯まらないので、日本で働き学費が貯まった段階でアメリカの大学院へ進学しようとしていたのだったと思います。

非常に優秀な子だったので、短期間で昇進を続けました。

STEP
パートタイム講師

週3日程度のパートタイム講師

STEP
正社員

正社員として週5日勤務

STEP
シニアインストラクター

リーダー講師として新人指導

STEP
ヘッドインストラクター

生徒数1000人弱のスクールで勤務する30名程度の講師を管理

STEP
アシスタントエリアマネージャー

複数校の講師全般管理

STEP
エリアマネージャー

講師管理のみならず、スクールスタッフ管理と4校の収支を管理。

私が運営していた英会話学校では、講師採用であっても、必ず最初にスクールスタッフとしての研修を実施し、数週間から数ヶ月スクールスタッフとして勤務してもらいました。一般的に日本人講師はレッスンが上手く、あまり苦情になるような事はないのですが、お客様である生徒さんの目が、対外国人講師より厳しくなります。

レッスン中は全て英語でレッスンをするので良いのですが、レッスン前後に日本語でコミュニケーションを取る時の態度や言葉遣いで、問題になっては元も子もないので、スクールスタッフとして顧客対応を身につけてもらっていました。

と言う訳で、講師研修をする前に、スクールスタッフとしての研修を実施したのですが、同時期に研修を受けていたスクールスタッフ採用の新人よりも、日本語コミュニケーション力が数段上で非常に驚きました

元々頭が良い子でしたので、吸収力が高く、講師研修を受けている時点で、既に現場で教えている他の講師よりも、ずっと良いレッスンが出来ていました。研修中から「なんでこんなに上手く出来るのだろう?」と不思議に思っていたのですが、やはりコミュニケーション力が非常に高かったのだと思います。

と言うことで、非常に優秀は講師だったので、その後、パートタイムから正社員になってもらい、短期間でヘッドインストラクター、アシスタントエリアマネージャー、エリアマネージャーと昇格し、約5年くらい勤務してくれたのだと思います。

その後、当初の予定通り学資が貯まった段階で国内の大学院進学し、2年後に修士号を取った後、博士号取得のためにアメリカへ戻りました。

高校からアメリカへ留学していたので、その経緯を聞いた事があるのですが、雑談の中で聞いたので、細部が正しいかどうかはよく覚えていません。こんな感じだったと思います。

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海外生活

家族の仕事の関係で幼少期をアメリカで生活。

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日本での学校生活

小学校高学年から中学校まで日本で生活。帰国子女なのにあまり英語が話せなかった。

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高校留学

帰国子女なのに英語が話せないことにコンプレックスを持ち、高校留学を決意。渡米直後はほとんど話せなかった。

STEP
大学進学

アメリカの4年生大学を卒業。大学生時代は、大変だったものの英語力で大きく困る事はなかった。

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仕事

大学卒業後、確か1年程度働いたらしい。

おそらく通算で8年から9年くらいアメリカで過ごしていたのだと思います。日本語、英語を問わず、非常にコミュニケーション能力の高い子だったので、日本人講師、外国人講師、スクールスタッフ、お客さん等、全方面で非常に良い人間関係を築くことができました。

かなり意識的にコミュニケーションスタイルを変えていたのだと思いますが、やはり英語で外国人とコミュニケーション取っている時の方が自然に振る舞っていた気がします。ケース#1のOさんと同様に以下のような特徴がありました。

  • 英語で話す時と日本語で話す時を完全に切り分けられる。
  • 日本語が非常にしっかりとしている。
  • 日本人としての良識を備えている。
  • 何事にも真面目に取り組む。

やはりOさんの事例同様に、やけに、「日本語」とか「日本人」を強調すると思われるかもしれませんが、どんな仕事をしてもお客さんは日本人だし、就職先で一緒に働く人も日本人です。日本の社会はまだまだ保守的でダイバーシティには程遠く、異質なものを嫌いますので、やむを得ません。

英会話スクールの場合は社会人対象のサービス業なので、特にそういう側面が強いのかもしれません。

まとめ

正直なところ、高校生留学は非常に難しいと思います。英語力の面から考えると、プラスとマイナスの両面が考えられます。どちらを取るのかは考え方次第です。

メリットデメリット
若いので比較的短期間で日常会話が身につく

環境に馴染めると文化的にも順応しやすい
一生の友達に出会える可能性がある
柔軟性の高い考え方を身につけれられる
大人のコミュニケーションができる訳ではない
新しい環境に馴染めないケースも多い
カルチャーショックが大きすぎる場合もある
極端に感化されてしまう可能性がある

やはり高校生の場合、事故が確立できてない段階で留学してしまうので、親御さんの意識が大きく影響すると思います。単に「外国で数年暮らせば英語が出来るようになる。」「英語さえ話せるようになれば全て良い方向へ向かう」という発想だと、後々子供が苦労する可能性が高いようです。

英語圏の文化と日本の文化を両方とも大切にし、社会人として日本の社会に順応できる躾を続けた上で、大学でしっかりと勉強するという意識を持ち続ければ非常に良い経験になると思います。

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