Lesson 31 で英語の5文型を紹介しました。英語の文型は、正しい文を作るための基本構造です。しかし、「5文型」という言葉を聞いただけで苦手意識を持つ方も多いので難しかったのではないでしょうか?
本記事では、5文型をもう少し詳しく解説します。特に初心者の方にはあまり必要性を感じないかも知れません。とは言え、今後中級レベル、上級レベルへと上達したい方には避けて通れない道です。本格的に学習したい方は最後まで読んでよく理解してください。
(初心者向けなので意図的に簡略化しています。)
1. 文型とは?基本的な考え方
文型とは、文を構成する基本的な構造を示すものです。英語には以下の5つの文型があります。
- SV: 主語 + 動詞
- SVC: 主語 + 動詞 + 補語
- SVO: 主語 + 動詞 + 目的語
- SVOO: 主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語
- SVOC: 主語 + 動詞 + 目的語 + 補語
これらの文型を理解することで、文章の意味を正確に把握し、効率的に英文を作れるようになります。
2. 第1文型から第3文型の解説と例文
- 第1文型(SV: 主語 + 動詞)
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- 主語と動詞だけで成立する、最もシンプルな文型。修飾語句を加えることで内容が具体化します。
ポイント文型を考える時は、基本的に名詞と動詞で把握します。副詞や副詞句は修飾語句として扱い、文型に影響しません。
例文:
He works very hard.
(彼はとても一生懸命働く。)
*veryとhard は副詞なので、文型に影響しません。I go to school.
(学校へ行きます。)
*go to school は副詞句なので、文型に影響しません。They live in Tokyo.
(彼は一生懸命働く。)
*in Tokyo は副詞句なので、文型に影響しません。Your cat is under the table.
(あなたの猫はテーブルの下にいます。)
*under the table は副詞句なので、文型に影響しません。 - 第2文型(SVC: 主語 + 動詞 + 補語)
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- 主語と補語がイコールの関係になります。補語には形容詞や名詞が来ます。
ポイント 1文型を考える時は、基本的に名詞と動詞で把握します。形容詞は名詞を修飾するので冠詞や名詞と組み合わせて「名詞句」として考えます。
例文:
She is kind
(彼女は教師です。)
*kind(形容詞)と主語:Sheがイコールの関係になります。She is a kind teacher.
(彼女は教師です。)
*a(冠詞)とkind(形容詞)でteacher(名詞)を修飾しています。「名詞句:a kind teacher」と主語:Sheがイコールの関係になります。ポイント 2第2文型で使う動詞はBE動詞が多いのですが、BE動詞以外に以下の動詞も使われます。
- seem、taste、smell、look、feel、soundなどの感覚を表す動詞
- become、get、turn、comeなどの状態の変化を表す動詞
- remain、stay、keep、lieなどの状態を表す動詞
He seems nice.
(彼は良い人そうだ。)She looks young.
(彼女は若そうだ。)It tastes good.
(美味しい。)He became a teacher.
(彼は教師になった。)They remained silent.
(彼らは黙っていた。) - 第3文型(SVO: 主語 + 動詞 + 目的語)
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- 動詞の後に動作の対象となる目的語が続きます。
ポイント文型を考える時は、基本的に名詞と動詞で把握します。副詞や副詞句は修飾語句として扱い、文型に影響しません。
例文:
I sent an email to her.
(私は犬が好きです。)
*to her は副詞句なので、文型に影響しません。She gave a book to me.
(彼女は本を読む。)
*to me は副詞句なので、文型に影響しません。I bought flowers for her.
(彼女は本を読む。)
*for her は副詞句なので、文型に影響しません。
3. 応用編:第4文型と第5文型
- 第4文型(SVOO: 主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語)
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- 第4文型では、「~に(間接目的語)」と「~を(直接目的語)」の両方を取ります。
- 動作の対象が「人(間接目的語)」と「物(直接目的語)」で分かれるのが特徴です。
- 間接目的語(indirect object): 人や動作の受け手
- 直接目的語(direct object): 与えられたり、行為が及ぶ物
ポイント第4文型でよく使われる動詞は以下になります。
- give: 与える
- send: 送る
- teach: 教える
- show: 見せる
- tell: 言う
- buy: 買う
- lend: 貸す
- offer: 提供する
例文:
She gave me a present.
(彼女は私にプレゼントをくれた。)He told us a story.
(彼は私たちに話を聞かせた。)I sent her an email.
(私は彼女にメールを送った。)They offered me a job.
(彼らは私に仕事を提供した。)We bought her a present.
(私たちは彼女にプレゼントを買った。)ポイント「間接目的語」を前置詞句に変えると、第4文型を第3文型にする事ができます。
- She gave me a book. (第4文型)→ She gave a book to me.(第3文型)
- I sent her an email. (第4文型) → I sent an email to her.(第3文型)
動詞によって使用される前置詞が異なります。
- to: 「誰かに」与える動作(give, send, lend, etc.)
- for: 「誰かのために」行う動作(buy, make, etc.)
- 第5文型(SVOC: 主語 + 動詞 + 目的語 + 補語)
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- 第5文型は、「目的語(O)」と「補語(C)」がイコールの関係になる文型です。
- 補語は、目的語の状態や性質を補足説明します。
- 動詞の役割は、目的語(O)を補語(C)の状態にすることです。
ポイント第5文型でよく使われる動詞は以下になります。
- make: ~にする
- name: ~と名付ける
- call: ~と呼ぶ
- keep: ~の状態に保つ
- find: ~であると分かる
- elect: ~に選ぶ
- consider: ~だとみなす
例文:
She named her dog Lucky.
(彼女は犬の名前をラッキーにした。)She made me happy.
(彼女は私を幸せにした。)They painted the wall white.
(彼らは壁を白く塗った。)I kept the door open.
(私はドアを開けておいた。)They elected her president.
(彼らは彼女を大統領に選んだ。)
第5文型のポイント
- 目的語(O) = 補語(C)の関係が成立します。
例: I kept the coffee hot.(コーヒーを熱い状態に保った。) - 補語(C)には、形容詞または名詞が来ます。
4. 練習問題
練習問題 1
以下の文の文型を答えてください。
- She gave me a gift.
- We called the baby John.
- He lent her his car.
- They found the story interesting.
- I sent him a postcard.
解答
- 第4文型: 「me(間接目的語)」と「a gift(直接目的語)」がある。
- 第5文型: 「the baby(目的語)」と「John(補語)」がイコール関係。
- 第4文型: 「her(間接目的語)」と「his car(直接目的語)」がある。
- 第5文型: 「the story(目的語)」と「interesting(補語)」がイコール関係。
- 第4文型: 「him(間接目的語)」と「a postcard(直接目的語)」がある。
練習問題 2
以下の文を英語にしてください。
- 私は彼に手紙を送った。
- 彼らは私たちをキャプテンに選んだ。
- 彼は彼女に花を買った。
- 彼らは部屋をきれいに保った。
- 彼は私を友達だと思っている。
解答
- I sent him a letter.(第4文型)
- They elected us captain.(第5文型)
- He bought her flowers.(第4文型)
- They kept the room clean.(第5文型)
- He considers me a friend.(第5文型)
まとめ
5文型を理解することで、英語の構造をしっかり把握し、表現力が向上します。最初は難しいと感じるかもしれませんが、練習を重ねることで自然と使いこなせるようになります。この記事を参考に、ぜひ毎日の学習に取り入れてみてください!
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