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英会話の教え方|実践編⑧|中級レベルの教え方

これまで、リスニングドリルダイアログなど、各アクティビティのアプローチ方法レッスンの構成方法を説明してきました。

基本的なアプローチ方法の説明なのですが、特に初心者を教える場合を前提に説明しています。

初心者に対するアプローチ方法が「英会話の教え方」基本になりますので、まず基本的なアプローチ法を理解し、習得する事を最優先していください。

中級レベル以上を教える場合は、アプローチ方法を変える必要があります。最初から、初級レベルと中級レベル以上を同時に教え始めると混乱してしまい、うまく教えられない可能性があります。スケジュールが許す限り、初級レベルから教え始めてください。

実際に私が管理・運営していたスクールでは最初の6ヶ月から1年間は初級レベルのみ担当させていました。初級レベルに対する教え方が身に付いた時点で、中級レベルの教え方を研修終了後に担当開始していました。

それでは、まず中級レベルの英語レベルを確認しておきましょう。

目次

1. 中級レベルとは

1) 中級者の言語レベル

まず最初に、文法項目語彙レベルなどに代表される、「言語レベル」を見ていきましょう。典型的な日本人学習者を想定してお話ししているので、一般的な「学校教育」の進め方に沿って、「英会話・英語コミュニケーション」のスキルで求められる言語レベルを確認します。先ほども書きましたが、あまり厳密に考える必要はありません。

中級者の場合、中学校3年~高校1年くらいの英語の授業で出てくる内容が中心になります。このリストの文法項目を見て簡単な例文が思い浮かびますか?

すぐに例文が出てくるようであれば、かなり優秀な「中級者」です。「英会話・英語コミュニケーション」のスキルとして考えた場合、文法力も“productive”なレベルで考えるので、「何となく理解している」と言うことではなく、「自分の言葉として使いこなせる」レベルを意味しています。

と言っても、これらは到達目標ですので、何の問題もなく、ほとんどミスもせず、全ての文法事項を使いこなせるのであれば、もう「中級者」ではなく、「上級者」レベルです。

① 主な文法事項
  • 現在完了形
  • 受動態
  • 不定詞・動名詞・現在分詞・過去分詞
  • 関係代名詞・関係副詞
  • 間接話法・間接疑問文・時制の一致
  • 仮定法など
② 語彙・表現
  • 中学3年〜高校1年レベル
  • 人の外見・性格・特徴を表現する語句
  • テレビ・映画・スポーツなど趣味を説明する語句
  • 学校や仕事の具体的な内容を説明する語句

2)中級者のコミュニケーションレベル

また、実際に英語でコミュニケーションを取る場合、こんな感覚を持つタイプです。文法項目や語彙レベルと比較すると、「かなり感覚的」な印象を受けると思いますが、乱暴な言い方をすると、「コミュニケーションってそう言うもの」です。

  • 英語で話していて、「何となく相手の言っていることを大まかに理解できる」
  • テレビドラマやYoutube動画などを、知っている単語・フレーズを頼りに「何となく楽しめる
  • 外国人と英語で話す事にあまり抵抗を感じなく、楽しめる
  • 大まかに理解した」内容を基に、単語・フレーズだけでなく、短いセンテンスで答えられる

ここでの中級者はだいたいこんな感じです。「こんな感じ」と言われると、無責任な印象を受けるかもしれませんが、英語力と一口に言っても、語彙・文法・読解・リスニング・発音・知識など様々な要素が絡み合い、「中級者」という範疇の中でもその一つ一つの個々のスキルのレベルに個人差があります。実際には大雑把な分け方しかできませんので、「大体こんな感じ」で十分です。

この中級者の特徴として、「なんとなく」「大まかに」「楽しめる」と言うことがポイントになります。初級者の場合、必要以上に「細部」が気になってしまい、「一つ知らない単語が出てきてしまうと、全てわからなくなってしまう」と言う特徴があります。「わからない事があると、不安でしょうがない」「怖くて、楽しむどころじゃない」と言う感じでしょうか。

これが、中級レベルになると、ある意味「慣れ」「割り切り」が出てきます。「細部」が理解できない聞き取れない、と言うことに「慣れ」てきます。大まかに大体のことが分かれば、それで大丈夫」と言う感覚になっています。そのくらいのコミュニケーションレベルで、「楽しめる」ようになっています。

2. 中級レベルを教える場合のポイント

中級レベルに関しては、中級レベルの学習者向けの学習方法の記事がありますので、参考にしてください。中級レベルの教え方を簡潔に表現すると以下になります。

「漏らさず、全てをやりつくす!」です。

中級者が中級者である所以は、全てにおいて中途半端だからです。

  • 単語力が足らない。
  • 文法力が足らない。
  • Listeningが曖昧。
  • 読解力がない。
  • 英文を書く事に自信がない。
  • 難しい話題だと話せない。

また、ある程度英語でコミュニケーション取れるようになっているので、「誤魔化し方」も身につけています。

中級レベルを教える時には、曖昧な点、誤魔化している点、勘違いしている点、などを潰していく必要があります。

1点注意点があります。

「漏らさず、全てをやりつくす!」が大切なのですが、レッスンでどこまで潰していくかは、加減が必要です。担当している生徒の目標設定やモチベーションをよく把握した上で、「ちょっと難しいかな」くらいのレベルで抑えていく必要があります。

レッスンをしているスクールの方針や生徒層にもよりますが、一般的な英会話スクールで受講している中級レベルの生徒は、「何がなんでもレベルアップしたい!」と言うようなタイプではない事がほとんどです。「楽しく会話できれば十分」と思っている人も多いので気をつけてください。その場合は、初心者に対するアプローチと同じで構いません。

それでは、モチベーションの高い生徒向き「中級者を上達させるためのアプローチ」を説明します。


1)単語力が足らない

まず、圧倒的に語彙力不足のケースがほとんどです。特に初心者レベルから徐々にレベルアップしてきた生徒だと、「学校教育で蓄えた語彙力の貯金」を使い果たしているケースがほとんどです。

生徒がレッスン中に言葉に詰まったら、その都度適切な表現や単語をホワイトボードなどに書き残していきましょう。

また、単語や表現の意味を勘違いして使っていたり、使い方が間違っている場合があります。レッスン中に訂正し、レッスン終了後に日本語で説明してあげましょう。

初心者レベルを教える時は、あまり英語の間違いを直さなくても良いのですが、中級レベルは基本的に間違いはその都度直していきます。

「語彙を教える」と言っても、レッスンで使用するテキストに出ている単語の意味を教えると言うことではありません。当然ですが、予習はしっかりとしてもらい、少なくともテキストに出ている単語の意味くらいは事前に調べてもらってください。

あくまでも、レッスン中に英語でコミュニケーションを取っている時に、言葉に詰まったり、使い方を間違えた場合に、放置せず教えていくと言う意味です。

そして、「語彙の増やし方」をレッスンの前後でアドバイスしてあげてください。場合によっては次回のレッスンのための準備という位置付けて宿題にしても良いと思います。

とにかく語彙力強化を最優先します。


2)文法力が足らない

初心者を教える時にこのように説明してきました。

  • 単語・フレーズで即答させる
  • センテンスで話す必要ない
  • 間違いをいちいち直さない

初心者はこれで良いのですが、中級レベル以上は違います。

「話す力」と言う事だけではなく、文法力が足らないと、リスニングやリーディングの精度が落ちます。レッスンで使うテキストでも、中級レベルに必要な文法事項や文型が出てくると思うので、しっかりとドリル練習してください。

以下の点に注意してください。

  • 基本的にセンテンス単位で話をさせる
  • 英語の間違いを直す
  • 講師が話す英語もテキストレベルに合わせる

3)Listeningが曖昧

中級レベルの生徒のリスニング力を信用しないようにしましょう。「分かったふり振り」をします。あるいは、「分かったつもり」になっています。本当に理解できているかどうか、時々確認してください。

Did you understand what I said?

Can you tell me what you heard?

確認の仕方は何でも良いのですが、時々チェックを入れると、「分かったふり振り」をしなくなります。

特に気になる勘違いがあった場合には、レッスン後に日本語で説明してあげてください。


4)読解力がない

英会話のレッスンだと、テキストに読解用の英文が出てくる事は少ないと思います。それでも読み間違いをする事があります。

レッスン中は細かくComprehension Questionsをする事と、レッスン後に日本語で説明してあげてください。

できれば、自宅学習用にリーディングの教材を勧めてあげると良いでしょう。


5)英文を書く事に自信がない

中級レベルの生徒には、話せるようになるためには書く練習も大切だと言うことを理解してもらってください。

出来れば、次回のレッスンの準備という位置付けで宿題にする事が理想的です。


6)難しい話題だと話せない

例えば、週末にした事を話すとか、趣味について話すとか、仕事や家族のことなど自己紹介をするとか、初級レベルのレッスン中に話し慣れていることは、それなりのFluencyで話せると思います。

それが、中級レベル以上のテキストに出てくる、ちょっと難しそうな話題になると極端に話せなくなるというケースが、中級レベルの典型的な症状です。

この辺りは、中級者向けの学習方法に詳しく書いてありますので参考にしてください。

3. アクティビティー毎のポイント

オンラインレッスンを受けている生徒の写真

それでは、アクティビティー毎の具体的なアプローチ方法を説明します。あくまでも一般論として考えてください。初級者に比べると中級者ではかなり個人差が大きくなります。

1)クラスルームイングリッシュ

初級レベルに対する教え方で説明した、SSC(Short、Simple、Clear)から、S(Short)とS(Simple)を削除します。

中級レベルは、聞きながらも学べますので、レッスン中に講師が話す英語はテキストレベルに合わせていきます。あまり厳密に考える必要はありません。初級レベルでは避けていた文型も積極的に使ってください。

  • 関係代名詞
  • 関係副詞
  • 間接話法
  • 仮定法過去
  • 仮定法過去完了
  • その他

ただし、仮定法、特に仮定法過去完了は生徒レベルをよく確認して使ってください。

語彙レベルも同様です。中級レベルのテキストに出てくる語彙のレベルに合わせてください。

いずれにしても、生徒の表情をよく見ながら、自分が話している文型や語彙を理解できているのかどうか、確かめながらレッスンをする癖をつけてください。

分かっていなさそうな場合、理解できているかどうか確認してください。

2)Listening

基本的な流れは同じです。(基本的な流れを理解していない場合は、Listeningの教え方を先に読んでください)

  • Pre-Listening
  • While-Listening
  • Post-Listening

初級レベルに対するアプローチと異なる点は以下になります。

Pre-Listening

Set Up などの質問にもセンテンス単位で答えさせる

Vocabularyチェックでは、時々生徒に意味を説明させてもOK

What does 〇〇mean? と聞いてしまって構いません。

Post-Listening

時間がある時は、1-2センテンスくらい、音源からリピートさせてみてください。更に時間の余裕がある時は、リスニングセクションで聞いた内容を要約させていてください。

3)ドリル

中級レベルになると、「ドリルは必要ない」とか「リピート練習は必要ない」と勘違いしている講師がいますが、ドリルもリピートも必要です。

中級レベルの場合、普段使い慣れている文型であればそれなりのFluencyで話せるというレベルです。普段使い慣れている文型の練習は必要ありませんが、今使っていない文型や使い慣れていない文型の練習をして、表現の幅を広げ正確さを増すことによってリスニングの力も向上させられます。

英会話を教えようとしているくらい高い英語力を持っている皆さんでも、話すときに少し考えないと出てこない文型があると思います。中級レベルであれば、そのような文型が多々あります。

また、使い慣れていない文型や表現は、話す時にスピードが遅くなったり、変なイントネーションをつけて話すケースが多いので、ナチュラルスピードでのリピート練習も必要です。

と言っても、50分のレッスンであれば、ドリルで使う時間は5分程度、よほど難しい文系でも10分程度です。

文型的に複雑な構文も増えてくるので、ドリルの方法も工夫が必要です。何種類か組み合わせて方がいい場合もありますので、一つ例を出しておきます。

ドリルのパターンはターゲットにより適切な物を選んでいきます。必ずしも一つのパターンに限定する必要ありません。特に中級レベルになると構文的に複雑な物が多くなってくるので、複数の種類のドリルを組み合わせた方が効果的になります。

例えば、仮定法の場合、

① Formのドリル:Substitution

仮定法過去完了などは構文的に難しいのでまずシンプルに構文の練習をしてしまいます。(動詞句は生徒が必ず知っている表現を使います。)

  • ホワイトボードやスクリーン上に文のフォームを出して置きます。
  • If I 〇〇〇〇, I ○○〇〇yesterday.
講師

”know his number”, “call him”

生徒

If I had known his number, I would have called him yesterday.

講師

Good. “have time”, “join you

生徒

If I had time, I would have joined you yesterday.

講師

Good. “know she is coming”, “not go to the party

生徒

If I had known she was coming, I would not have gone to the party yesterday.

  • T:”know his number”, “call him”
  • S:If I had known his number, I would have called him yesterday?
  • T:Good. “have time”, “join you
  • S:If I had time, I would have joined you yesterday.
  • T:Good. “know she is coming”, “not go to the party
  • S:If I had known she was coming, I would not have gone to the party yesterday.

生徒はフォーム、主に動詞の活用に集中して文型の練習をすることが出来ます。「即答」できるようになったら、同じ例文を使い、意味を考えさせるドリル行います。

② 意味を考えるドリル:Transformation
講師

”I didn’t know his number”, “so I didn’t call him yesterday”

生徒

If I had known his number, I would have called him yesterday.

講師

Good. “I didn’t have time yesterday”, ”so didn’t join you yesterday.”

生徒

If I had time, I would have joined you yesterday.

講師

Good. “I didn’t know she was coming”, “so I went to the party yesterday.”

生徒

If I had known she was coming, I would not have gone to the party yesterday.

  • T:”I didn’t know his number”, “so I didn’t call him yesterday”
  • S:If I had known his number, I would have called him yesterday?
  • T:Good. “I didn’t have time yesterday”, ”so didn’t join you yesterday.”
  • S:If I had time, I would have joined you yesterday.
  • T:Good. “I didn’t know she was coming”, “so I went to the party yesterday.”
  • S:If I had known she was coming, I would not have gone to the party yesterday.

更に仮定法過去を加えたり仮定法過去と仮定法過去完了をミックスさせると、かなりChallengingなドリルになります。

ドリルに関してよく知らない方は、こちらの記事を参考にしてください。

4)Dialogue

ドリルと同じで、中級レベルになると、「リピート練習は必要ない」と勘違いしている講師がいますが、やはり必要ですね。

ただし、初級レベルの時とは異なり、Dialogueに出てくるセンテンスを全て何回も繰り返し練習する必要はありません。

先ほど説明した通り、使い慣れていない文型や表現は、話す時にスピードが遅くなったり、変なイントネーションをつけて話すケースが多いのが中級レベルの特徴です。

Dialogueの中から、2つか3つ、難しそうなセンテンスをピックアップしてリピートさせてください。

注意点

  • テキストを見ないでリピートさせる
  • ナチュラルスピードで自然なイントネーションでリピートさせる

Freer Practiceに関しては、ある程度自由に話させてください。この場合は、流れを止めてまで、細かいミスを直す必要はありません。ロールプレイなどが終わった時点で全員に対してフィードバックすれば大丈夫です。

Dialogueの教え方が、英会話の教え方の基本になります。よく理解していない場合は、こちらを参考にしてください。

5)ディスカッション/ スピーチ/ プレゼンテーション系

中級レベルでも簡単なディスカッション/ スピーチ/ プレゼンテーション系のアクティビティが出てくると思います。

多くの英会話スクールでは外国人講師が中級レベル以上を担当する事が多いようですが、このタイプのアクティビティをうまく教えられる講師をほとんど見たことありません。

中級レベルの生徒は、簡単なディスカッション/ スピーチ/ プレゼンテーション系のアクティビティで、講師が何もしないと全く話せません。

いきなり話させようとして、

Come on, don’t be shy. It is OK to make mistakes.

と言いながら、黙って待っているとか、

OK. This topic is boring. Let’s talk about this weekend.

と言って、生徒が話し慣れているトピックに変えてみたり、

レッスン後に、

My students are so shy, they didn’t say anything.

They got nothing to say.

と言っていたりします。

もう一度繰り返します。

中級レベルの生徒は、簡単なディスカッション/ スピーチ/ プレゼンテーション系のアクティビティで、講師が何もしないと全く話せません。

中級者向けの学習法の記事でも書いたのですが、話せない理由を理解する必要があります。その上で必要なステップを踏んでいきます。

STEP
Brainstorm

目的:トピックについて話すためのアイディアを集める

方法:細分化、メリット対デメリット、原因と結果、過去の例など

日本人学習者にとって、あるトピックについて話すと言う事は非常に難しいアクティビティです。詳細は省きます。(学習法の記事を参考にしてください。)

「どんな事が話せるのか」というアイディアを引き出していく必要があります。方法はトピックによって変わってきます。二つほど簡単な例を挙げます。

1. 映画について話す:いきなり話せと言われても話せないので、細分化、具体化します。
  • ジャンル
  • プロット/ストーリー
  • 役者
  • 監督/プロデューサー
  • シーン
  • 音楽
  • 評判

このくらい具体化していくと、かなりイメージが湧いてきます。更に細分化します、ジャンルであれば、アクション、ロマンス、コメディ、Sci-fi、ホラーなど

2. ダイエット:これも話せと言われても固まってしまいます
  • 食事制限:メリットとデメリット
  • 運動:メリットとデメリット

それぞれもう少し具体化して、炭水化物制限とか脂質制限、あるいはジム、エアロビ、ダンス、水泳などのメリットとデメリットなど

時々、このような方法を外国人講師に説明すると、「その場合、ペアワークでするのか?」とか聞かれますが、はっきり言って、どっちでも良いです。コントロールできるならペアワーク使ってください。 

STEP
Vocabulary

あるトピックについて話すという事は、当然ながら、語彙力が必要になります。最初に説明したように中級レベルの生徒は圧倒的に語彙力不足です。普段話し慣れていないトピックであれば、特に語彙が足らないでしょう。

必要な語彙を押さえていく必要がありますが、実は①のBrainstormの段階で出来てしまっているのです。

注意点は一つだけです。

必ずホワイトボード上に見やすく残しておく事

新しい単語がたくさん出てくる訳なので、生徒は覚えられません。ボードを見ながら話せ構いません。レッスン後にしっかりと復習して覚えてもらってください。

STEP
Outline

トピックについて話すための、①アイディア②語彙が揃ったら、ある程度話せるはずです。

しかしながら、このまま始めてしまうと、日本語で話す内容を英語にしてしまいます。日本語と英語では、話の展開方法が異なりますので、不自然な流れになってしまいます。

やはりホワイトボードにOutlineを出してあげましょう。

STEP
Opinion
STEP
Body
  • Reason 1
  • Reason 2
  • Reason 3
STEP
Conclusion

このようなシンプルなOutlineで大丈夫です。

講師が一度、①アイディアと②語彙を使って、このOutlineで例を見せてあげてください。

流れがわかれば、ホワイトボード上のBrainstormの表などを見ながら、話せると思います。

ペアワークでも構いませんが、しっかりとモニターしてサポートしてください。

STEP
Discussion

ある程度自分の意見が言えるようになったら、ペアやグループでディカッションします。講師は上手くガイドし、サポートするだけで大丈夫です。終了後に全体的なフィードバックをすれば良いでしょう。

この手のアクティビティは中級者に取って非常に難しいので、できれば2回のレッスンに分けられると良いでしょう。1回目は①②③まで、2回目は③と④であれば、予習復習が上手くできると思います。

いずれにしても中級者には難しいので、1回1回のレッスン単位で考えるのではなく、1年後にどのくらい出来るようになっているのかという、長い目で考えてください。

  

6. アドバイス

 

この記事で何回か書いてきましたが、レッスン前後で日本語でアドバイスする事が非常に大切です。

英語の面で全てにおいて中途半端な点が、中級レベルの特徴です。聞き間違え、誤報や文法のミス、勘違いなどをしっかりと説明する必要があります。レッスン中にそこまで出来ないのでレッスン前後で説明することになりますが、日本語で説明すればすぐにわかります。

また、学習方法についても勘違いしている事が多いし、レッスンであまり実施しないリーディングやライティングの練習方法も教えてあげてください。

7. 注意点

初心者が英会話のレッスンを受け始めると、最初の1年くらいはある程度上達実感が得られます。出来なかった事ができるようになっていく過程が比較的わかりやすいからです。

中級レベルになるとなかなか上達実感が得られません。また実際に上達しにくいのです。中級レベルから上達していくためにはかなりの努力が必要になります。

良いレッスンとアドバイスをして、ぜひ上達させてあげて欲しいのですが、上達するために努力が必要だしストレスも掛かります。

担当している生徒が、どこまで上達したいと思っているのか、目標設定をどこに置いているのかをよく理解した上で、レッスンしてください。

目次