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英会話の教え方|番外編① 失敗例#1

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この記事は、「英会話・英語」を教えたいと思って、真剣に効果的な教え方を探している方向けに書いています。「なんでも良いから手っ取り早く教える方法を簡単に見つけたい」と言うような趣旨で書いておりません。人に物を教えると言う事は簡単な事ではありません。努力を惜しまず、少しでも生徒を上達させたい、と思っている方向けです。

検索目的と違うと言う方は、「なんでも良いから手っ取り早く教える方法を簡単に見つけたい」と言うようなスタンスで書かれている方はたくさんいますので、すぐ離脱して他のサイトを探してみてください。では、本題に入ります。

英語が好きで大学で専攻したり、留学に行ったり、あるいは海外生活を送って英語を身につけて、今度は「英語を教えてみたい」「英会話を教えてみたい」と思ってみたものの、いざ教えてみようとすると、「どうやって教えたらいいのか」「どんなテキストを使ったらいいのか」迷ってしまっているかもしれません。

また、実際に自分の経験を基に英語・英会話を教えてみたものの、「この方法であっているのか不安だ」「生徒とうまくかみ合わない」などと不安に感じている方もいると思います。

私は留学も長期間の海外生活を送ったこともありませんが、20代前半から英語・英会話を教え始め、その後英会話スクールで、講師トレーナー教務課責任者事業部長などを務めながら35年以上にわたり、英語教育に関わってきました。その間に直接教えた生徒は数千人以上、「英会話の教え方」を研修・指導した日本人講師数千人以上、同様に研修・指導した外国人講師数千人以上になります。

これまで私が実際に指導してきた、「英語・英会話の教え方」を簡単にまとめてあります。読んでいただければ分かると思いますが、「英語・英会話の教え方」に関しては、ある「一つだけの正解」はありません。あくまでも、一つの例として参考にしてください。

「英会話の教え方」の基本的な考え方や技術的な事は「英会話の教え方」のカテゴリーで詳しく書いてありますので、基本から知識を得たい方はそちらから参考にしてみてください。

今回は実際に自分が直接生徒をを教えていた時期に失敗した例をいくつか紹介します。実際には、非常に多くの失敗を重ねたのですが、今でも強く記憶に残っている事を何回かに分けて紹介していきます。

目次

1. 過度な期待を押し付けたケース

オンラインレッスンを受けている生徒の写真

外国語を身につける事は簡単ではありません。「英語・英会話」を教えてみようと思って、この記事を読んでくれている方には良くわかると思います。数ヶ月で外国語が自由に使えるような事はありません。何年も何年も勉強を続け、失敗を繰り返し、それでも自分が思い描いたように外国語が話せるようにはなりません。

多くの英会話講師の勘違いはここから始まります。

  • 外国語を身につけるためには必死に努力すること
  • 毎日毎日何時間も勉強すること
  • 機会があれば実践練習を積むこと

多分、当たり前すぎる事なので何の疑問も感じないと思います。程度の差はあるにせよ、同じような事を無意識のうちに期待してしまいます。これが、生徒にとって過度なプレッシャーに感じさせてしまう事があります。

日本人の生徒は非常に謙虚なので、なかなかその気持ちを表現してくれる事はありません。なので講師側が気づかないことの方が多いのですが、過去に何人かはっきりと表現してくれた生徒がいました。その時は、素直に「ハッとさせられた」と言う感覚しかありません。

そのようなケースをいくつか、挙げてみます。かなり昔の話なので、あまり正確ではないかもしれませんが、30年以上前の話でも強く印象に残っているケースです。

1. 20代女性 Aさん

所謂英会話スクールに通う典型的な生徒です。20代後半の女性で初心者クラスを受けていました。当時はAEONで教えていたので、定員4名のグループレッスンです。授業料は年間30万くらいだった思います。初心者で「旅行に行った時、少し英語が使えたら良いかも!」的なタイプです。英会話スクールに通う典型的なパターンです。

AEONのグループレッスンは、担任制の固定レッスンで振替ができるタイプです。基本的に毎週同じ曜日時間にレッスンを受講します。当時のグループレッスンは週2回なので、毎週火曜と金曜の19時のレッスンを受講していました。担任制でも振替ができるので、講師が気に入らないと自動的に曜日や時間が変わってしまうのですが、Aさんはほとんど欠席する事も振替することもありませんでした。たまに仕事の都合で振替する時は、「先生、ごめんなさい。来週火曜は来れないんです。」のように必ず事前に伝えてくれるタイプで、残業とかで遅れる場合も必ず電話してくれるような人です。

固定制のレッスンの場合、生徒同士も仲良くなっていく事が多いので、Aさんも毎週一緒にレッスンを受けているBさんとCさんと仲良くなり、非常に楽しそうに通学していました。休まずレッスンを受け、継続してくれていたので英語力も順調に伸びてきていて、初級クラスから始めて、もうすぐ中級レベルになるようなレベルでした。

英会話スクールに入学して初級レベルからスタートすると言うことは、多くの場合学生時代にあまり英語が得意でなく基本的な語彙力や文法力が不足しているケースが多々あります。初級レベルからスタートして最初の1年くらいは学生時代の英語学習の貯金である程度伸びていきますが、徐々に貯金の底がつき伸び悩み始めていきます。

過去にもこのような例があったので、Aさん、Bさん、Cさんにも、レッスン以外に少しずつ宿題を出すようになりました。単語力や文法力を少しずつ伸ばしていって、中級レベルでも落ちこぼれる事なく上達して欲しいと思っていたからです。

最初に説明した、講師の典型的な勘違いです。

  • 外国語を身につけるためには必死に努力すること
  • 毎日毎日何時間も勉強すること
  • 機会があれば実践練習を積むこと

生徒一人一人、仕事やプライベートの時間のスケジュールや優先順位が異なるので、必ずしも英語の優先順位が常に高いわけではありません。英語の到達目標も講師になるような人達とは違うケースが多々あります。

このケースでは、Aさんと同じクラスでレッスンを受けていたBさんが非常に英語好きになってしまいました。それほど明確な目的を持って英会話スクールに入学したわけではなかったようですが、レッスンを受けているうちに英語が好きになりました、会社を辞めてワーキングホリディに行く事にしたようです。

Bさんのモチベーションが非常に上がってきたので、Aさん達に出していた宿題も少しずつ量が増えていきました。モチベーションが上がっていたBさんは全てこなし、レッスンの前後に質問くる事も多くなりました。Aさんの方は宿題を提出しないことも増えてきて、少し心配だったのですが、それに関して何も言ったことはありません。

ある日、レッスン前にAさん、Bさん、Cさんと私で話していた時、Bさんが毎日どのくらい勉強しているか話し始めました。私の方は単にBさんに「凄いね。頑張ってるね。ワーホリ楽しみだね!」的な事を話していたつもりなのですが、Aさんから言われた一言にハッとしました。

「先生、そんな目で私を見ないでください。英語だけやってるわけじゃありません。」

自分では決して3人の生徒を比較していたつもりはないのですが、やはりBさんが真剣に英語に取り組み始めた事が嬉しかったことは事実です。

最初に説明した、講師の典型的な勘違いです。

  • 外国語を身につけるためには必死に努力すること
  • 毎日毎日何時間も勉強すること
  • 機会があれば実践練習を積むこと

もう30年くらい経つのですが、何年経ってもあの一言は忘れられません。Aさんの口調は決して責めるような口調ではなく、明るく軽い口調でしたが、本心だったと思います。

2. 30代男性 Dさん

先ほど紹介したAさんのケースと同時期だったと思うので、これも30年くらい前の話です。30代前半の男性で完全な初心者でした。通常のグループレッスンだと難しすぎるようなレベルだったので、半年間プライベートレッスンを受けてからグループレッスンに進みましょう、と言ったプランだったと思います。

当時もそうでしたが、今振り返ってみても、このDさんがなぜ英会話スクールに入学しようと思ったのかわかりません。当時の学校教育の設定で中学1年生の1学期まで遡ってやり直さないといけないレベルだったからです。レッスン外に日本語で話していても、旅行が好きなわけでもなく、映画や音楽が好きなわけでもなく、外国に興味があるようにも思えませんでした。

それでも週1回のプライベートレッスンを休まずに来ていたのですが、3ヶ月目に差し掛かる頃、急に来なくなりました。それまでは遅刻する時でも連絡くれていたのですが、無断欠席をした時から全く連絡が取れなくなり、そのまま自然消滅してしまいました。プライベートレッスンとグループレッスンと合わせて50万年くらい払っていたと思います。その後2-3ヶ月後にスタッフから電話が通じたようですが、「もういいです。」と言う感じで返金も必要ないようでした。

いまだにはっきりとした理由はわからないのですが、自分の中では「早くグループレッスンに移行して、他のクラスメートと楽しくレッスンを受けてほしい」と言う気持ちが強かったので、焦りすぎたのかもしれない、もっとゆっくりスローペースで進めていた方が良かったかも、と言うくらいしか想像できません。

先ほど紹介したAさんのケースと違って、はっきり伝えて貰えなかったので、原因は不明で想像の域を出ないのですが、やはり同じパターンの失敗だと思います。

最初に説明した、講師の典型的な勘違いです。

  • 外国語を身につけるためには必死に努力すること
  • 毎日毎日何時間も勉強すること
  • 機会があれば実践練習を積むこと

やっぱり、講師の勘違いなのかな。

まとめ

まとめるような内容ではないのですが、英語や英会話を教え始めたばかりの方が、同じような経験をしているかもしれないと思い、紹介してみたました。

今後何回かに分けて、いろいろな失敗例を紹介していきます。

やはり、教えると言うことは非常に難しいものですね。

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