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留学も海外生活もせずに日本で英語を学ぶ方法 |中級者編 |”はじめに”

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「外国語を身につけるには、その国に行って生活するのが最適の方法だ!」などとよく言われています。まさにその通りです。高校3年間+大学4年間=合計7年間も留学できたらいいですよね! それが可能な方は是非行ってください素晴らしい世界が開けてくると思います。

残念ながら、それは全ての英語学習者に可能な方法ではありません。私も行けませんでした。それでも、留学も海外生活もせずに日本で勉強した結果、英語・英会話講師を経て、講師トレーナー、管理者として数千人以上の外国人講師と日本人講師に「英会話の教え方」を指導してきました。

自分自身の学習経験、講師として初心者から上級者まで担当し学習者の悩みや喜びを共有し、また指導した講師達の実例に基づいて、日本で英語を学ぶ方法を伝えていきたいと思います。目的やレベルごとに学習方法が変わってきますので、概要からそれぞれの方法へ進み、必要な部分を読んでください。

ここでは、「中級レベル」にフォーカスして見ていきます。「中級レベル」と一口に言っても、「初心者」と比較すると個人差が非常に大きくなります。ここではまず「一般的な中級者の特徴」を確認し、その上で「外国人とコミュニケーション取れるようになる事が最終目標で、あまり大変な思いまでしてまで勉強したくない」と言うタイプと、「これから本格的に英語を勉強してもっと上達したい」と言うタイプ、それぞれにあった学習法を説明していきます。

目次

1. 「中級レベル」とは?

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まず最初に、「中級レベル」の特徴をざっと並べてみます。

  • 英語で話していて、「何となく相手の言っていることを大まかに理解できる」
  • テレビドラマやYoutube動画などを、知っている単語・フレーズを頼りに「何となく楽しめる
  • 外国人と英語で話す事にあまり抵抗を感じなく、楽しめる
  • 大まかに理解した」内容を基に、単語・フレーズだけでなく、短いセンテンスで答えられる

一言で言うと、この「何となく」「おおまかに」「楽しめる」が大きなポイントになります。初心者の場合、必要以上に細部が気になります。そのため、「1語知らない単語があると、文全体の意味がわからなくなる」という事や、「言いたい事があるのに、どう表現したら良いかわからない。何も伝えられない」、あるいは、「自分の話している英語が正しいかどうか不安で仕方がない」と感じることが多いようです。

これに対して、中級者の場合、聞いている英語にある程度「わからない部分」がある状態に慣れてきています。その中で、知っている単語や表現聞き取れた単語や表現をヒントに、文全体の意味を推測するようになります。そのため、「わからない部分」はあるものの、「何となく相手の言っていることを大まかに理解できる」のです。

日本語では自然とやっている事なのですが、例えば、車内放送であれば、こんな感じです。

〇〇〇〇〇〇〇〇、東京駅、〇〇〇〇、異常音、〇〇〇〇、安全確認、〇〇〇〇、横浜駅到着予定、〇〇〇〇、19時30分、〇〇〇〇、申し訳、〇〇〇〇

〇〇の部分が聞き取れないとしても、「東京駅、異常音、安全確認、横浜駅到着予定、19時30分、申し訳」の部分から全体の意味を推測する事ができるのです。つまり、「何となく相手の言っていることを大まかに理解できる」のです。ただし、〇〇の部分が聞き取れていない訳なので、細部が理解できておらず正解に理解しているわけではないので、勘違いや誤解、間違った解釈をしてしまうことが多々あります。

初心者の場合は、反対に〇〇の部分に意識が行きすぎてしまい、他の部分もわからなくなってしまいます。また、単語単位で、「東京」とか「異常音」と言う単語を知っていたとしても、スピードについていけず、文章単位では全く意味がわからない事があります。

こんな感じで、「何となく相手の言っていることを大まかに理解できる」と、テレビドラマYoutube動画などをそれなりに楽しめるようになります。先ほどの車内アナウンスの要領で、知っている単語や表現を頼りに、想像力を張り巡らせて全体像を推測していきます。テレビドラマのYoutube動画も映像があるので、表現を拾っていけば、ある程度理解できます。

決して内容をよく理解している訳ではないのですが、テレビドラマYoutube動画などを見て「楽しめる」と言う状態は、かなり満足感も達成感もあるので、ここまで上達したことは素晴らしい事です。英語ができなかった時には絶対味わえなかった世界が広がっています。この段階で、「もう十分目標を達成した!」と、英語学習自体は一旦休止して現場を楽しむのも大正解です。

ただし、やはり人間不思議なもので、「分かるようになったら、もっと理解したい」とか「もっと楽しみたい」と言う気持ちが出てきます。この気持ちの強度に応じて、今後の学習に対する方向性を定めていくと良いでしょう。

ドラマや動画が「楽しめる」ようになると、外国人と話すことに対しても、「抵抗がなくなり」「楽しめる」ようになります。初心者の時は、外国人と話すことが、「怖い」と思ったり、外国人と話すことを「避ける」と言う態度だったのが、「話す機会を積極的に持ちたい」「もっと話したい」と思うようになります。繰り返しになりますが、これも非常に大きな進歩です。この段階で、「もう十分勉強した」と、英語学習自体は一旦休止して現場を楽しむのも大正解です。

「英語学習」のサイトなのに、「何故、英語学習を途中で止めさせようとするのか?」と思うかもしれませんが、外国語を習得するためには、膨大な時間と労力、費用が掛かります。途中で辞めてしまうと、努力が全て無駄になってしまうこともあります。どうしても、本当に、絶対に、英語力を伸ばしたい!」心の底から実感しないと、なかなか成果が出にくい、と言うのが「中級レベル」の特徴でもあるのです。

話が少しずれましたが、「外国人と英語で話す事にあまり抵抗を感じなく楽しめる」ようになるのですが、中級レベルの特徴としては、「大まかに理解した内容を基に、単語・フレーズだけでなく、短いセンテンスで答えられる」と言う段階に留まります。実際に中級レベルの生徒と講師が話をしているのを見ていても、90%くらい講師が話していて、生徒の方は楽しそうに、“Yes!”とか“Me, too”、あるいは、“Really?”, “You did?”のような反応をしていること多いと思います。

講師

You look a little bit tired. You must have been very busy. Did you work hard? What did you do today? Did you have a big meeting?

生徒

Yes.

講師

I thought so. That’s why you were a little quiet today in class. Actually, I’m tired too. I went to Shibuya yesterday. There were so many people. I’d never seen so many people on the street.

一般的な傾向として、外国人講師は相手が中級レベルだと思うと、かなり話し続けます。初心者相手の時に比べるとそれなりに速いスピードで話すので、文字で見るとこんな感じでも、実際の会話はかなり良いペースで進んでいきます。ある意味、このペースについて行って反応できる、と言うのが、「中級レベル」と言うことになります。

やはり、こうやって会話を続けられるという事は、初心者レベルと比べて、大きく進歩しており、素晴らしい事です。当然ながら、「本当はもっと話したい!」と思うと思いますが、十分に満足できるレベルだと思います。何となく、「中級レベル」のイメージは掴めたでしょうか?

私のいう、「中級レベル」とは、所謂「一般的な英会話スクール」でのレベル設定です。大学や専門学校、また、かなり独特な特徴を持つ語学スクールだと、別の考え方があると思います。実際には、「コミュニケーション力」レベル分けは非常に難しいので、あくまでもこのサイトでの「便宜上の分け方」として捉えてください。

2. 中級レベルの個人差

このサイトでの「中級レベル」を何となく見てきましたが、「中級レベル」は非常に個人差が出やすいレベルです。「初級レベル」の場合、「みんな一斉に新しいことを覚え始める!」みたいなイメージで考えて貰えば良いので分かりやすいと思います。「初心者」同士でもレベル差はあるのですが、「中級レベル」に比べるとその差は少ないと思います。

「中級レベル」の場合、「中級レベル」に到達するまでに、一人一人独自の方法で勉強していきます。所謂「学校の勉強」だけの人もいれば、「英会話スクールに通った人」「ホームステイに行った事がある人」、「大学で英語を専攻した人」など、さまざまなバックグラウンドが考えられます。

また、英語のスキルに関しても、「文法が得意な人」「リスニングが得意な人」「語彙が強い人」、「リーディングに自信がある人」などさまざまです。これらのスキルを総合的に判断して、レベル設定をします。なので、同じクラスに、同じレベルだけど「文法レベルが全く違つ」とか「リスニング力が全然違う」などのようなケースが多々あります。

さらに個々のスキルに関しても、レベル差が出てきます。レベル差というか、「違い」が出てきます。例えば、「語彙力」を例にとると、語彙力2000語の学習者AさんとBさんがいるとします。知っている単語の数は二人とも2000語です。

ただし、この2000語は、同じ2000語ではありません。AさんとBさんは学生時代に違う教科書を使用していました。当然覚えた単語は全て一緒ではありません。また、興味のある分野や趣味専攻仕事が違えば、知っている単語の種類が変わってきます。

「文法力」もそうです。中学校1年生から大学受験まで、全ての期間ずっと英語が好きで毎日毎日英語の勉強をした!、という方はあまり多くないかもしれません。それぞれ、学生時代のどこかの時期に、「英語が好きで得意だった時期」「英語が嫌いで成績が悪かった時期」が多少なりともあると思います。当然ながら、「英語が好きで得意だった時期」に勉強した事は覚えているし、「英語が嫌いで成績が悪かった時期」に勉強した事はよう覚えていないでしょう。これも一人一人状況が異なります。

このように、英語学習の期間が長くなり、勉強した量が多く慣ればなるほど、「個人差」が大きくなります。そのため、「中級レベル」と一口に言っても、かなり幅のあるレベルだということを理解してください。

3. ここでのレベル設定 - 初級者・中級者・上級者とは?

初級レベルの学習法”導入編”でも説明しましたが、もう一度レベルについて説明します。ここまで説明してきた内容はかなり抽象的、概念的な事柄が中心だったので、具体的に「文法力」「語彙力」の面でレベルを見ていきます。これまでの内容で、「中級レベル」の特徴に”ピンと来た”方は、このセクションを飛ばして、具体的な学習法の記事に進んでください。

学習方法の説明をするために、便宜上、“初級者”、“中級者”、”上級者“に分けます。実際には、一人ひとり、得意不得意の分野が違うので、こんな単純に分けられる訳ではありません。ただし、それぞれの段階で重要な事項が変わってくるので、ここでの“初級者”、“中級者”、”上級者“のレベル設定を簡単に紹介しておきます。

初心者

一般的な日本人成人対象にした英会話スクールの場合、レベル設定は学校の英語教育を前提に設定していきます。大雑把に言ってしまうと、初心者の場合、中学校1年~2年くらいの英語の授業で出てくる内容が中心になります。文法レベルで考えると分かりやすいと思います。

① 主な文法事項
  • 現在形・現在進行形
  • 過去形
  • 未来形
  • 数えられる名詞・数えられない名詞
  • 肯定文・疑問文・否定文
  • 比較級・最上級など
② 語彙・表現
  • 中学校1年〜2年の教科書に出てくる単語・熟語
  • 身の回りの事を表現する語句
  • 日常的な動作
  • 家の中にある物の名前

 

中級者

同様に、中級者の場合、中学校3年~高校1年くらいの英語の授業で出てくる内容が中心になります。文法レベルで考えると分かりやすいと思います。

① 主な文法事項
  • 現在完了形
  • 受動態
  • 不定詞・動名詞・現在分詞・過去分詞
  • 関係代名詞・関係副詞
  • 間接話法・間接疑問文・時制の一致
  • 仮定法など
② 語彙・表現
  • 中学3年〜高校1年レベル
  • 人の外見・性格・特徴を表現する語句
  • テレビ・映画・スポーツなど趣味を説明する語句
  • 学校や仕事の具体的な内容を説明する語句

  

上級者

同様に、上級者の場合、高校2年~大学受験くらいの英語の授業で出てくる内容が中心になります。文法レベルで考えると分かりやすいと思います。

① 主な文法事項
  • 仮定法過去・仮定法過去完了
  • 倒置・挿入
  • 前置詞を含む関係代名詞など
② 語彙・表現
  • 高校2年〜大学入試レベル
  • 一般的なニュース・雑誌などを理解するのに必要な語句
  • 小説を読むのに必要な語句
  • Youtubeなどの動画を理解するのに必要な語句

だいたいの目安として考えてみてください。

1点だけ注意があります。

私の言う「英語力」は、コミュニケーションのために必要な英語の総合力です。各レベルで挙げた、文法力と語彙・表現力は、「使えるレベル」を指しています。「頭で理解しているレベル」ではありません。

外国語学習は、よく「楽器の演奏」「スポーツ」に例えられます。例えば、「楽器の演奏」で考えてみると、「使えるレベル」「頭で理解しているレベル」は次のようになります。

「頭で理解しているレベル」

  • ある曲を譜面などで理解し、楽器のどの部分を押さえて、どう鳴らせば良いか理解している
  • ある曲を“部分部分”演奏する事ができる

「使えるレベル」

  • ある曲を、最初から最後まで、人前で弾く事が出来る
  • 指や体の動きと頭の中の音が一致している

この両者の間には大きな違いがあるのがわかるでしょうか?「英語力」のレベルは、この「使えるレベル」で考えてみてください。では、次のセクションで、具体的な学習方法の説明に入ります。

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